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【読書暦】2015年に読んだ本

【★☆☆☆☆】ダ メ【★★☆☆☆】普 通【★★★☆☆】面白い【★★★★☆】お薦め【★★★★★】名 作


★★★☆☆ 「ジャガー・ハンター」ルーシャス・シェパード 新潮文庫 12/29
★★★★☆ 「夏の庭」湯本香樹実 新潮文庫 12/11
★★★☆☆ 「さざなみ情話」乙川優三郎 新潮文庫 12/8
★★★☆☆ 「白い部屋で月の歌を」朱川湊人 角川ホラー文庫 11/25
★★☆☆☆ 「幽霊たち」ポール・オースター 新潮文庫 11/15
★★★☆☆ 「悪魔が来りて笛を吹く」横溝正史 角川文庫 10/24
★★★☆☆ 「オーパ、オーパ!! モンゴル・中国篇 スリランカ篇」開高健 集英社文庫 10/2
★★★★☆ 「蛇にピアス」金原ひとみ 集英社文庫 8/30
★★★☆☆ 「悪魔の手毬唄」横溝正史 角川文庫 8/23
★★★☆☆ 「つぶやき岩の秘密」新田次郎 新潮文庫 8/12
★★☆☆☆ 「灯籠爛死行」赤江瀑 光文社文庫 8/3
★★★☆☆ 「三姉妹」藍川京 幻冬舎アウトロー文庫 6/27
★★☆☆☆ 「ニート」絲山秋子 角川文庫 6/19
★★★☆☆ 「死都 ホーラ」篠田節子 文芸春秋 6/14
★★★☆☆ 「温室デイズ」瀬尾まいこ 角川文庫 6/6
★★★★☆ 「夕子ちゃんの近道」長嶋有 講談社文庫 6/3
★★★☆☆ 「被写体」三浦友和 マガジンハウス 5/20
★★★☆☆ 「骸骨乗組員」スティーヴン・キング 扶桑社文庫 5/13
★★★★☆ 「ポラーノの広場」宮澤賢治 新学社文庫 4/12
★★★★★ 「残穢(ざんえ)」小野不由美 新潮社 4/1
★★★☆☆ 「たのしいムーミン一家」ヤンソン 講談社文庫 3/30
★★★☆☆ 「GO」金城一紀 講談社 1/26


 たぶん、芥川賞作家の中で読んで面白く、はっきり好きな作家と言えるのは長嶋有くらいだと思います。次点が絲山秋子、平野啓一郎。
 長嶋有の小説は、どちらかと言うとあまり文学的な匂いを感じさせないところが特徴で、読みやすいし分かりやすく個性的な物語を描きます。キャラクターが立っているので、漫画的と言っても良いくらい堅苦しくないのに、文芸作品としても優れているところが凄い。
 なぜか意外と話の筋が記憶に残らないところが不思議。しかし、ほとんどハズレのない作家の一人だと言えます。

長嶋 有は「猛スピードで母は」で第126回芥川賞を受賞

 しばらく読んでいないので忘れていましたが、最近読んだ湯本香樹実の「岸辺の旅」の空気感は、長嶋有の作風が一番近いかも知れないです。ただ長嶋有の作品には、あまり泣けるようなイメージはありません。さらっと終るのであまり記憶に残らないのかも知れない。でも面白い。ちなみに長嶋有は男性(オッサン)です。

ホラー小説が山本周五郎賞受賞!納得の傑作

 特筆すべきは小野不由美の「残穢(ざんえ)」です。
 ノンフィクション風に描かれたホラー小説ですが、物凄く良くできています。主人公のモデルは恐らく著者自身で、現実の生活の出来事とストーリーをクロスしたり、実在する友人作家を登場させてリアリティを持たせることに成功しています。
 お昼のワイドショーの心霊特集で挿入される再現フィルムを思わせる展開には、一般的なホラー小説みたいな派手な出来事は一切ありません。そこが良くできたノンフィクション作品のような没入感を生みます。
 読了して「これは凄い小説だ!」と思っていたら「山本周五郎賞受賞」でした。ホラー小説なのに!それが十分納得できる傑作です。

 お化けは出て来なくても、実際にあった心霊エピソードを読む感じなので、もちろん恐い話が苦手な人には不向きです(笑)。


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<(ↀωↀ)> May the Force be with you.