自然は完全なものだが、人間は決して完全ではない。完全なアリ、完全なハチは存在するが、人間は永遠に未完のままである。人間は未完の動物であるのみならず、未完の人間でもある。他の生き物と人間を分かつもの、それはこの救いがたい不完全さにほかならない。人間は自らを完全さへと高めようとして、創造者となる。そして、この救いがたい不完全さゆえに、永遠に未完の存在として、学びつづけ成長していくことができる。
エリ
「原告適格なし」という異常事態
アメリカで異常事態が起きている。テキサス州司法長官が提訴した、今回のアメリカ大統領選挙の無効を訴える裁判が、なんと、「原告適格なし」として、棄却(却下?)された。これは、異常事態だ。
岩波文庫版『世界憲法集』にて、アメリカの裁判制度を調べてみたけれども、これといった条文が無い。ということはつまり、慣習法によって、裁判制度が運用されているとみてよい。
なぜ、「原
熨斗隆幸
(一般社団法人 社会科学総合研究機構 研究員)
コンピュータにできないこと ITの限界?(2)
Ignoramus et ignorabimus ――われわれは知らないし、知らないであろう
前回計算の限界についてお話ししました。しかし計算機の限界を認めるとしても、そもそもいまのデジタル社会は計算機でできているの?という疑問があるかもしれません。社会のIT化を見ていると何だってできそう