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「生まれ」の偶有性を封じ込めるお金の活動履歴

成田さんがまた面白いツイートをしていた。

ここで言われることは、突き詰めていくと、「生まれ」への配慮がなされるといっていい。
成田さんがいうお金の活動履歴が本当に実現すれば、知らずのうちに与えられた肉体や社会、物理環境という「生まれ」の偶然性に対処できるのではないか?

我々がお金を手に入れる方法


我々がお金を手に入れる方法は、概ね以下に分かれる。

1.労働の対価

まず、一番メジャーなのは、労働の対価だろう。トヨタ自動車の従業員として働き、月に40万円もらうとか、ローソンでバイトして月に10万円もらうとか、企業の役員報酬とか、そういうものだ。社会への何かしらの貢献、といいうのがわかりやすい。

2.投資のキャピタルゲイン

こちらは、一気に大金をゲットできる可能性がある。起業家や投資家などが、資本を投じて、会社を大きくして上場やバイアウトで売却することで、億円単位の金をゲットすることができる。

3.相続・贈与

これは単純に親などから金をもらう。正当な方法なら贈与税や相続税の影響を受けるだろうが、そこをかいくぐって相続、贈与されているものもあるだろう。

4.強奪

違法だが、強奪して逮捕もされず、お金をもっているものもいるだろう。

5.ラッキー

宝くじや、道端で拾った、などというのはラッキーマネーだ。

以上、ある一個人の資産状況をたどれば、いかの5種類に分類されるのではないか?

今持っているお金の履歴を知れば人生がわかる


仮に今、35歳で3000万円持っているという人がいるとしよう。

その背景は多様だ。

例えば、Aさんは25万円の給料を毎月20万円貯金して、年間240万、これを15年くらい続けて3000万にいたる。月5万円生活という大変な努力を継続してきた。

Bさんは、年収2500万円のサラリーマン。毎月何十万円かを貯めて、3000万になった。自己投資や遊びにも毎月何十万か使っている。

Cさんは、30歳で完全犯罪をなしとげ、捕まらずに1億円をゲット。7千マンつかったので、のこりは3000万円。

Dさんは、相続で5千万円をゲット。二千万使ったので残り3千万。

のように、今あるお金の出どころを探っていけば、どういう人生だったのかがだいたいわかる。

お金の活動履歴をどう活用できるか?

では、お金の活動履歴が完全に辿れる場合、どのように活用できるか?成田さんは、人によって商品やサービスの値段を変えることができると書いているが、どういうことだろうか?

お金は基本的には、社会貢献の対価だ。誰かの課題を解決する。家事代行のような明らかな課題サービスもそうだし、金持ちの道楽のためのサービスだって、暇という課題を解決している。
投資だって、起業だって、リスクをとって社会を前に推し進めたリターンとして正当なものだ。

上記の1と2、労働と投資の対価で得たお金については、社会貢献のあかしだ。一方で、3、5については、ただの「生まれ」によるもので社会に価値創造はしていないし、5についてはただの犯罪者だ。

つまり、お金の履歴を見ることで、その人がこれまでにどれだけ社会貢献をしてきたがわかるのだ。

では、どれだけ社会貢献をしてきたかがわかったとして、それをどう使うか?
原則としては、「自分の努力」によらないで得たお金については、その用途を制限したり(贅沢品は禁止し自己への教育投資のみにするなど)、他の人よりも高いお金を支払うというような調整が考えられる。他の人が500円で買えるものに1000円支払わなければいけない、など。ただ、生まれつきの障害を持つ人などは別途考慮が必要。

このようなことが実現すれば、相続やラッキーなど「生まれ」のような偶然性によって得たお金への対処ができる。
また、貧困層は、低価格で生き延びるために必要な物資は購入できるようになる。

アルゴリズムの善悪基準をどう作るか?

今、ざっくりとお金履歴の使い方を考えてみたが、アルゴリズムで一物多価を実現するなら、何かしらの善悪の基準を人間が作る必要がある。

この調整のアルゴリズムの善悪基準をどうつくるか?それが大きな問題だ。
社会的な合意をどうまとめるか?

私は、「自由の相互承認」という社会の理念をベースに作っていくしか道筋がないと考えている。

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