上柿崇英

環境哲学/現代人間学を研究する上柿崇英のnoteです。

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マガジン

  • 【研究】〈自己完結社会〉の成立

    著者が2021年に刊行した単著『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上巻/下巻)』(農林統計出版)に関わる内容を応用した問題についてご紹介します。

  • 【研究】「思念体」の研究

    メターバス、アンドロイド、サイボーグ化といった技術環境を背景として成立してくる新しい世界観について、想像上の人格である「思念体」という概念を中心に論じています。

  • 【講座】〈自己完結社会〉の成立(予定)

    著者が2021年に刊行した単著『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上巻/下巻)』(農林統計出版)の内容を一般の方にわかりやすく紹介していきます。

  • 【用語集】〈自己完結社会〉の成立

    このマガジンでは、筆者が2021年に刊行した『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上巻/下巻)』(農林統計出版)に登場する用語(キーワード)についての概略、および他の用語との関係について説明したウェブ版の用語集のnote版です。(現在リンク先は、すべてウェブ版を借用していますが、徐々にnote版に切り替えていく予定です。

  • 【書評・レビュー】〈自己完結社会〉の成立

    このマガジンでは、拙著『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上・下)』(農林統計出版、2021年)が取りあげられている書評、レビューなどについて、執筆者および発行団体の許可を得てご紹介します。

最近の記事

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【論文】世界観としての「思念体」とその構造――メタバース、ヒューマノイドが拓く新しい世界観と「脱身体化」の未来について

 この間、さまざまなところで発表してきた「思念体」についての論考を、この度、論文という形でまとめました(共生社会システム学会『共生社会システム研究』第18号投稿中)。これまでさまざまな形でコメントをくださった方に感謝を致します。  また筆者がこのテーマを深めるにあたって、多くの参考文献に支えられましたが、特に、『メタバース進化論――仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』(バーチャル美少女ねむ、技術評論社、2022年)と、『メタバース革命――バーチャル経済圏のつく

    • 反出生主義における三つの実践的不可能性と「無限責任」の問題――心情から読み解く〈信頼〉の不在とその行方

       反出生主義について1年前に執筆した原稿がようやく刊行されました。  反出生主義とは、「この世に出現するいかなる生も害悪であり、したがってわれわれは新たな生をこの世に生みだすべきではないし、人類など早々に絶滅した方が良い」という主張を普遍的な道徳原理として掲げる思想で、ベネターの『Better Never to Have Been : The Harm of Coming into Existence』(2006)を通じて世界的に知られるようになりました。  本論もベネタ

      • 「思念体」の研究(続その①発表スライド)――メタバース、アンドロイド、サイボーグ化が拓く新しい世界観

         先日noteで公開した「思念体」に関する問題意識を共生社会システム学会というところで発表してきました。以下から発表スライドをPDFで見ることができます。  上述のnote記事は、以下のリンク先からも読むことができます。

        • 「思念体」の研究(序論)――メタバース、アンドロイド、サイボーグ化が拓く新しい世界観とその問題意識

          はじめに 最近、これまで〈自己完結社会〉論で「思念体」や「脳人間」という概念を使って述べてきたことを、「「思念体」の研究」という形でひとつの研究テーマとして構想できないかと考えています。以下、その内容について、現時点でお話しできることをまとめてみました。  まず、ここでの「思念体」とは、AI、サイボーグ、メタバース、アンドロイドなど、21世紀の技術的環境によって生みだされることになる想像上の人格のことを指しています。  おそらく現在の私たちの世界観においては、人間の本質は

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        【論文】世界観としての「思念体」とその構造――メタバース、ヒューマノイドが拓く新しい世界観と「脱身体化」の未来について

        • 反出生主義における三つの実践的不可能性と「無限責任」の問題――心情から読み解く〈信頼〉の不在とその行方

        • 「思念体」の研究(続その①発表スライド)――メタバース、アンドロイド、サイボーグ化が拓く新しい世界観

        • 「思念体」の研究(序論)――メタバース、アンドロイド、サイボーグ化が拓く新しい世界観とその問題意識

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        • 【研究】〈自己完結社会〉の成立
          上柿崇英
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        • 【講座】〈自己完結社会〉の成立(予定)
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        • 【用語集】〈自己完結社会〉の成立
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        • 【書評・レビュー】〈自己完結社会〉の成立
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        • 【研究】現代人間学と人文科学の諸問題
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          【書評】亀山純生「現代日本の〈閉塞社会〉転換への斬新な問題提起――上柿崇英著『〈自己完結社会〉の成立』(農林統計出版、2021)を読む」

           ここでは、筆者が学生時代から大変お世話になった倫理学者の亀山純生先生(東京農工大学名誉教授)が、唯物論究協会の電子ジャーナル「唯物論研究ジャーナル」に投稿してくださった、拙著『〈自己完結社会〉の成立』についての書評を、ご本人の許可を得て再掲しています。 現代日本の〈閉塞社会〉転換への斬新な問題提起――上柿崇英著『〈自己完結社会〉の成立』を読むはじめに 著者は全国唯研所属の新進気鋭の哲学研究者である。その著者は、同世代の哲学・思想研究者と共に独自の討論誌『現代人間学・人間存

          【書評】亀山純生「現代日本の〈閉塞社会〉転換への斬新な問題提起――上柿崇英著『〈自己完結社会〉の成立』(農林統計出版、2021)を読む」

          「ポストヒューマン時代」と「ヒューマニズム」の亡霊――「ポストモダン」/「反ヒューマニズム」状況下における「自己決定する主体」の物語について

           ここでは、総合人間学会の研究会誌『総合人間学』(書籍版17号、本の泉)に掲載された記事について再掲しています。  内容は、「「ポストヒューマン時代」における人間存在の諸問題――〈自己完結社会〉と「世界観=人間観」への問い」の続編で、情報技術、ロボット/人工知能技術、生命操作技術がもたらすポストヒューマン時代について、ヒューマニズム、自己決定の理念、ミクロな権力との関連について取りあげたものです(以下の表紙やリンク先から全文をご覧いただけます)。  本論で言う「ヒューマニズ

          「ポストヒューマン時代」と「ヒューマニズム」の亡霊――「ポストモダン」/「反ヒューマニズム」状況下における「自己決定する主体」の物語について

          〈芸術〉(「現代人間学」における)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          〈芸術〉(「現代人間学」における) 【げいじゅつ】 〈思想〉の表現として理解された芸術のことで、潜在的に、それぞれの時代、それぞれの境遇を生きたひとりひとりの人間にとっての〈世界了解〉をめぐるさまざまな側面(例えば〈世界了解〉成し遂げていく人間的な強さ、〈世界了解〉を果たしえない人間的な苦しみ、あるいは「美しく生きたい」というその人自身の願いなど)が表現されたもの。  芸術に対するこうした理解は、特定の対象を、何らかの普遍的価値を体現した作品と見なして鑑賞していく「鑑賞とし

          〈芸術〉(「現代人間学」における)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          〈哲学〉(「現代人間学」における)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          〈哲学〉(「現代人間学」における) 【てつがく】 〈思想〉の表現として理解された哲学のことで、とりわけ人文科学全体を下支えする基礎概念の整備と、「世界観=人間観」の提示(「現代人間学」の第三原則)を希求するもののこと。  一般的に“哲学”とは、「普遍的な真理」の解明を求めることを指すと見なされ(こうした傾向は、西洋哲学史においてはギリシャ哲学に始まり、I・カント(I. Kant)を中心とした近代哲学において頂点に達し、「ポストモンダン論」による異議申し立てが行われるまで西洋

          〈哲学〉(「現代人間学」における)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          「強度を備えた〈思想〉の希求」(「現代人間学」の第四原則)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          「強度を備えた〈思想〉の希求」(「現代人間学」の第四原則) 【きょうどをそなえたしそうのたんきゅう】 本書の方法論である「現代人間学」の第四原則で、〈思想〉の創造を試みる際、それを移り変わる時代の不確実性や不透明性に耐えうる、そして人心に響く言葉の潜在力を備えたものとして鍛錬していくこと。  「現代人間学」は、「絶対的普遍主義」を退け、〈思想〉の創造それ自体を第一目標とする。とはいえ〈思想〉といっても、目指されるべきものは、世の中の時勢によって直ちに陳腐化するようなものであ

          「強度を備えた〈思想〉の希求」(「現代人間学」の第四原則)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          「世界観=人間観の提示」(「現代人間学」の第三原則)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          「世界観=人間観の提示」(「現代人間学」の第三原則) 【せかいかん=にんげんかんのていじ】 本書の方法論である「現代人間学」の第三原則で、〈思想〉の実践を試みるにあたって、新たな「世界観=人間観」(われわれが何事かを思考、判断していく際にあらかじめ持っている形而上学的・認識論的な前提や枠組み)そのものの提示を試みていくこと。  「現代人間学」では、その目標を「普遍的な真理」の解明に定めず、われわれ自身が生きる時代の現実や、われわれの文化的な肌感覚に合致した〈思想〉の創造を重

          「世界観=人間観の提示」(「現代人間学」の第三原則)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          「普遍性」(限定された意味での)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          「普遍性」(限定された意味での) 【ふへんせい】 人間存在が創造する〈思想〉は、それを紡ぐものが「時代」やさまざまなものの限界に基礎づけられている以上(「不確実な未来の原則」=〈有限の生〉の第五原則)、厳密な意味での絶対的な「正しさ」に到達することはできない。とはいえ、そこには特定の時代や境遇を生きた人々が共通して直面していた、限定された意味においての「普遍性」が含まれているということ。  例えば矛盾する二つの言説があるとき、「絶対的普遍主義」の立場から言えば、どちらかが間

          「普遍性」(限定された意味での)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          「絶対的普遍主義」(「普遍的な真理」)、「絶対的普遍主義の否定」(「現代人間学」の第二原則)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          「絶対的普遍主義」(「普遍的な真理」)、「絶対的普遍主義の否定」(「現代人間学」の第二原則) 【ぜったいてきふへんしゅぎ】 この世界には「普遍的な真理」なるものが内在しており、またわれわれ人間は理性の力によってそれを明らかにすることができるとの前提に立ち、実際にそれを希求する立場のこと。  「絶対的普遍主義」は、西洋近代哲学が目指した理想的な知のあり方であったが(こうした傾向は、ギリシャ哲学に始まり、I・カント(I. Kant)を中心とした近代哲学において頂点に達し、「ポス

          「絶対的普遍主義」(「普遍的な真理」)、「絶対的普遍主義の否定」(「現代人間学」の第二原則)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          「優先されるべき〈思想〉の創造」(「現代人間学」の第一原則)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          「優先されるべき〈思想〉の創造」(「現代人間学」の第一原則) 【ゆうせんされるべきしそうのそうぞう】 本書の方法論である「現代人間学」の第一原則で、ときに文献学的な意味での精密さや体系性よりも、徹底して新たな着想、新たな概念、そして新たな理論を含んだ(思想)の構築が優先されるということ。  われわれは今日、人文科学が追い求めてきた従来の人間的理想が解体した時代を生きており、人文科学的知そのものが現実を理解し、未来を指し示す説得力を喪失していく、人文科学の危機に直面している。

          「優先されるべき〈思想〉の創造」(「現代人間学」の第一原則)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          〈思想〉とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          〈思想〉 【しそう】 本書の方法論である「現代人間学」の第一原則(「優先されるべき〈思想〉の創造」)の出発点であると同時に、人間学的には、「意のままにならない生」の現実と格闘する人々が生みだしてきた言葉と意味が年月をかけてひとつの形をなしたもののこと。  原始以来、人間存在にとって世界とは、「意のままにならない身体」と「意のままにならない他者」がもたらす哀苦と残酷さに満ちたものであり(〈有限の生〉)、人間存在にはそうした「意のままにならない生」を「肯定」し、前に進んでいくた

          〈思想〉とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          「現代人間学」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

          「現代人間学」 【げんだいにんげんがく】 本書の中心にある学術的立場で、これまでの人文科学的な知、とりわけ従来の哲学のあり方に対する反省から、「人間とは何か」という最も根源的な問いに立ち返るとともに、文献学的な精密さや体系性よりも、〈思想〉の創造それ自体を重視する、ひとつの哲学的方法論のこと。  今日われわれは人文科学が追い求めてきた従来の人間的理想が解体した時代を生きており、人文科学的知そのものが現実を理解し、未来を指し示す説得力を喪失していく、人文科学の危機に直面してい

          「現代人間学」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

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