未知の可能性を残したユートピア構想(3つのポイント)
あらゆる欲求や欲望が即時に満たされることが、人間の理想の究極状態であろう。しかし、そうなればもう、意識がなくなってしまうのではないか、ということをこの前書いた。
そうであれば、このような典型的なユートピアは目標になりえない。
では、どのような社会を理想に掲げればいいか?
私は「未知の可能性を残したユートピア構想」を提案したい。
3つのポイントはいくつかある。
1.問題を全ては解決しない
まずはこれ。問題を全ては解決しないことだ。
全ての問題。つまり、三大欲求が即効に満たされてしまえば、寝たきり状態になり、いずれ、植物状態になってしまう。
これでは、意味がないので、解決する問題を限定する。
2.死に直結する問題は解決する
つまり、死に直結する問題は解決するのだ。
死んだら終わりなので(実際はどうなのかわからないが、そう確信せざるをえない)、理不尽に死なない社会をまず作るべきだ。
戦争や偶然的な疫病、テロなど、生まれつきの病気
3.被投性に帰責しない状態を作る
2の観点とも関係するが、被投性に帰責しない状態を作ることも重要だ。
被投性とは、「生まれ」のことだ。どういう家族の下に、どういう地域に生まれるかなどは自分では選べない。気づいたら物心がついて、ある状況に投げ込まれている。これが被投性。
何か物事がうまくいかないとこの被投性のせいにしようとしてしまう。
それは、必ずしも恵まれない貧乏家庭のような「生まれ」だけではない。
結局、被投性に帰責すると、社会への復讐として、殺人や自死を行う人が出てくる。こういう人を社会からなくさないといけない。その理由は、2の観点である。
そして、この解決はベーシックインカムでできるということを以前書いた。
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以上、ユートピア構想は、アップサイドの楽しいことは定義しないというところに本質がある。そこは未知の可能性を残しておく。
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