生死の境

ひだまりの丘 7

ひだまりの丘 7

病棟の経管栄養の患者さんに栄養を投与して、数十名の昼食を配膳し終わると、今度は自力では食べられない人の食事の介助に入る。 石井さんも田無さんも気持ちを切り替え、バタバタと動いているように見えた。 普段は担当のチームの患者さんへ担当看護師が、食形態や患者さんの特徴を把握した上で配膳をしていたのだが、今日は人数不足のせいで、ABチーム関係なく配膳をせざるを得なかった。 ゴホゴホと食事にむせる高齢患者の声が、食堂のあちこちからする。 そのたびにスタッフは席を飛び回り、背中をさすっ

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人はいつ死ぬのでしょうか?(占部まり)

人はいつ死ぬのでしょうか?(占部まり)

日本の法律には、「死亡」の明確な定義はありません。 医療の現場では、「死の三兆候」である自発呼吸の停止、心拍の停止、瞳孔の散大をもって死の宣告をしています。そして医師が死亡診断書に記入された死亡時刻が死の瞬間とされています。 しかし、生と死の境目は、実はかなり曖昧なのではないでしょうか。 古くは息が止まることが死を意味していましたが、医療の発展とともに、呼吸や心臓が止まっても治療できる病気が多くなっています。心臓手術で人工心肺を使用している時、患者さんの心臓は止まってい

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