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モノローグエッセイ

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日々を生きていて体験したことやふと考えたことをモノローグのように残したいエッセイです。
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#私の作品紹介

【モノローグエッセイ】地下鉄の匂い

【モノローグエッセイ】地下鉄の匂い

「地下鉄の匂いってあるよね」

この前とある駅の地下駅構内を歩いていた時、近くを歩いていた男子高校生2人のこんな会話が聴こえた。


「地下鉄の匂いってあるよね」
「うん」
「こうなんとも言えないんだけど、」
「分かる」
「カビと風の混ざったなんとも言えない匂い、でも俺は好き」


そんな会話を勝手に聴いていた私。
この高校生は、地下鉄の匂いを感じることができる感性を持ってるんだなあ、良いなあ

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【モノローグエッセイ】隠し味

【モノローグエッセイ】隠し味

真夜中の真っ暗な海に吐き出してしまいたいような感情の連続が、
もうこの口から一言も発したくないと思わざるを得ない絶望が、
SNSの裏アカにさえ書けないような葛藤が、
こんな世界、ぶっ壊れちまえという衝動が、

私の隠し味である。

しかし、これもレシピのほんの1ページである。
秘伝のレシピは秘密。その方が面白いでしょ。

【モノローグエッセイ】「私たちは何だって手に入れられる」

【モノローグエッセイ】「私たちは何だって手に入れられる」

※ビックガールとは、彼女の愛車兼住まい。

頭の中で構想を練っているソングサイクルミュージカルのラストナンバー前に入れる予定の台詞。
今年出会った、インタビュー記事をまとめた本の中にあったこの回答が、私は舞台上の台詞としても成立するくらい良い言葉だなぁと思ったので、まるまる台詞にした。(本当に上演する時はちょっと変えなくちゃだけど。)本とか、人と話をする中で、出会って感銘を受ける言葉は台詞としても

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【モノローグエッセイ】独裁者のスープのモノローグ

【モノローグエッセイ】独裁者のスープのモノローグ

☆彼の作ったスープを飲んで、美味しいと思ったら、私も独裁者になるのかしら?

第1稿

お昼を少し過ぎた時刻。
晴れ。やや曇り。空気は乾燥している。
列車の個室席。自由席で、座席内部は、ウッド調の空間で、緑のベルベット地のソファに、開閉ができる窓、内側から鍵がかけられる扉があり、扉の窓には座席番号表記がある。座席の頭上には荷物を収納できるスペースがある。
既に一人の乗客が座っている。乗客は堅苦しく

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