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【モノローグエッセイ】地下鉄の匂い

「地下鉄の匂いってあるよね」

この前とある駅の地下駅構内を歩いていた時、近くを歩いていた男子高校生2人のこんな会話が聴こえた。


「地下鉄の匂いってあるよね」
「うん」
「こうなんとも言えないんだけど、」
「分かる」
「カビと風の混ざったなんとも言えない匂い、でも俺は好き」

そんな会話を勝手に聴いていた私。
この高校生は、地下鉄の匂いを感じることができる感性を持ってるんだなあ、良いなあと思った。

地下鉄の匂い。
私は気にも止めていなかった匂い。
立ち止まって鼻から吸ってみた。
風と、酔いそうな電車の匂い。
肺にうつってトリップしそうな
サディスティックな匂い。

なーんつって。



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