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ある日の記録

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日常の中でたまに起きる、忘れたくない一日のこと
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2017年8月の記事一覧

いってらっしゃいの握手

いってらっしゃいの握手

朝、玄関の方へ歩きだす彼に向かって、名前を呼びかけ、右手を差し出す。

「はいはい」

もう慣れた彼は、そう言いながら戻ってきて、右手を差し出してくれる。

「何なの、いつものこれ」

と笑う彼と、しっかり握手をする。そして、へらへらしながら「いってらっしゃい」と彼を見送る。

私が握手を求める理由を、彼は知らない。

昔ある本で読んだフレーズが、ずっと心に残っている。

主人公にとって大

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虹と、やさしさと

虹と、やさしさと

「見て、あっち、すごい空。」

母が指さす方を見ると、ただならぬ雰囲気の黒い雲が遠くの空を覆っている。

「怖い、怖い。降ってくるかな。」

最寄り駅まで、車で10分もかからない。しばらく走ると、また母が言う。

「あ、虹。」

運転席の母の向こうを見ると、青い空と白い雲を背景に、虹の足の部分だけがすっと空から地上へ降りてきていた。いや、地上から空へ伸びているのだろうか。その先は雲の中へと続いてい

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海へ向かう

海へ向かう

真冬の夜の闇の中、車は街を滑る。

頭上には、いつになく見事な満点の星空。

「代わりに見といて」

ハンドルを握る彼は前方に視線を戻し、ふわりと言う。

彼の隣で、彼の分まで星に見とれる。

地図は出さずに、目指すは海の方。

間違った道をぐるりと回り

また同じ場所に出て、2人で笑う。

見知らぬ街の、見知らぬ坂を上りきると

突然 視界が開けた。

同時に息をのみ、歓声をあげる。

宝石のよ

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