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鶴川ロックマガジン

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2019年5月の記事一覧

とんねるずが大好きっていう話

とんねるずが大好きっていう話

かつて世の中には「良い」と「悪い」の間の「しょうがねえな〜」という処に落ち着く事象がたくさんあった。わざわざ「悪い」と断るほうが無粋な類のダメさ。どうすれば「しょうがねえな〜」になるのか、定義づけは難しいのだけど。たとえばローリング・ストーンズは「しょうがねえな~」であり、モンティ・パイソンも「しょうがねえな~」である。ぼくにとってかけがえのない「しょうがねえなぁ~」といえば、とんねるず。昔からず

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カセットテープの話

カセットテープの話

2~3年前、音楽業界がカセットテープ市場の復刻を狙っている時期があった。流行ってるってことにしてメディアも度々取り上げていたが、一部の物好きなアーティストがノベルティグッズとしてカセットシングルを発表していただけで、肝心のオーディオメーカーがかつての高品質なCDラジカセや安価のカセットテープを再販売することはなかったので、結局そのまま断ち切れてしまったムーブメントである。

ぼくはそれよりも少し前

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高田渡とレッドベリーとシェフチェンコ

高田渡とレッドベリーとシェフチェンコ

くつが一足あったなら
私も踊りを踊るのに
そのくつさえもないのに
くつさえもないのに
笛や太鼓を叩いても
ただ切なさばかりが増すばかり
この世が嫌になるばかり
嫌になるばかり
Irene goodnight,
Irene goodnight
Goodnight Irene,
goodnight Irene
I'll see you in my dreams

─ 高田渡 「くつが一足あったなら

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第3のドリフ、仲本工事

第3のドリフ、仲本工事

年齢順で並べると、
(1)いかりや長介
(2)高木ブー
(3)仲本工事
(4)加藤茶
(5)志村けん

公開コントの登場順で並べると、
(1)いかりや長介
(2)高木ブー
(3)仲本工事
(4)加藤茶
(5)志村けん

ボケる頻度で並べると、
(1)加藤茶
(1)志村けん
(3)仲本工事
(4)高木ブー
(5)いかりや長介

4人体制での実質の地位で並べると、
(1)志村けん
(2)加藤茶

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2位について考える

2位について考える

  
多くのスポーツ競技のトーナメント戦では、勝って終えられるメダリストは1位と3位である。

2位は3位より上なのに、負けて終わるから3位より浮かない顔をしている。もういっぺん2位と3位で戦ってみるという手はあるが、それじゃ余計に不公平だ。表彰式では1位だけが注目され、2位と3位の表彰台の高さが違うことなどどうでもよくなっている。世界はもっと2位を思いやったほうがよいのではないか。そこでいくつか

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寝ないということ

寝ないということ

もしも寝なくていい生物になったら、
人はどうなるのだろうか。
ずっと起きている生物になったら。
一日24時間ではなくなるかも知れない。

24時間というのは日周運動を相対化して
定義づけられたものだが、
一方で「人が起きている時間」だとして
25時といった観念も現に在るわけで。
ずっと起きているとなればいよいよ
太陽のことを完全に無視した
新時間が生まれるのかも知れない。

場合によっては個々人が

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納得いかない昔ばなし

納得いかない昔ばなし

幼少の頃、わが家には昔ばなしの絵本がけっこうあった。墨や切り絵で雄々しく描かれた立派なやつである。それゆえ恐ろしい物語はより恐ろしく、そうでない物語も不気味にみえたものだ。

洋邦問わず、昔ばなしには違和感をおぼえる内容が多い。人間じゃない生き物が口を聞くとか、そういうことじゃなくて。たとえば意地が悪い人に対する仕打ちがきつすぎたり、ちょっとした親切に対する御礼が仰々しかったり。この結末から何を学

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