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寝ないということ

もしも寝なくていい生物になったら、
人はどうなるのだろうか。
ずっと起きている生物になったら。
一日24時間ではなくなるかも知れない。


24時間というのは日周運動を相対化して
定義づけられたものだが、
一方で「人が起きている時間」だとして
25時といった観念も現に在るわけで。
ずっと起きているとなればいよいよ
太陽のことを完全に無視した
新時間が生まれるのかも知れない。

場合によっては個々人が起きている時間、
つまり一生という時間のことを
一日と呼ぶようになるだろう。

そんな一生は長く感じるものだろうか。
かえって短く感じるものだろうか。
朝の始まりが有り難くなるだろうか。
かえって夜の終りが寂しくなるだろうか。

成長や老化を見逃さなくなるだろうか。
かえって疎くなるだろうか。
出逢いは増えるだろうか。
かえって興味がなくなるだろうか。

争いは続くだろうか。
かえって辞め方が分かるだろうか。
太るだろうか。かなり太るだろう。
こればっかりは間違いない。

自分の知らない時間が時々あるのは幸せ、
ということで一旦締めておこう。
そろそろ寝るから。    

世界にしてみればたぶん、
人も猫も似たような寝坊助である。
いつもご苦労様です、
おやすみなさい。


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