見出し画像

「この国には何でもある、だが"希望"だけがない」

今の日本の社会と照らし合わせて読んだ、人生を変えた一冊

村上龍さんの"希望の国のエクソダス"

この本は2020年7月21日、新型コロナウイルスが蔓延する中で師匠からいただいた。
この分断されていく日本社会で、何が求められるのか、希望の国のエクソダスを読み、気づいたことがある。

読み感じた事は、「今必要とされるのは、人生のビジョンだ」という事

先行きが不透明な今、一人一人に求められるのは、自分で行く先々を選択する為のコンパス=人生のビジョン
ビジョンがわからないと、どこに向かえばいいのかわからず、今どこにむかっているのかもわからない、どこかをずっと彷徨ってしまう状態だ。
なんとなく、大学に入り、なんとなく企業に入り、なんとなく生活している。そこに、ビジョンはあるのか。

ない。

希望の国のエクソダスの一文

「この国には何でもある、だが"希望"だけがない」
ナマムギ通信を配信している中学生:ぽんちゃん

この"希望"を私は、"ビジョン"と捉えた。

日本は、戦後に比べると圧倒的に豊かになっている。
今は、どこでも行くことができ、いつでも食べたいものを食べられて、暖かい場所で寝れる。
戦後の人たちは、それを目指して奮闘してきた。彼らのビジョンは、日本の復興、日本の豊かさをつくることだった。
そのおかげで、今がある。
その時は、全員が団結してそのビジョンに向かって行けたから良かった。

しかし、今全員で団結して日本の復興する事に向かうことができるだろうか。災害を受けた地域等は、復興があるかもしれないが、東京や大阪、人口のほとんどが集中している主要都市は、復興ではなく、これから必要なのは"進化"ではないだろうか。

その進化には、一人一人の明確なビジョンが必要になると思う。

日本経済は、まるでゆっくりと死んでいく患者のように力を失い続けてきたが、根本的な原因の究明は行われず、面倒な問題は常に先送りにされた。
メディアは、その事を批判したが、メディアにビジョンが欠けていたので、その批判は一時的なガス抜きの効果にとどまり致命的な病巣を抱えたままの日本経済を結果的に支える事になった。
つまり誰も本当の危機感を持てなかったのだ。

まさに、今の日本ではないだろうか。新型コロナウイルスを機に様々な問題が浮き彫りになり、メディアも感染対策やオリンピックの問題などを批判して、多くの人は、日本経済がコロナ禍を脱して感染拡大前の水準に戻る事を期待してなんとなく待っている。
致死率は老人だから大丈夫だと無関心な若者
テレワークになり自由になったと勘違いするサラリーマン
自分の命ばかりを気にして生きる老人
今の日本人は本当の危機感を持っているだろうか?

「子どもの場合ですが、とりあえず大人のやり方を真似るっていうか、参考にしていく以外に生き方を考えることはできないわけで、要するに、誰を真似すればいいのか、みたいなことがまったくわからなくなってしまっているわけです」

今の大人がどうしていけばいいのかわかっていないのだから、子供もわからなくなっているのは当然だ。良い大学に入って、良い企業に就職することが果たして、良い生き方なのだろうか。
結局、誰を真似すれば良いのかわからず、集団無意識で、良い大学を目指し、良い企業を目指してい生きている。
いざ、良い企業に入るというゴールを達成すると「あれ、自分のやりたい事じゃない、なんで仕事しているんだ、将来このままで良いのかな」とかたくさん不安や悩みが出てきて嫌になる。

そんな"今"だからこそ、自分の人生のビジョン、自分の本当にやりたい事を見つける場所や機会が日本に必要だと思う。
私は、希望の国のエクソダスを読み、ビジョンに沿って生きる事を選択できた。


私のビジョンは、世界中の人の今をより善い方向に変える事
その為に、人生のビジョンを探求する場所と機会を世界中に創る

そして、北海道旭川でビジョンクエストという、自然の中で自分自身としっかりと向き合い、人生のビジョンを探求する冒険を提供し始めた。

今まで、東京で暮らしていたが、北海道にエクソダスして、事業をゼロからつくり、始めることができた。
まだ、スタートしただけだが、私の人生にとっては大きな変化である。

希望の国のエクソダスを読んで、感じたことと今自分を変えることができたのはこの本があったからだと思う。
本の内容を抜粋して、自分の感じた事を書かせていただきました。

有難うございました。

ビジョンクエストのホームページ

希望の国のエクソダスはAmazonで販売しています。

あとがき 村上龍

この小説の単行本が出版されたとき、村上龍は中学生に期待し希望を託しているのか、などという馬鹿げた批判があった。
「わたしは中学生の反乱を通して、現在の日本社会の危機感と適応力のなさを示したかっただけで、中学生であれ、誰であれ、期待などしない。」


この記事が参加している募集

人生を変えた一冊

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?