博多のかき氷部@京都文フリ1/15くー24

かき氷をモチーフに文章を楽しみ、 時に材料と氷を会議室に持ち寄って実習したり。 書いた…

博多のかき氷部@京都文フリ1/15くー24

かき氷をモチーフに文章を楽しみ、 時に材料と氷を会議室に持ち寄って実習したり。 書いたものは本にして、ときおり文学フリマに参加してます。 かき氷ってかわいいですよね…そんなに食べないけど…。 作品アップ時、タイトル横の(K)(フ)(鵜)は作者名頭文字です(3人組です)。

記事一覧

(小説)『うそつきかき氷』①(鵜)

 空はよく晴れていたが、頬にあたる風が少し重くなった。  午後三時。三上タクミは腕時計を確認すると、視界のはしにとらえた地下鉄の入口から目を逸らし、大通りからの…

(超短編)『正義の味方かきごおりマン 1,2』(K)

『正義の味方 かきごおりマン』      K.I.クラーク 出たなショッカー。やっぱりお前たちの仕業だったか。 みゆきさん危ないから離れて。ここは俺に任せるんだ…

(短編)『だれがいちごを殺したの?』(鵜)

だれがいちごを ころしたの? わたし と宇治金時がいいました わたしのおもちで わたしがころした だれがいちごをしぬのをみたの? わたし とメロンがいいました わた…

(短編)『水が氷になるとき』(フ)

水が氷になるとき      フランソワゆみこ   頬を撫でる風が冷たくなってきた。やっと仕事がやりやすくなる。私が冷凍倉庫の作業員をしていることを知ると、誰もが…

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2021実習レポ プロテインかき氷を求めて

文フリ参加4回売り上げ合計30冊強

これが多いか少ないかというと、まあ少ないのではないでしょうか。1回の参加で10冊前後の売り上げ。 ただし友人知人含む。 純粋な通りすがりの人に買っていただくのは1回…

(掌編)『浦島さん』(フ)

浦島さん      フランソワゆみこ 「ヒラメちゃん、3番テーブルにお願い」  媚びるような笑顔を浮かべて、マネージャーの亀吉が控え室に入ってきた。  途端に、…

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絵本「それだけ」(鵜)

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教養講座 ホモ・カキゴリエンスの歴史(K)

2019実習レポ おいしいかき氷を求めて

(掌編)『イミテーション・スノー』(鵜)

イミテーション・スノー      鵜狩愛子  この世界に、イミテーション・スノーしか降らなくなったのはもう二世紀も昔のことだ。  本物の雪はもう久しく降らな…

(掌編)『かき氷の男』(K)

かき氷の男      K.I.クラーク ① こんなに暑いと溶けてしまうのではないか。死の予感が胸の奥底からにじみ出てくる。午後2時。体中の毛穴から汗がポンプの放水の…

(掌編)『光と影』(フ)

『光と影』        フランソワゆみこ  世の中には常に光が当たっている人間とそうでない人間がいる。僕は間違いなく後者のほうだ。学校の成績は中の中。顔も体…

(挨拶)ごはんに見えますか?かき氷です

画像のかき氷はうちのキャラクターかき氷「ごーりーちゃん」です。 かき氷のキャラクターがいた場合、その本体は氷?それとも器? どちらだと思いますか? さて、はじめま…

(小説)『うそつきかき氷』①(鵜)

(小説)『うそつきかき氷』①(鵜)

 空はよく晴れていたが、頬にあたる風が少し重くなった。
 午後三時。三上タクミは腕時計を確認すると、視界のはしにとらえた地下鉄の入口から目を逸らし、大通りからのびる路地に入り込んだ。
 9月の終わりは秋というより夏の続きで、湿度が少し上がるだけで体感温度はぐっと高くなる。昨夜もあまり寝ていないし、どうせ今夜も遅くなるのだ。事務所に戻る前にさっぱりしたものを身体に入れたかった。
 駅から数分歩くだけ

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(超短編)『正義の味方かきごおりマン 1,2』(K)

(超短編)『正義の味方かきごおりマン 1,2』(K)

『正義の味方 かきごおりマン』      K.I.クラーク

出たなショッカー。やっぱりお前たちの仕業だったか。
みゆきさん危ないから離れて。ここは俺に任せるんだ。
ほう。お前らやけに多いじゃないか。銃もあるのか。よかろう。まとめて相手になってやる。
では最初に言っておく。いいか、お前たちがどんなに悪だくみをしようとも、世界の平和を守るため俺は戦う。そして必ず倒す。覚悟しろ!

何? 仮面ライダー

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(短編)『だれがいちごを殺したの?』(鵜)

(短編)『だれがいちごを殺したの?』(鵜)

だれがいちごを ころしたの?

わたし と宇治金時がいいました
わたしのおもちで
わたしがころした

だれがいちごをしぬのをみたの?
わたし とメロンがいいました
わたしがあみめで
しぬのをみた

だれがそのしる うけたのか?
わたし と練乳がいいました
おさらでうけて
いちごみるくにした

だれがきょうかたびらを つくるのさ?
わたし とオレンジがいいました
わたしのかわで
わたしがつくる

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(短編)『水が氷になるとき』(フ)

(短編)『水が氷になるとき』(フ)

水が氷になるとき      フランソワゆみこ 

 頬を撫でる風が冷たくなってきた。やっと仕事がやりやすくなる。私が冷凍倉庫の作業員をしていることを知ると、誰もがみんな「暑い夏はいいね」と言うのだが実際は逆だった。外と内の気温差に体が参ってしまう。寒い季節のほうがかえって楽なのだ。
私が勤めているのは中堅どころの物流会社で、冷凍食肉、冷凍魚介類、冷凍加工食品、冷菓などを扱っている。私の担当は冷菓、

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 文フリ参加4回売り上げ合計30冊強

文フリ参加4回売り上げ合計30冊強

これが多いか少ないかというと、まあ少ないのではないでしょうか。1回の参加で10冊前後の売り上げ。
ただし友人知人含む。
純粋な通りすがりの人に買っていただくのは1回数冊ですね。
個人的にはそれで充分ありがたいしすごいと思ってましたが、隣のブースがバシバシ売れているのを見ると、うちももっと売る努力をしたいと思うようになり、地元福岡を離れていきなり東京に参加してみたのが昨年5月のこと。

当日は軽い気

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(掌編)『浦島さん』(フ)

(掌編)『浦島さん』(フ)

浦島さん      フランソワゆみこ


「ヒラメちゃん、3番テーブルにお願い」
 媚びるような笑顔を浮かべて、マネージャーの亀吉が控え室に入ってきた。
 途端に、ヒラメはつぶらな瞳を不機嫌に曇らせる。
「えーっ。アタシ、今日はもう上がりなんですけど。あとは、乙姫のババアに任せとけば良いじゃないですか」
 亀吉は慌てて前ヒレをバタバタと動かした。
「頼むから、余計なこと言わないでよ。ただでさえ、

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(掌編)『イミテーション・スノー』(鵜)

(掌編)『イミテーション・スノー』(鵜)

イミテーション・スノー      鵜狩愛子


 この世界に、イミテーション・スノーしか降らなくなったのはもう二世紀も昔のことだ。

 本物の雪はもう久しく降らなくなっていた。
 温暖化が進みに進み、南極の氷さえついに溶けてしまった日、模造(イミテーション)雪(スノウ)は誕生した。
 核となる粉末さえ用意できれば、人工的に降らすことができる。

 単なる人工雪ではない。
 溶けやすさを調節

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(掌編)『かき氷の男』(K)

(掌編)『かき氷の男』(K)

かき氷の男      K.I.クラーク


こんなに暑いと溶けてしまうのではないか。死の予感が胸の奥底からにじみ出てくる。午後2時。体中の毛穴から汗がポンプの放水のように噴き出し続けている。男はこのまま自分が溶けて蒸発して消えるという不安に、身が凍るほどの戦慄にふるえる。いや違う。正しく言えば男はすでに凍っている。なぜなら彼は、かき氷だから。

彼が自分をかき氷と思い込むようになったのは、上

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(掌編)『光と影』(フ)

(掌編)『光と影』(フ)

『光と影』        フランソワゆみこ

 世の中には常に光が当たっている人間とそうでない人間がいる。僕は間違いなく後者のほうだ。学校の成績は中の中。顔も体格も人並み。ごくありふれた名前を持ち、ネットで検索すれば同姓同名の人物が山ほど出てくる。要するに何の特徴もない、どこにでもいる人間だ。
 街でクラスメイトに出くわして「やあ」と声をかけて、こんな知り合いがいたかなと怪訝な顔をされたことも

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(挨拶)ごはんに見えますか?かき氷です

(挨拶)ごはんに見えますか?かき氷です

画像のかき氷はうちのキャラクターかき氷「ごーりーちゃん」です。
かき氷のキャラクターがいた場合、その本体は氷?それとも器?
どちらだと思いますか?

さて、はじめまして。
博多のかき氷部です。
昭和生まれのナイスミドル3人組がのんびりやってます。
基本的には年に何度か集まってかき氷を食べながらホラ話をするだけの仲。

勝手な楽しみとして文章を書いたりかき氷をつくったり本にしたり、本にしたら文学フリ

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