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人にまつわる問題

採用が思うようにできない。
入社した人がすぐに辞めてしまう。
人が不足していて休みがなかなか取れない。

これらの問題は、それぞれ別の問題なのではなくて、根っこは同じところでつながっています。

問題は、組織や営業所の状況が不安定であったり、従業員に不安な感情を与えてしまっていたりするところに起因しています。

そして、こうした問題について調べていくと、必ずと言っていいほど目にするキーワードが二つあります。

ひとつは、「エンゲージメント」。

これは以前も触れましたが、組織と従業員、相互の信頼関係のことです。

組織は、従業員に「貢献したい」と思ってもらえるような環境の用意や向き合い方が求められますし、従業員はそういった環境の中で組織に貢献していく、という関係性です。

そして、もうひとつのキーワードが「オンボーディング」。

船や飛行機に乗った際に、海外では「ウェルカム・オン・ボード」(ようこそ、ご搭乗いただきました)と言われますが、新たな乗組員や乗客を歓迎するという意味合いです。

同じ船に関することわざで「呉越同舟」というものがあります。
仲の悪い者どうしが同じ船に乗って、行動をともにすることです。

同じ組織の中で知らない人間どうし、それぞれ違う背景で生きてきた上で、様々な考え方を持ちながら同じところで働くわけですから、上手くやっていくには情報を提供し合ったり、価値観を共有していったりすることがとても大事になります。

組織を船に見立てた場合、私たちは同じ目的地に向けて乗船した乗組員。

乗組員として安心して乗船を続けていくには、どこを目指しているのかが明確になっていること、それから船内の状況や船の中での取り組みやイベントなどや何がどこにあるのか、その装置や仕組みは何のためにあるのか、そうした全ての情報ややり方を共有していく必要があります。

その船内に関するすべての事柄や情報を共有していく。

組織として共有する情報としては、ビジョンやミッション、人事制度やキャリアラダー、上司の人柄や他部門における人間関係など様々なものがあります。

そしてそれらの情報を共有する手段として、メンター制度や教育研修の充実、そして個別の面談などがあって、それらの時間の中で評価だけではなくて会社のことやお互いのことを共有していくわけです。

そして、乗組員には古株もいますし、乗船したばかりの新人もいます。

乗船歴が長くても短くても、船員として安心したい気持ちは皆同じです。

そのためには、まずは古株の船員を安心させること。

既存の従業員が安心できるということが、その想いを新しい従業員に丁寧に伝えていく環境の下地になるのだと思っています。

組織の規模自体は大きくなりましたが、小さな在宅サービスの拠点を複数運営している私たちは、すべてがきちんと整備された豪華客船に乗っているわけではなく、小さな船乗りたちの集まった大船団と同じです。

沈まずに目的地に向かうためには、少なくともその小さな船の中の状況を透明性をもって乗組員皆で情報共有していくことが、安心して航海を進められる最低条件なのでしょうし、そうした姿勢をもって新たな乗組員を迎え入れないと船員の不足した船は前に進めなくなります。

オンボーディングにおける安心の提供があって、はじめて労使の相互における信頼関係(エンゲージメント)が築かれるのだと考えています。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。


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