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チームビルディング

欧米の企業や体育会系の企業だと、ひと昔まえから新人研修などで「チームビルディング研修」が取り入れられていました。

チームメンバーが一丸となって、頭や体を使って課題をクリアしていき、その体験を共有するという企画ですね。

その中のひとつにウォールクライミングという課題があります。

いわゆる「壁のぼり」で、ひとりだけでは届かないような高さの壁を、メンバー全員の力を合わせて壁の向こう側に皆で越えていくという課題です。

ひょっとすると運動神経の良い人なら、助走をつければ何とかひとりで登りきることができるかもしれませんが、メンバーの中にはそうでない人も混ざっていますし、全員が同じ能力を有しているわけではありません。

土台となったり足場を作ったりする人、軽々と先に上に登って上から引っ張り上げるひと、その引っ張る人を落ちないように支える人。

壁の高さに足りなければ、誰かが梯子の代わりになるように宙吊りになる必要もあるかもしれません。

そして、最後にひとり残されて上からの助力を受けて登る人。

「チームビルディング」とはよく言ったもので、この課題の中に、拠点においてスタッフ同士が関わる上で必要な要素が沢山詰まっています。

目の前にそびえ立つ壁は、現在向き合っている問題や課題です。

お客様へのサービスを通して得たい結果や成果でもあるでしょう。

目の前の課題や得たい成果に集中することで、今いるメンバーでどのように取り組めばいいのかという思考となり、その思考により今いるメンバーそれぞれの能力を活かした行動へと繋がっていきます。

このチームで壁に挑み、このチームで壁を乗り越えていくのであれば、壁を前にして一部のメンバーを批判しだしても、そこには何の意味もありません。

能力が低いからと、そのうち誰かひとりを置いていってしまうと、次に今よりも高い壁が目の前に現れた時には、それぞれのそれまでの役割だけでは補えなくなっていきます。

そして、おそらくはそこで一番劣っていると判断された人もまた置き去りにするチームとなっていきます。

批判を繰り返し、ひとりまたひとりと切り捨てた最後に残るのはリーダーだったりリーダーが制御できずに放置してきた主張の強いメンバーだったりしますが、率いていく仲間がいない中でそれは果たしてリーダーと言えるのでしょうか。

そして、自分本位な主張を言い続けてきたメンバーにとって理想のチームの姿には近づいたと言えるのでしょうか。

実はチームメンバー同士の批判が起こりがちなのは、越えるべき壁の存在が希薄になっているときだと思います。

問題・課題を明確に割り出していないとき、お客様からのご依頼が少ないとき、そういう際に仕事の本質が見えづらくなり、結果思考の矛先が内側に向き始めます。

私たちの仕事の本質は、「お客様をお元気にすること」。

お客様の状態を今よりも回復すること、もしくは今ある状態を維持すること、それさえ厳しい状況でも最期の瞬間まで尊厳あるひとりの人間として向き合い寄り添うこと。

「なんのために」と目の前にそびえ立つ壁に向かって、今いるメンバーで力を合わせて工夫して乗り越えることで、チームは達成感を覚えるとともにその絆は更に強固なものとなって成長していくのだと思っています。

越えるべき壁はなんなのかが常に示されていれば、チームとそのメンバー皆の意識はその目的に向かっていくものです。

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