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ぐん税ニュースレター vol.41 -マーケティングコンシェルジュ-

本記事は2024年1月に紙媒体で発行されたニュースレターvol.41の記事をnote読者用に再編集したものです。

noteで配信中のマーケティングの記事ではメディアの種類やデジタルを活用したウェブマーケティング、そして直近ではデジタル問わずマーケティングそれ自体について解説してきました。

色々と自動化してくれるウェブマーケティングですが、ほぼ機械任せの運用だけでマーケティング自体を理解したつもりになっている傾向があるのがこの業界として良くないところだと思っています。深い理解がないのでクライアントに正しいアドバイスができている広告代理店がどれだけいるかというと疑問が残ります。
なんでもウェブマーケティングに当てはめればよいということではなく、適切な時に適切な相手に適切な媒体で適切なメッセージを発信し最適な効果を得ることが重要です。
ウェブマーケティングが様々な面で優れている点に疑いの余地はありません。しかしマーケティングの選択肢において必ずしもデジタルが正義とは限りません。そのためデジタルマーケティングだけではなくマーケティング自体の基本について解説してきました。(これからも書いていきます)

さて、そんなデジタル化が進んでいるマーケティング分野ですが、PR活動において紙媒体などのアナログ媒体を否定するものではなくむしろ状況に応じて活用すべき場面もあると考えています。データ収集においてもウェブ上から集めたデータだけでなく、対面でのアンケートやヒアリング、現地調査が有効な場合もよくあります。

もう聞きなれてしまった言葉かもしれませんがデジタル媒体やアナログ媒体など様々なメディアを活用した戦略にクロスメディアやメディアミックスという言葉があります。時々使い分けられていない人がいますので、今回は混同しがちなこの2つの戦略について少し詳しく解説します。

クロスメディア

クロスメディアは複数のメディアで横断的に(=クロス)情報を発信し、見た人に能動的な行動を促す効果があります。能動的な行動ということは、発信した内容について興味関心を持っているということになるのでうまく仕掛けることができればより効果を発揮することができます。テレビCMで「続きはウェブへ」というものや新聞広告やチラシで「○○で検索」といったものは、ある媒体からウェブサイトへ誘導するクロスメディアの典型的な例です。ここでのポイントはテレビCMや新聞広告などの誘導元で情報が完全網羅されているわけではなく、ウェブサイトに誘導することで詳細情報を補填している点です。これはあえてそう仕掛けている場合もありますし、尺やスペースの関係で情報を入れきれずサイトに誘導しているケースがあります。どちらにしても使用するメディアの特徴を理解し、ウェブサイトを見てくれるよう行動を促す工夫が大切になってきます。

メディアミックス

メディアミックスは複数のメディアに同じ内容で同時に(=ミックス)情報を発信することで認知度を高める効果があります。ジャパネットたかたが典型的な例です。ジャパネットと言えばテレビショッピングですが、テレビだけで商品の情報を全て発信し、そのまま電話注文を受け付けて完結しています。そして同じく折込チラシやウェブサイトでもそれぞれ同じ商品情報の発信と注文受付をしています。メディア選定と各メディア単位での工夫は重要ですが、構造的な仕掛けがない分クロスメディアよりはシンプルと言えます。

こうしたクロスメディアやメディアミックスは形式としてはかなり前からあるものですが、メディアが進化したり選択肢が増えたりすることで活用の幅が広がっています。例えば広告と言ってもテレビCM、新聞・雑誌広告、中吊り広告、看板広告といった昔からある広告に加え現在ではウェブ広告やSNS広告が急成長しています。さらに細かく言えばウェブ広告であればGoogleやyahoo、その他の検索エンジンや提携サイトに出稿できますし、SNS広告もX(旧Twitter)、Instagram、FacebookにはじまりYOUTUBE、LINE、Tik Tokなど多岐にわたります。今では影響力のある有名人=インフルエンサーを活用するケースも増えています。メディアの特徴が異なれば広告手段としての使い方も変わってきます。これまでニュースレターで配信してきたマーケティングの記事で各メディアの説明をしてきたのはこれだけ多くの種類があり、それぞれが関りあっているからです。

このような複数のメディアを活用した戦略は、色々な場面で何度も広告を見ることによる刷り込み効果や相乗効果を発揮するというメリットがあります。また記憶と記憶が紐づくことで印象に残りやすいというのも特徴です。例えば道路で看板や店舗を見た時に、何か見たこと・聞いたことあるな~、と思い後でテレビやラジオでその企業や店舗のCMを見聞きして、あの時道路で見たやつだ!となることでより強く印象に残ります。勉強をするだけでは中々覚えられないこともテストに出たり実践したりすることで知識が定着するということは皆様も感じたことがあるかと思いますが、それと同じような効果です。

これまで当法人でもデジタル媒体を積極的に活用してきましたが、アナログ媒体を利用することもありました。上述のクロスメディアに該当しますが、ひとつはDMとウェブ広告の実施です。DM送付においてはスタートアップや創業間もない企業で、さらに事業規模やエリアなどからセグメント・ターゲティングを行いました。そしてウェブ広告においても同様のセグメント・ターゲティングで配信をすることでDMを見た経営者がウェブ広告を見て、ウェブサイトを訪問するという導線を作りました。
地方でのプロモーションにおいても、地域の特性からアナログ媒体が有効なエリアもあります。そうした場所ではチラシ配布やポスター掲示に加えて潜在層にリーチ(=広告を到達)させるSNS広告を実施し、それぞれでセグメント・ターゲティングを行いました。
マーケティング活動において顧客との接点の起点となる広告活動では仕掛けやストーリーがポイントとなります。誰がいつ何を見てどんな行動を取るのか仮説・検証しながら取り組むことが重要です。例えば若者は新聞やTVを見ないと仮説立てるのであればウェブからの入り口を考えます。群馬というエリア特性で言えば車社会なので車関係の商材であればラジオCMを検討することも有効です。

最後に最近気になった広告をご紹介します。これは2023年9月の新聞に掲載された広告です。

何か意図はありそうですが何を伝えたいのか良くわかりませんよね。少し見づらいですが水の中に数字と図形、アルファベットが見えます。内容はよくわからないですが意味ありげなメッセージがあると気になってしまうのが人間です。そうすると人はネットで調べる、という行動を取るわけです。これこそが広告主の狙いと言っていいでしょう。後にこの解答となる広告が出稿され、時計ブランドのSwatchの広告であることが判明しています。このメディア戦略には人の心理を理解し、後に詳細を明らかにするというストーリーがあります。

当法人ではマーケティングでのアプローチからも関与先様の経営課題に取り組んでいます。ご相談から初回診断までは無料で実施いたしますのでお気軽にお問い合わせください。

マーケティング 原



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