【自閉症】自閉症スペクトラムとは?親が知っておくべきこと
はじめに
自閉症スペクトラム(ASD)は、「スペクトラム」という言葉が示すように、さまざまな症状や特性が連続体として存在する障害です。このため、ASDを持つ子どもたちの特性や症状は一人ひとり異なります。この記事では、親御さんが自閉症スペクトラムについて理解しやすくするために、重要なポイントをお伝えします。
1.自閉症スペクトラムの基本概念
自閉症スペクトラム(ASD)は、ことばの遅れを伴う自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群など、異なる特性を持つ障害を総称する用語です。例えば、言葉の発達が遅れ、対人関係が苦手な自閉症の子どもや、知的障害はないけれど対人関係が難しく、特定の興味に強いこだわりを持つアスペルガー症候群の子どもなどが含まれます。
これらの障害は一見異なるように見えますが、根本的には同じ病態の仲間として理解されています。
2.4つの視点で特性を把握する
ASDを理解するためには、以下の4つの視点から子どもの特性を評価することが重要です。
ことばの発達の遅れの有無
対人関係の難しさ
物事へのこだわりの強さ
知的障害の程度
これらの視点から、子どもの発達水準を評価し、総合的に判断することで、どのようなタイプのASDであるかを見極めることができます。
3.知的障害の有無の重要性
ASDの理解において、特に知的障害の有無とその程度は重要な視点です。例えば、知的指数(IQ)が70未満である場合、知的障害があると判断されます。
知的障害のある子どもは、言葉を覚えるのが遅く、簡単な指示を理解したり、自分の意思を伝えたりすることが難しいことがあります。また、状況に応じた適切な行動をとることが困難で、例えば、学校のルールを理解するのに時間がかかる、または友達とのコミュニケーションが難しいといった問題が生じることがあります。
このような場合、日常生活で大きなつまづきが生じるため、特別な教育支援や療育が必要となることが多いです。
4.自閉症スペクトラムの具体例
ASDの子どもたちは、それぞれ異なる特性を持っています。以下は、その具体例です。
高機能自閉症やアスペルガー症候群: 知的障害やことばの遅れはないものの、対人関係が苦手で物事へのこだわりが強いタイプです。言語能力があるため、コミュニケーションは比較的とりやすいですが、対人関係の難しさや特定のものへのこだわりが見られます。
典型的な自閉症: 知的障害やことばの遅れがあり、対人関係も難しいものの、こだわりはそれほど強くないタイプです。文字やことばの理解が難しく、コミュニケーションが取りにくいですが、絵カードなどを使ったコミュニケーションが可能です。
5.支援の必要性と親の役割
ASDの子どもたちがより良い生活を送るためには、親御さんの理解と支援が欠かせません。例えば、言葉の発達が遅れている子どもには、日常的に絵カードを使ってコミュニケーションをサポートすることが有効です。また、特定の物事へのこだわりが強い子どもには、その興味を活かして学びの機会を提供することが効果的です。
さらに、知的障害の有無やその程度を把握し、それに応じた支援を行うことも重要です。知的障害がある子どもには、簡単なステップで課題を進めるプログラムや、個別指導を取り入れることで理解を助けることができます。このように、一人ひとりの特性を的確に見極め、適切な支援を提供することで、子どもたちが持つ可能性を最大限に引き出すことができます。
最後に
自閉症スペクトラムの理解は、一筋縄ではいきませんが、親御さんがしっかりと子どもの特性を把握し、適切な支援を提供することで、子どもたちの生活はより豊かになります。これからも、子どもたちの成長を見守り、支えていきましょう。
この記事が少しでもお役に立てば幸いです。自閉症スペクトラムについてのご質問やご意見があれば、ぜひコメント欄にお寄せください。