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散文の仲間

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ジブラルタル峻が綴る、理性や科学の外側のテクスト。
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2023年12月の記事一覧

小説:光のフルスクリーンモード、などを含む言葉の塊(398文字)

小説:光のフルスクリーンモード、などを含む言葉の塊(398文字)

 柔らかいアルコールを半透明したような月だった。意味の無い意味が意味を笑い、価値の無い価値が価値を笑う。ほんの少しだけ高い場所へ続く階段をまたゆっくりとのぼり、それはおりることと同義だった。

 絡まった色をむしり取り、今、この星空の裏側に隠す。定まった色が鈍くなり、今、何らかの行為の切れ端から漏れる影だけが立ち上がる。それを畳み込むような光のフルスクリーンモードを見る。それは消失しながら分泌され

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小説:猫は粘性流体だ、などの言葉の塊(450文字)

小説:猫は粘性流体だ、などの言葉の塊(450文字)

 猫は粘性流体だという話をする。

「ユルゲヌス-ブブッティ反応」はウォーレン・ユルゲヌスとセルゲイル・ブブッティの二人により発見された反応だ。
 ごく簡単に説明すると、ベルヌーイの定理の切れ端を梃子の原理で炒めた反応物を反物質にスパッタリングし、そこに析出した薄膜を野良猫に踏ませたときの反応のことを意味する。
 猫の鳴き声は通例「カメカメカメカメー」なのであるが、奇跡的に「ニャー」あるいは「ミャ

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小説:あなたの文法を見せなさい、などの言葉の塊(472文字)

小説:あなたの文法を見せなさい、などの言葉の塊(472文字)

 現象のゆりかごをマリアナ海溝から引き上げ、地鎮祭が催される。崖を背にした偉大な俳優が背水の陣とばかりに、前方後円墳に変貌する。手袋を自らの歯でもって剥ぎ取り、世代の鐘が鳴り響く。調子の良いエンゲル係数にヒッタイトの鉄を突きつけて、盤面を俯瞰する。
 するとどうだろう?
 トリオの左の担当者がファンシーなマシュマロを乱射するではないか! その際、固めるか吸わせるかはさして問題ではないのだ。高分子吸

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小説:ピンボールで20点というイカの色素のようなスコアを叩き出してから。などを含む言葉の塊(403文字)

小説:ピンボールで20点というイカの色素のようなスコアを叩き出してから。などを含む言葉の塊(403文字)

 雪の結晶が健気に伸ばす片手を握りしめて男は走る。ピンボールで20点というイカの色素のようなスコアを叩き出してから。
 スペア7連続で別室にいざなわれ、畳の部屋でマッコリを飲み続ける。記憶のほつれ髪に淫することを禁じ得えなかった。

 側転4回で失格になった国道98号線はハレーションを塗り広げて喜ぶ。タウリンとハイタッチ。
 黒い遵法精神が街に降り注ぐ。あくなき平泳ぎはブルーライトカットではにかみ

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小説:言塊(481文字)

小説:言塊(481文字)

 名前のない盤上の遊戯。その読み合いを制する。ねじり切れたのは、身体と大脳というよりもむしろ、旧来のマニュアルだった。半世紀前の事実は、簡単にキムワイプで拭き取られてしまう。

 遥か彼方の万華鏡はゆっくりと回転し、精神残量の無い魔導士は、一行の荷物となる。杖による殴打は意味をなさない。
 遥か彼方の万華鏡はゆっくりと旋回し、精神力のある装甲闘士は混乱状態に陥る。その結果一行の荷物となるばかりか、

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小説:祈りを紙ヒコーキとして折り、桃源郷に向けて飛ばす。などの言葉の塊(483文字)

小説:祈りを紙ヒコーキとして折り、桃源郷に向けて飛ばす。などの言葉の塊(483文字)

 ハンマー兄弟は桃姫の足跡を追う。彼らが主人公であってもいいのに。彼らがキノコを食べたとしてもいいのに。

 パンダの寝姿を模した粘性の雲。それを目指すシンリンオオカミの群れは、脱走兵と合流する。極めて軽微なフランケンシュタイナーの衝撃を足がかりにしてクロサイを追うモルフォチョウはヒガンバナの花言葉になる。たとえそれが、戦火の拡大を招こうとも。

 群れに見惚れながら、夕暮れは朝焼けに手を貸す。そ

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丸い禁断症状(330文字)

丸い禁断症状(330文字)

振り向いた幸福に黄色の海苔を貼って
斑鳩の大地は群青色の絵の具に染まる

そうだ空の高さは
直滑降のミドリウミウシだったんだ

そんな簡単なことを定例会で披露して
喝采を彫刻刀で美しくする

勇敢な僧侶は祈ることを当然だと思い
敬虔な遊び人はふるさとの方向を向いて
ラクダのダンスを踊る

するとたちどころにクルミの加速度が高まり
ミルクの甘さにたじろぐのだった
丸い禁断症状は反物質の代替物になる

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小説:透明な平和(415文字)

小説:透明な平和(415文字)

 透明な平和のためには、象の建蔽率が細菌によって批准される必要がある。落花生と浜風の還元反応も必要だ。ようやくマントが開発され、負の屈折率が今、光のレオロジーとなって闇をかき消す。
 乳鉢でよくすり潰されたユーモアをコンドラチェフ循環にふりかける。原子が見つめる巨人としての人間。パタパタと跳ね回るブリタニア百科事典は音量の小さいプテラノドンへと進化を遂げる。広辞苑を開き、言葉と言葉を戦わせる。パン

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小説:ドーナツ、サルトル、サーターアンダギー(666文字)

小説:ドーナツ、サルトル、サーターアンダギー(666文字)

 カルガモの対義語は乳液だと言ってきかないブルドーザー伯爵。
 常に叫びを聞くのは、あるところのものではなくあらぬところのもの、の仕業だと分かる。地下茎がまた伸びる。
 ドーナツに穴があることは、ないことがあることであり、存在性の思春期を意味している。ドーナツの存在はその背中に非存在の銃口を突きつけられており、いつ食べられてもよいという覚悟に満ちている。

 覚悟とは無縁のサーターアンダギー。サー

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小説:アセロラ(573文字)

小説:アセロラ(573文字)

 アセロラによって引き起こされた揚げパン戦役は、一人の犠牲者も出さずに終焉を迎えた。量子次元に封じ込めたカルテの声が6世紀的な意味を持って理科室を優しく包んだのであった。ピスタチオカーブを曲がりきったハイエナは、バックオフィスで独り涙する。ポートボールで最多得点の天文学者は持ち前のアルカイックスマイルで観客を湧かせた。

 表面温度を計測したアヴィケンナの忍者ムラサメは細い川を下りきったところでブ

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試み:作詞をして作曲はAIに任せてみた

試み:作詞をして作曲はAIに任せてみた

作詞:ジブラルタル峻
作曲:suno(AI)
歌唱:suno(AI)

こちらを試してみました。
https://www.suno.ai

AIゆえ、試み、を“ためみ”と歌っていますね。

こういう時代なんですね。楽しいです。

小説:フレンチブルドッグ(447文字)

小説:フレンチブルドッグ(447文字)

 バックステップでモルフォチョウのコントラストを上げ、構造色はいつも命の発光を歌うのだ。
 厳冬の夏。日本の北米。簡単な難問。楽園の地獄。ピーターパン症候群をベーカリーで4個だけ焼いて、浜辺のうたた寝に売りつけるんだ。血管をさするときの絶対的な圧力。相対的な心理的リアクタンスにより、ますます興奮してくる。

 クッション運びのバーバリアンは、セメント言葉を吐きながら、笑顔だけは欠かさない。国を捨て

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小説:青い目の武士(458文字)

小説:青い目の武士(458文字)

 青い目の武士はクール気取りではしご酒。ピボットをしながら、中央分離帯に突入した。ゼムゼム教のマザーコンピューターが暴走して、上記の群れを外周から抜き去る。ちょうどその頃、無視して死んだパラフィン坊やの残穢が足跡を追っていた。くるぶしはいつもメカトロニクスであしらわれ、パンテーンの流れに抗して進む。寝首をかかれた独裁者。民衆は騒然とし、落下する砲丸は物理法則を無視したのだ。それでもなお、ダーザイン

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小説:グングニール(435文字)

小説:グングニール(435文字)

 グングニールをようやく手にしたあばら骨は、あぐらを解いて、立ち上がる。嬉しさのあまり、外殻を飛び出す。ナイフを思い切り投げ下ろし、関東ローム層に突き立てるのだ。そうそれが、炙り出された自尊心の姿。
 あくまでも、条件は非条件的であり、仮定の仮構は非在である。非在が基点となり、その後、猫が生まれる。この場合の猫というのは、猫的存在の非在を大前提としていることを疑いつつも、返し縫いを試みることを意味

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