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小説:フレンチブルドッグ(447文字)

 バックステップでモルフォチョウのコントラストを上げ、構造色はいつも命の発光を歌うのだ。
 厳冬の夏。日本の北米。簡単な難問。楽園の地獄。ピーターパン症候群をベーカリーで4個だけ焼いて、浜辺のうたた寝に売りつけるんだ。血管をさするときの絶対的な圧力。相対的な心理的リアクタンスにより、ますます興奮してくる。

 クッション運びのバーバリアンは、セメント言葉を吐きながら、笑顔だけは欠かさない。国を捨てたガラス細工は六甲山に足を向ける。情報の友達としての四角柱はいつでもその店に陳列されている。どうしてもそこにいなければならないことはないのに。結晶はたちどころにバラライカを演奏する。どうしても存在しなければならないことはないのに。

 フレンチブルドッグが行き交う交差点。つむじ風を披露しており、大半の欲望はそれを無視している。無視しない扁平足は、あえて上等なハンマーで応戦し、夜のとばりがやがて降りるのだ。
 亀と散歩をしたときのやるせなさ。つまり歯磨き粉。

 彼はそう書き付けてから、注文ボタンを押した。

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