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小説:グングニール(435文字)

 グングニールをようやく手にしたあばら骨は、あぐらを解いて、立ち上がる。嬉しさのあまり、外殻を飛び出す。ナイフを思い切り投げ下ろし、関東ローム層に突き立てるのだ。そうそれが、炙り出された自尊心の姿。
 あくまでも、条件は非条件的であり、仮定の仮構は非在である。非在が基点となり、その後、猫が生まれる。この場合の猫というのは、猫的存在の非在を大前提としていることを疑いつつも、返し縫いを試みることを意味する。条件反射的にタブロイドを踏みにじり、玄米生活を送るような、そんな生命産業の刺客はやがて老成し、その時に真価が問われることになるだろう。
 豊かな線に魅せられる単為生物的存在は、植物思想に憧れて、ガンマンの如く、意識内の部屋を綺麗に掃除するのだ。ハンドガンは常に充填されており、北極であろうと、南極であろうと、そして赤道直下であろうとも、引き金を引くことが可能だ。背後に陰を伴い、ミルクプリンの斜線はまた今日も歩き続ける。

 彼は書いていることを認めず、作り笑いで応じた。

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