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エドゥアール・マネ / メトロポリタン美術館
小説:透明な平和(415文字)
透明な平和のためには、象の建蔽率が細菌によって批准される必要がある。落花生と浜風の還元反応も必要だ。ようやくマントが開発され、負の屈折率が今、光のレオロジーとなって闇をかき消す。
乳鉢でよくすり潰されたユーモアをコンドラチェフ循環にふりかける。原子が見つめる巨人としての人間。パタパタと跳ね回るブリタニア百科事典は音量の小さいプテラノドンへと進化を遂げる。広辞苑を開き、言葉と言葉を戦わせる。パンタロンは迷路への入り口。80sの煮付けをおかわりする人々。
片手で手刀を作りながら横切る大黒柱は表面プラズモンのもみの木祭りに手を貸すのだ。または大衆文化の地滑り。あるいはイカの塩辛。
時間の赤を縮めて、公職選挙法の橙を真っ二つに折る。愚かな黄色の暴力が時代に蔓延る。宇宙的緑のコゲつきを優しい青が磨き上げる。藍色の平和へ。
透明発-透明着の列車に乗り遅れた紫色のレクイエム。
この辺りで彼は筆を置く。また別のドアを開けようとする。
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