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【実録!】Fラン大学生の会議の実態(自己紹介78)

今年の3月で無事に30歳になれました。この記事は、これまでのハードモードな人生を振り返り、そこから学び、これからの人生を幸せなものにしていくための企画です。


僕の自己紹介・自分史「ちょうどいいハンデだ」はコチラから。

このイベントゼミ、とにかく会議が難航します。


原因は、風呂敷の広げすぎ


だと思います。


とにかく、アイデアを採用しまくるんです。


代表の別名って、なんだと思いますか?


リーダーです。


リーダーとは、出てきたアイデアを吟味して、予算とにらめっこをしながら、YES/NOを判断するのが仕事です。


なんでもかんでもYESと言っていたら、そのうちお金が足りなくなるし、何よりも色々な案が重なりすぎて、結局何がしたいのか分からなくなります。


人は潜在的に、自分のアイデアを特別だと思い、認めてほしいという欲求を持っています。でも、アイデアは所詮アイデアで、それ自体には何の価値もないのです。


リーダーは、そういう欲求を持った人間に「案」を沢山出させて、最終的にはその中から「いける」と思ったものを「選ぶ」必要があります。


ここからここまでの間なら、色々なものを考えて、自由に発言してもらって構いません。そういう環境づくりをして、でも、最終的にはその中から「どれをやるのかを私が決めます」と言うのが、リーダーの仕事なのです。


多くの会議が失敗する原因はここにあると思います。


風呂敷の広げすぎ/誰も決めない


採用はするのに、最後に決めるという責任は負わない。多数決なんか論外です。


多数決を取るならば、リーダーなんて最初からいらないですから。


このゼミの会議は、入り口から間違っています。


まず、テーマを決める前に「最終ジャッジは○○で決めます」という決断の方法を決めていません。


音のレストランというテーマも、漠然と流れの中で決まりました。この時点で、誰が責任を取るのかがぼやけてしまったので、もうこの後何が起きても、誰も何も言えないのです。


次に、ブレストです。


「どうやって、来てくれた子どもたちに楽しんでもらうか。まずは、どんどんアイデアを出していこう」


優等生代表ちゃんが言いました。


やはりこれも、出た案を「どうやって採用するのか」を決めないといけません。


先ほど、多数決は論外と言いましたが、総意の上での多数決なら、僕は別に良いと思っています。一番ダメなのは、リーダーが「多数決を決断する」事です。


何度も言いますが、それは逃げの姿勢と同じで、多数決をリーダーが決定するならば、リーダーなんていらないのです。


ブレストで、色々な案を出すのですが、歯切れが悪い状態が続きました。


案が出てこないのです。


これは前述しましたが、そもそも人は「制限が無い状態でアイデアを出せるほど優秀な生き物ではないのです」


案が、芯を食っていなかった場合、バカにされるかもしれないという不安が、発言を委縮させてしまう事があります。


音のレストランというテーマ、あまりにも漠然としすぎていて、何をすればいいのかが分からない。メンバーの「レストランのイメージ」がバラバラだから、どの案が最適なのか、よく分からないのです。


たまらず僕は言いました。


「レストランって、ファミレス?それともリストランテとか料亭?」


と(笑)


これ、NICEパスだと思います(笑)


目線を合わせるうえで、これ以上に良い言葉はないはずです(笑)


優等生代表ちゃんは「まず、そこから合わせていこう」と言いました。


会議を行う上で、目線を合わせるというのは大事な儀式です。


目的を共有する。議題のイメージをすり合わせる。会議におけるルールを設定する。こうした、メンバーの視座を合わせる作業は、事前にやっておくと「進行がスムーズ」になるし、これをやるだけで「メンバーの信用」も増します。


ここまで、大分グダグダな形になっていますが、ここで視座さえ合わせれば、それなりに話しは進むはず。


そう思っていました。


話し合いの結果、レストランのイメージ・方向性は「高級路線のリストランテ」でまとまりました。


ちなみに、ここにも落とし穴があります。


大前提なのですが、これから実現しようとしているものは「チームが体験したことがあるモノ」でないと成立しません。


体験したことが無いものを扱う場合、そのほとんどは「空想」になってしまいます。空想は、物語を作る場合は余白として持っておいた方がいい。でも、そこには根拠が必要だし、それを成立させるための説得力がいるのです。


Fラン大学生が、1食数万円もするようなリストランテに行ったことがあると思いますか?


ほぼ無いはずです。


つまり僕たちは、高級路線というのがなんなのか。よく分からないまま議論をすることになるのです。


この時点で、まぁまぁマズイ所に着地したなぁと思いました。


それは、隣にいたあの男子生徒もそう思ったみたいです。


僕はここで初めて、隣の生徒の顔を認識しました。要は、顔を見合わせたのです(笑)


視座が定まったと勘違いしたメンバーは、ここへきてどんどん「アイデア」を出し始めました。


その中で「来てくれた子どもに手作りの楽器を渡して、一緒に演奏する」という案が出ました。これには、他のメンバーも「いいね」と言って便乗しました。


僕は、それは「高級路線なのか?」と思いました。


一緒に演奏する。これって飲食に例えると、バーベキューですよね。そうなんです。この時点で、音のレストランは、高級路線から外れてしまったのです。


これが、空想に任せた議論の怖いところ。


何が怖いって、当人は「リストランテの認識」でいるのに、実際の行動は「バーベキュー」になっている事です。


これから、出演者や販促物を作ります。その時、この認識のズレが、デザインに大きく影響する事になるのです。


バーベキューに罪はありません。それ自体は、とても楽しい行為ですから。問題は、認識がズレていることに「誰も気づかない」事です。


大事なのは、疑う事と確認です。


この話、先ほど合わせた視座に沿っているかな?今、自分たちがいる場所は、定めた目的からズレていないかな?


1つ1つの決定を、スピーディーに行う事は重要です。でも、それと同じくらい「確認」と「疑い」も大事です。なぜなら、違うと思ったら軌道修正しないといけません。


多くの会議は、良い案が出ると往々にして盛り上がります。熱気は、人からチェックという大事な工程を奪い去ってしまいます。


ここでもし、決定を下す方法は○○と決めておけば、時間を置くことで決定者が冷静になり、この流れを覆すことも可能なのですが、この会議は「自然と多数決」に流れていました。


その場にいる多数の人間が盛り上がってしまった結果、チェックをしたり、異見をしたりする人が生まれなかったのです。


この時点で僕は、もうどうにでもなれ(笑)


と思っていました。匙を投げたのです。


頭が悪いというか、失敗に自ら突っ込むのは愚かです。初めてだからしょうがないと言えばそうなのかもしれませんが、だからといって、このまま進めば地雷を踏むことは分かります。


「子どもに手作りの楽器を渡して、一緒に演奏する」というアイデアが出た後、他の人も「それなら○○も」と追加案を出し始めました。


代表の女の子は、それいいね!それ面白そう!とどんどん承認していきました。


この流れこそ、会議の失敗を決定づける典型例です。


冒頭お話ししたとおり、リーダーはアイデアを吟味して、YES/NOを決定するのが仕事です。


1つの企画に対して、実装できるアイデアの個数は決まっています。これ、どんな企画でもそうだと思うんです。イベントが上手くいかない。その原因のほとんどは、アイデアの盛り込み過多にあると思います。


予算を超えたり、出来ると思っていたものが出来なかったり。


箱には、詰め込むことが出来る限界値があって、それを超えると歪が生まれます。リーダーは、ここをコントロールするためにいるのです。できないなら、リーダーをやる資格はありません。


人は、アイデアを認めてほしい生き物です。1つの成功事例が出来れば、それが指針になるわけですから、その後はよどみなく自我を開放します。


ファーストペンギンを上手に作った後、セカンドペンギン以降の行動をまとめて、最小限のリスクで走り抜ける。こここそ、リーダーの力量です。


今のゼミ会議は、セカンドペンギン以降の行動を「野放し」にしている状態。


何度も言いますが、まとめる気が無いなら、リーダーなんていらないんです。


匙を投げた僕ですが、一応メンバーなので言いました。


「手作りの楽器って、モノにもよるだろうけど、どれくらいお金がかかるんだろうね?」


はい。


本日二度目のNICEパスです(笑)


狙いは、アイデアの承認を止めて、現実に引き戻すこと。


お金の話に意識がいけば、必然的に「ここまではできるけど、ここから先はできないよね」となるはずでした。


が、しかし、


この作戦は失敗に終わります。


「お金は、全部のアイデアが出てきてから考えればいいよ」


優等生代表ちゃんが、こんなことを言い出したのです。


いやいや(笑)


もうすでに、予算はひっ迫してますよ(笑)


あとで苦しむことになるから、ここで一度意識を向けた方がいいよ(笑)


そう思いました(笑)


日本人は、お金の使い方が甘いです。お金の教育を、ほとんど受けていない事が原因だと思います。


お金の話をすると、汚いとかがめついみたいなイメージが付きまといます。まるで、お金の話をすることを悪のように考えるのです。


これについては、本当に疑問です(笑)


待ってください(笑)


そのお金に、今まで何度も苦しめられたでしょう?


遊びすぎてお金が無い。今月は、モノを買いすぎた。お金はいつだって「後から人を苦しめる」ものです。お金についての知識が無いのは、100歩譲りましょう。でも、お金に苦しめられた経験は、万人共通じゃないですか(笑)


なぜまた同じ過ちを繰り返すのでしょう(笑)


というか、リーダーがそれをやっちゃおしまいでしょうが(笑)


僕はこの時点で、彼女が優等生ではなく、見せかけであると決断しました。


話しは膨れ上がり、最終的に「芸能人に司会進行をお願いする」という夢物語に突入しました。


もはや滅茶苦茶です。


この時のゼミの予算がいくらだったかは覚えていませんが、確か「約50万円」くらいだったと思います。芸能人を呼ぶ場合、最低でも「120万円」はかかります。


この時点で足りないのです。


規模を分かっていない、無鉄砲な大学生は、時に「信じられないくらい無茶な事を、無意識のうちに言っているもの」です。


出来ない事を豪語するのはかっこ悪い。


だから、自分の発言には注意しないといけません。大学生のうちは、どんなに世界が広がっても、やっぱりまだまだ世間知らずです。無意識のうちに、大きな間違いを発言してしまっている可能性があります。


言葉にする前に、一度考える。


この癖をつけておくことをオススメします(笑)


あ、これは終わったなぁ(笑)


僕はそんな風に思っていました。僕からすると「恐怖」です。知っているからこそ、今の空中戦が危なく見えて仕方ありません。


軌道修正および縮小を考えなければ、大惨事を招くことになる。


僕の頭は、すでに「守り」に切り替わっていました。


すると、隣の男子生徒が「そろそろ出た案を整理しない?」と言いました。


はい、これもNICEパスですね!


素晴らしいです。


お金の話をして、現実に引き戻せなかった。そうなると残る方法は、現状整理・まとめに入るです。


この男子生徒とは、後々本当に仲良くなります。


で、僕はこの会議の事を彼に聞きました。


結論は「僕と同じ」でした。


うまく確実な路線に軌道修正する。そうしないと、実行に移す時にもたつく。そう思って、慎重に言葉を選びながら、先ほどの発言をしたそうです。


会議において重要なのは、メンバーのメンツをつぶさない事です。


衝突はOKだと思います。意見がぶつかる事は絶対にあるし、そこで意見を戦わせることで、思わぬ副産物が手に入ったりしますから。


でも、やみくもに意見を否定したり、能力の無さを指摘したりして、悪い空気に向かいそうな行動をとるのはNGです。誰も得しないし、何よりコスパが悪いからです。


会議において、空気を壊していい時は、行き詰った時だけ。


覚えておくと便利です。


発言が止まる。意図とズレている。そんな時は、出来るだけ「良いムード」を作るために、視点を変えたり、相手の言葉をプラスに変えたりすることで、空気を壊します。


例えば、目的とズレた意見が出た場合。


「それって、こういう発想から生まれた意見だよね!切り口がすごく面白いと思うんだけど、こういう切り口のアイデアを他に持っている人いないかな?」と言ってみる。


誰も傷つかないし、意見を出しやすくなるはずです。


彼が放った言葉は、議論を違和感なく前に進めました。


優秀です。


僕は、この会議が終わった後、彼に話しを聞いてみようと思いました。


会議は、まとめに入りました。


結果的に、状況整理を済ませることができましたが、実現の可能性と再現性については、置いてけぼりの状態です。


役割分担も出来ていなければ、そもそもこの骨組みで進めるかの決定も出来ていません。90分の授業時間を、複数回も使って、何1つ決定出来ていないのです。


僕は、このままじゃ本番に確実に間に合わない事を理解していました。


そして、自分の中で「デッドライン」を設ける事にしたのです。この期間までに、具体的な行動が1つも起こらなければ、この企画は自分が進める。


そう決心したのでした。


結果的に僕は、この企画を乗っ取ります。横にいた、のちに親友になる彼と一緒に。


正直やりたくはなかったけど、ここで学んだことは大きかったです。僕は、このゼミを通して、ちょうどいいハンデだ・最後に勝つのは僕に続く、新たな座右の銘を見つけることになります。


それは、自分本位な考えで生きてきた僕が、初めて誰かと共存することを選んだ時に生まれた言葉で、この言葉があったからこそ、僕はのちに「会社の中で素敵なチーム」を組むことができるようになるのでした。


はぁ~、しんどい(笑)


あ、断っておきます!


僕はこの、ダメダメ会議が「特別なこと」だとは思っていません。


偏見も入りますが、世の中に存在する会議って、ほとんどこんな感じだと思っています(笑)


いや、実態は分からないんですけどね(笑)


少なくとも、僕が過去に参加させてもらった会議には、こういうグズグズなものが多かったです。もちろん、素晴らしい会議も沢山見ましたが、大体の会議は物事が決まりません。


時間だけが過ぎ、締め切り間近に「安パイ」に走る。


これが通例です。


会議は、お金と同じで「誰も教えてくれません」


どこまで行ってもやっぱり場数で、経験から学ぶ以外に方法が無いのです。会社にでもいかない限り、会議の経験を積むのは難しいですから、結局のところ「100点の会議」を見る機会は人生の中でかなり少ないのです。


僕は、この記事を「教材」だと認識してほしいと思っています。いわばテキストです。ここには、沢山の典型的な失敗が詰まっています。これさえ避ければ、絶対に合格点は取れます。


これくらい知っている。そんなの当たり前でしょう。と頭の中で思っていても、実際に始まっていみたら、意外と出来ない事って多いじゃないですか?(笑)


だから、事例として・テキストとして・教材として、何かの役に立ったら嬉しい。


そう思っています。


さて、明日は「行動しない罪」というテーマでお話ししようと思います。


引き続きゼミの話をするつもりです。ここまででも、十分問題だらけに見えますが、本当の問題はここからです。


僕はここから、珍しく本気を出すことになります。


どのように本気を出すのか、果たして、何が大変だったのか?


本日の記事のように、タメになるを軸に書き進めていくつもりです。よければ、引き続きお楽しみください。


それでは、続きはまた明日に!

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