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レビューとレポートとおすすめ記事

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学芸出版社の本に寄せられたレビューや、著者の皆さんの文章、書籍関連イベントのレポートなどをざっくりまとめます。
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2018年3月の記事一覧

リノベーションの次に起きたのは、建築の◯◯化だった|ナカムラケンタ|【ブックレビュー】

リノベーションの次に起きたのは、建築の◯◯化だった|ナカムラケンタ|【ブックレビュー】

もはや建築家は必要ないんじゃないか。世の中には建築が溢れているし、人口も減っていく。

そんな予感がした建築学生時代に、一つの答えを提示したのが、この本の著者の1人である馬場さんだった。それが「リノベーション」という手法。新築せずに既存の建築を活かすという意味で画期的。まさに薄暗い建築の世界に射す、一筋の光だった。

ただ、そのリノベーションによって、建築家の役割が変わるきっかけにもなったように思

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山崎亮さん、『コミュニティデザイン』を語る【後編】studio-Lと東日本大震災のこと

山崎亮さん、『コミュニティデザイン』を語る【後編】studio-Lと東日本大震災のこと

コミュニティデザイナーとして、新たな領域を開拓中の山崎亮さんが、初めての単著『コミュニティデザイン』を著されました。
大学卒業後、ランドスケープデザイナーとして公共空間のデザインに携わっていた時期から、独立を経て現在に至るまで、その仕事の全貌を書き下ろされています。
[聞き手:井口夏実(編集部)]
※初出:2011年4月13日 学芸出版社ホームページにて公開
※編集部注:内容はすべてインタビュー当

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山崎亮さん、『コミュニティデザイン』を語る【前編】出版のきっかけ~忽那さんのこと

山崎亮さん、『コミュニティデザイン』を語る【前編】出版のきっかけ~忽那さんのこと

コミュニティデザイナーとして、新たな領域を開拓中の山崎亮さんが、初めての単著『コミュニティデザイン』を著されました。
大学卒業後、ランドスケープデザイナーとして公共空間のデザインに携わっていた時期から、独立を経て現在に至るまで、その仕事の全貌を書き下ろされています。
[聞き手:井口夏実(編集部)]
※初出:2011年4月13日 学芸出版社ホームページにて公開
※編集部注:内容はすべてインタビュー当

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人と社会を幸せにできる会社だけが未来に選ばれる

人と社会を幸せにできる会社だけが未来に選ばれる

坂本光司(法政大学大学院教授)×森摂(オルタナ編集長)会社は誰のものですか?
100年後も輝き続ける会社にするために大切なことは何ですか?
7000社以上の企業をみてきた経済学者と、企業経営の本質を取材する経済記者が語る、未来に選ばれる会社とは。

(2015年11月13日 『未来に選ばれる会社』出版記念トーク、マルノウチリーディングスタイルにて)

坂本光司
法政大学大学院政策創造研究科(地域づ

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専門家の「孤独」──その役割は誰がどのように果たすべきか|藤村龍至|【ブックレビュー】

専門家の「孤独」──その役割は誰がどのように果たすべきか|藤村龍至|【ブックレビュー】

「地方都市を公共空間から再生する」とは景観デザインの研究者でありデザイナーである柴田久氏の経験が詰まった一冊。読んでいると、公共空間のデザインに際しては日常性・波及性・継続性が必要であると説く「N・H・K」などの柴田氏らしいユーモアに微笑みつつ、現場で孤軍奮闘する氏の姿が目に浮かぶ。

ここでいう「地方都市を公共空間から再生する」とはどういうことか。
柴田氏が関わった福岡市の天神駅前にある警固公園

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