学芸出版社

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建築・デザイン・まちづくりなどの分野で本をつくっている学芸出版社のnoteアカウントです。イベントレポート、ブックレビュー、連載コンテンツ、試し読み記事などをお届けします。新刊のラインナップはこちらから☟ HP|http://www.gakugei-pub.jp/

マガジン

  • レビューとレポートとおすすめ記事

    学芸出版社の本に寄せられたレビューや、著者の皆さんの文章、書籍関連イベントのレポートなどをざっくりまとめます。

  • 学芸本の読み方

    学芸出版社の本や会社について書かれたnoteの記事を集めています。

  • 京都の現代歳時記考-木屋町の花屋のささやかな異議申し立て

    季節特有の本来の暮らしぶりと、現代の暮らしぶりを結び、歳時記を再解釈する。 ちょっと変わった視点から、京都・木屋町の花屋店主が現代の暮らしにすこしだけ反抗します。

  • アフターコロナと都市・まちづくり

    アフターコロナの都市や建築、まちづくりはどう変わっていくのか、あるいは公共空間の価値はどう変わらずにありつづけるのか。それぞれの現場で上がった声や知見や知恵を集め、「これからの公共(空間)」を考える手がかりとしてのマガジンです。

  • 土木のお仕事

    • 33本

    日常を支えるため、さまざまな分野の方が、それぞれが互いの役割を発揮しながら、協働によって仕事が進められるチーム戦である「土木」の世界。この世界にどんな仕事があって、どんな人たちが、普段どんなふうに働いていて、日常を支えているのか、土木のお仕事や土木で働く人を紹介するマガジンです。(「土木の仕事座談会」からマガジンタイトル変更しました)

最近の記事

話して聞いて再発見!物語る地図の味わい方|『手書き地図の教科書』出版記念トーク(後編)

後半は、会場の皆さんとまちネタを持ち寄って話してみるミニワークショップの様子をお届けします。(↓前編はこちら) 手書き地図ワークショップはいつも、①ディスカッション→②フィールドワーク→③マップメイク→④発表会→⑤再発見→⑥地図の完成、というステップを踏むのですが、今回は①の「ディスカッション」パートを再現。2冊目の新刊『手書き地図の教科書』に収録されているQ&Aをいくつかピックアップして行いながら、1冊目(『手書き地図のつくり方』)で伝えた“みんなでつくる手書き地図の面白

    • 読んで書いて歩いて!物語る地図の味わい方|『手書き地図の教科書』出版記念トーク(前編)

      手書き地図沼にハマった5人の偏愛集大成。『手書き地図の教科書』 Q&A形式で気づけば地元のイイトコロを見つけてしまい、オンリーワンな手書き地図が書けるようになるオイシイ一冊、『手書き地図の教科書』。手順やウラ話、50のQ&Aで自分のまちが大好きになれる超入門書のトークイベントが、下北沢B&Bさんで開催されました。 2019年に刊行した第一弾『手書き地図のつくり方』がワークショップ・フィールドワーク解説本とすれば、2024年に生まれた待望の二冊目は長い年月かけて熟成されたネ

      • 【一級建築士 合格体験記】最後まで読破して、繰り返す。専門学校講師・佐藤嘉彦さんが選ぶこの2冊

        一級建築士試験に合格した方々に、おすすめの参考書と勉強法を教えていただく「合格体験記」を、不定期でお届けしています。 今回、体験談を寄せてくださったのは…佐藤嘉彦さん 青山建築デザイン・医療事務専門学校講師。1959年北海道札幌市生まれ。帯広畜産大学農業工学科中退、その後不動業に従事。工務店、ハウスメーカー、ゼネコン勤務を経て、現在、専門学校(建築系)教員。一級建築士、宅地建物取引士。 おすすめ本その1:一級建築士試験 構造力学のツボこの本を選んだ理由を教えていただけます

        • 10月の花、花なすの豆知識 【ハロウィン】

          花なす(ナス科) 鑑賞用の茄子やトマトの仲間を「花なす」と呼びます。 一般的な花なすはミニトマトのようにつるんと丸い形をしていますが、こちらは近年人気の品種“ミニパンプキン”。 かぼちゃ型に切り込みが入っています。 本物のかぼちゃが花瓶にいけられないのに対し、ミニパンプキンは茎がついているので10月の一輪挿しにかかせません。 ハロウィンがなぜここまで日本に馴染んだのか、についてはこちら。

        話して聞いて再発見!物語る地図の味わい方|『手書き地図の教科書』出版記念トーク(後編)

        • 読んで書いて歩いて!物語る地図の味わい方|『手書き地図の教科書』出版記念トーク(前編)

        • 【一級建築士 合格体験記】最後まで読破して、繰り返す。専門学校講師・佐藤嘉彦さんが選ぶこの2冊

        • 10月の花、花なすの豆知識 【ハロウィン】

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        • 学芸本の読み方
          92本
        • レビューとレポートとおすすめ記事
          61本
        • 京都の現代歳時記考-木屋町の花屋のささやかな異議申し立て
          13本
        • アフターコロナと都市・まちづくり
          43本
        • 土木のお仕事
          33本
        • 編集部員の気まぐれレビュー
          12本

        記事

          10月を知るための単語禄。 【現代版歳時記】

          先人たちが日本の気候から見つけてくれた、美しいもの・儚いもの・恐いもの、その中で生きていく知恵と工夫。 そんな季節特有の本来の暮らしぶりと、現代の暮らしぶりを結び、歳時記を再解釈する。 今回は「ハロウィン」。 ハロウィンはもともと、古代アイルランドのお祭りだ。 そこには日本と同じで自然信仰の文化があったそうで、10月31日は彼らの大晦日にあたる日だった。大晦日であると同時に、夏と冬の二季のその土地では夏が終わり冬になる季節の変わり目だった。 仮装をするのは季節の変わり目

          10月を知るための単語禄。 【現代版歳時記】

          100年後の歳時記に、ハロウィンは載っているだろうか

          子どもの頃、英会話教室に通っていた。 私はそこに行くのがとても嫌だった。 今と違ってとても内向的な子どもだったので、外国人の先生がどんどん話しかけてくるのも、学校が違う子たちと仲良くするのも苦手だった。 10月のある日に先生がいった。来週はハロウィンパーティだから、みんな仮装してきてね。 最悪だ、と思った。 でも何しろ内向的な子どもだったから、もちろん嫌とも言えず母に魔女の帽子をのっけられて、教室へ行った。 子供教室だからいつも遊びみたいなものだったけど、その日はハロウィン

          100年後の歳時記に、ハロウィンは載っているだろうか

          【重陽の節句】9月の花、菊の豆知識

          菊(きく) キク科のお花。 平安時代に中国より伝わる。ほどなくして宮中で人気の花となり、数多くの貴人たちの歌に詠まれる。中でも、後鳥羽上皇と嵯峨天皇は菊を愛したことで有名。天皇家の紋になった由来も、後鳥羽上皇が菊の意匠を好んで使ったことによる。 江戸時代には庶民にまでその人気が広まり、品種改良もさかんに行われた。 戦後は、秋の花の「日が短くなると咲く」という習性を利用し、ビニールハウスのライトを調整することで花を咲かせる「電照菊」の技術が発展し、季節と関係なく一年中、安定

          【重陽の節句】9月の花、菊の豆知識

          9月を知るための単語禄。 【現代版歳時記】

          先人たちが日本の気候から見つけてくれた、美しいもの・儚いもの・恐いもの、その中で生きていく知恵と工夫。 そんな季節特有の本来の暮らしぶりと、現代の暮らしぶりを結び、歳時記を再解釈する。 今回は「重陽の節句」、通称「菊の節句」。 3月3日・桃の節句、5月5日・端午の節句、7月7日・七夕の節句。節句にはそれぞれシンボルとなる植物がある。端午の節句は菖蒲、七夕の節句は笹。3月は親しまれすぎて通称にまでなっている桃の花。桃の節句の正式な名前は上巳の節句という。 では、9月9日は

          9月を知るための単語禄。 【現代版歳時記】

          花を選ぶのにセンスは必要ない

          花店に来てくださった方が、一様に口にされる言葉がある。 「センスないんで」。 お家用のお花を買いに来てくださった方も、ギフト用のお花を見に来てくださった方も、皆口を揃えてそう言われる。「センスがないのでどの花にすれば良いかわかりません、自分では選べません」と。 花を選ぶのに必要なことは、生まれ持ったセンスではない。私は色々な場所で、人に、そう言い続けている。これは気休めでもきれいごとでもなく、私の信条である。むしろセンスなどという、どうやって手に入れるのかわからない個人

          花を選ぶのにセンスは必要ない

          8月の京都を知るための単語禄。 【現代版歳時記】

          先人たちが日本の気候から見つけてくれた、美しいもの・儚いもの・恐いもの、その中で生きていく知恵と工夫。 そんな季節特有の本来の暮らしぶりと、現代の暮らしぶりを結び、歳時記を再解釈する。 今回は「お盆」。 お盆をお盆らしく過ごす人を、私たちは豊かだと思う。 でもその豊かさは単に季節行事を執り行っているからではなく、ご先祖様に感謝し、亡くなった人に想いを馳せ、普段の生活では考えることのない生や死に、ゆっくりと向き合う時間がもたらすものであるからだ。 生きていることは随分当た

          8月の京都を知るための単語禄。 【現代版歳時記】

          【お盆】8月の花、コウヤマキ(高野槙)とホオズキ(鬼灯)の豆知識

          コウヤマキ(高野槙) コウヤマキ科。高野山に多く自生する霊木(画像奥にある尖った植物)。常緑樹なので一年中緑ですが、お盆のお花として親しまれています。日本では、霊的なものはとがったもの(とりわけ常緑樹であることが多いのですが)の先に依りつくと考えられてきました。お家の神棚の榊も、お正月にいける松も、祇園祭の山鉾の上に立ててある松や杉や長刀も同じ理由からです。 高野槙の葉は松などと比べ葉に厚みがあり、瑞々しさを感じます。 お盆にあの世から帰ってくる霊を、京都に昔から暮らす人は

          【お盆】8月の花、コウヤマキ(高野槙)とホオズキ(鬼灯)の豆知識

          お盆がお盆だった時代、死がずっと身近にあった時代について

          焼けるように熱いアスファルトの上に、進んでいるのか止まっているのかわからない自動車の列。スタジオのアナウンサーが伝えてくれる上りと下りの渋滞情報、熱中症対策強化の旨。冷房を効かせた車内から排出されているらしい生暖かい空気が、蜃気楼を歪ませる。これぞ日本の、お盆。 その目的は、実家に帰って普段一緒に暮らしていない家族や親戚と夏の休暇を過ごすためであるが、ではなぜ親族と時を過ごすのかというと、ちょっと忘れられがちなのだけれど、この時期に、死んだ人の霊がこの世に帰って来るからであ

          お盆がお盆だった時代、死がずっと身近にあった時代について

          7月の京都を知るための単語禄。【現代版歳時記】

          先人たちが日本の気候から見つけてくれた、美しいもの・儚いもの・恐いもの、その中で生きていく知恵と工夫。 そんな季節特有の本来の暮らしぶりと、現代の暮らしぶりを結び、歳時記を再解釈する。 今回は「祇園祭」。 祇園祭だけでなく、伝統的な祭りや行事はどれも、人間の力ではどうしようもできなかったことへの祈りがベースにある。祇園祭も例にもれず、疫病退散を祈願するお祭りだ。 しかし現代、病原菌には密を避けたり手洗いうがいを徹底することで戦えることを皆が知っている。「祈り」は現代の暮

          7月の京都を知るための単語禄。【現代版歳時記】

          【祇園祭】7月の花、ヒオウギ(檜扇)の豆知識

          檜扇(ヒオウギ) アヤメ科のお花。真夏に咲く。 分厚い葉が扇のように開いてつく姿が、平安貴族の持っていた檜扇に似ていることからこの名前になりました。大地主神の神話に登場する、祟りであるイナゴを祓った檜扇と同じ名前ということで疫病退散の祇園祭と結びつき、7月の京都に欠かせないお花となりました。 何かを神に祈るとき、日本の人々は花をまっすぐ天に向かって立てます(それがいけばなのルーツなのですが、それはまた別の回で)。そこに神が宿ると信じていたのです。檜扇は「く」の字に大きく曲が

          【祇園祭】7月の花、ヒオウギ(檜扇)の豆知識

          祇園祭の本来の姿と、アフターコロナ。今の祇園祭ってどんな感じ?

          祇園祭は疫病退散を祈念するお祭りである。 祇園祭だけでなく、伝統的な祭りや行事はどれも、人間の力ではどうしようもできなかったことへの祈りがベースにある。理由のわからない疫病退散への祈り、無病息災、子孫繁栄。五穀豊穣の祭りはどうしようもない天候への祈りであり感謝である。気候の変化に振り回されて暮らす日本人にとって、1年は自然への祈りに次ぐ祈りだった。 そしてその祈りの傍には、いつもほんの少しの遊びがあった。一族の繁栄を祈りながら少しだけお花を飾って御馳走を食べたり、帰ってき

          祇園祭の本来の姿と、アフターコロナ。今の祇園祭ってどんな感じ?

          京都に祇園祭が生まれた理由と本当の目的

          7月の京都。グーグルイメージでしか京都を知らない外国の方は、石畳の上で風に揺られる青もみじが、ひんやり涼し気で快適な古都とお思いだろう。実際の京都の気温は、そのイメージから感じる温度プラス15度、湿度はプラス50%といったところか。 「こんなところでよく暮らしてるな」というのが夏の(実は冬もだけど)京都を訪れた人の正直な感想であり、同時に暮らしている人間の驚きでもある。 高すぎる温度と湿度で食べ物はすぐに腐るし、いけた花は瞬く間に枯れる。熱帯並みの気候の中、冷蔵庫も冷房も

          京都に祇園祭が生まれた理由と本当の目的