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学芸本の読み方

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学芸出版社の本や会社について書かれたnoteの記事を集めています。
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記事一覧

公民連携エージェントができること

行政と民間の連携に、これからの地域課題を解決していく可能性があると思っています。 契約解除に至った西尾式PFIも「民間の力を借りる」ところからはじまったはずですが、うまくいかなかったことは残念です。ただこれに懲りずに、反省点を踏まえて、公民連携事業を西尾市でも進めていけるように、僕は市議として積極的に間に立ち、調整役を引きうけていきたいと思っています。 他所では先進的に取り組んでいる町があって、その1つが大阪府大東市です。入江智子著の『公民連携エージェント』はその参考例と

141.リアル・アノニマスデザインから考える

2022.10/3.22:38 こんにちは。まきです。 よく非常識だと言われることがある。常識はなかなか難しいものである。今日の体育の授業後も、非常識な友達と一緒に「常識って難しいよね」と常識的な会話をした。 さて、つい最近「リアル・アノニマスデザイン(岡田栄造/山崎泰寛/藤村龍至=編著)」を読んだ。数多くの刺激的なデザイン関係者、建築関係者、メディア関係者が「アノニマスデザイン」をテーマに綴った原稿が収められた本だ。少しマニアックだけど、建築もデザインもよくわかっていない

『みどりの空間学』を読んで

先日、古谷俊一さん著の『みどりの空間学 36のデザイン手法』 を読みました。 この本では、植物と建築物がほどよい距離感の建物が紹介されています。 その中で興味を持った建物を2件紹介します。 1.東京都目黒 共同住宅:『泰山館』 ドラマ「リコカツ」で主人公役の北川景子さんの新居として登場しています。 庇や廊下の手すり壁がとても印象に残っていて、ググってみるとロケ地だったそう。 何よりも、敷地から建物までの石段のアプローチを取り囲むみどりの多さは、都内とは思えないほど豊かなの

本質にたどり着くための5つの思考法【問いのデザイン】

「問題」…という響きに 少しビビってしまいます。らるです。 今日は簡単に答えが出ないような「問題」に 直面したときの思考法について こちらの本からお話をしていきます。 問題を捉える5つの思考法今まで、私は仕事などで、 難しい「問題」に直面したとき、 どんな「思考法」をしているか… というのは、あまり意識したことが ありませんでした。 ただ「問題の本質はなんだろう?」 …ということは、意識していました。 今日紹介するのは、 その「本質」を捉えるために 有効な方法です。

サーキュラーエコノミー実践 安居昭博

循環型社会って具体的にはどういう社会なのか、言葉の定義や具体的な実践例が満載の一冊。起業家ならずとも丁寧な暮らしを心がけたい誰しもにおすすめの一冊。 はじめに  もはや自分だけよければよい、自分の住んでいる地域だけよければよいという状況ではなくなっている。地球規模での気候変動、環境問題は世界の関心事である。それに加えて日本は課題先進国と言われるほど、少子高齢化による地方の過疎化、都市集中の問題、そしてCovid-19パンデミック。この2年間誰しもが将来を憂いたはずだ。  

城山文庫の書棚から024『エリアリノベーション』馬場正尊 2016年 学芸出版社

大学の1期先輩、馬場さんは学生時代からAという建築雑誌を手掛け、博報堂に就職するも都市博中止を受け退社して大学に戻り、その後こだわりの住宅物件を集めたウェブサイト「東京R不動産」を立ち上げた人。ブルースタジオの大島芳彦(中学高校の同級生)と共に、リノベーションブームの火付け役のひとり。  本書ではエリアリノベーションとは何かを概説した後、彼自身の実績を含むいくつかの先進事例を紹介。長野市の善光寺門前、北九州市小倉・魚町、岡山市の問屋町など、リノベーションまちづくり界隈ではいず

城山文庫の書棚から022『リノベーションまちづくり』清水義次 2014年 学芸出版社

リノベーションまちづくり界のゴッドファーザー、別名ヨーダと呼ばれる清水義次さんは、アフタヌーンソサエティの代表として商業系のリサーチやマーケティングを手掛けていたが、青山の遊休地で自ら店舗を経営した経験を活かし、まちづくりの世界へダイブ。後輩たちから慕われ、常にこの業界を先導してきた先駆者だ。  本書では、リノベーションまちづくりとは何か、フィールドワークに基づくエリアマーケティング、まち再生のマネジメントを担う「現代版家守」について解説。公判では自ら関わった北九州市小倉家守

【狂犬の本音+】狂犬ブックセミナー(1)「自治体の財政診断入門」動画学習コンテンツ

地域や事業に関連して必要な学びを本から得ようということでスタートした狂犬ブックセミナー、初回から50名近くのお申し込みいただきまして開催いたしました。 第一弾は「自治体の財政診断入門」を書かれた鈴木文彦さんでした。 様々な自治体情報などをもとにして分析を行っていらっしゃるシンクタンクの方でもあり、もともと地方銀行から財務局への出向経験などから自治体財政についても様々なところで発信をされています。もともと近代から国家や地域経営において複式簿記など含めた会計制度は大変重要な役

有料
2,200

【狂犬ブックセミナー第1弾】地域の「稼ぐチカラ」の見抜き方〜入門編〜

本日は、約20年にわたって全国各地で経営とまちづくりに取組んでいる木下斉さんがまちづくりや地域事業、都市経営などに関連すると木下さんが独断と偏見で判断した書籍を毎回ピックアップし、著者の方などをお招きして学ぶオンラインセミナーにLDLアソシエイトとして参加いたしました。 第一弾は「自治体の財政診断入門」を書かれた鈴木文彦さんでした。昨年11月まで観光協会で勤めており、DMOの業務に携わらせていただいたにも関わらず、自治体の財政については見たこともありませんでした。そんなの知

『地域』を楽しみどう働くか 「おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる」に刺激を受けた話

「地域の面白いクリエイターさんやお店を紹介してもらえますか?」 雑誌の方や、地域クリエイターと協業をしていきたいというお店の方から、そんな質問をこの頃立て続けにいただいた。 もちろん面白いことをやっている方は何人も想像できて、あの人もこの人も紹介していたのだけど、「地域」というワードをきくとなんだか後ろめたさを感じることがあったりもする。 うちのお店がある場所は、いわゆる「問屋街」 倉庫が多くて、そこに住んでいる人がたくさんいるというわけじゃない。 そもそもお店の場所まで

グラフィックレコーディングに携わる人たちの凄さ 〜比喩・イメージ・言葉〜

グラフィッカー4人の舞台裏を大公開!|『描いて場をつくるグラフィック・レコーディング』刊行記念連続トーク vol.4 というオンラインイベントに参加しました。 今回は、グラフィックレコーディングに携わる登壇者の方から感じた凄みを中心に書いてみます。 グラフィックレコーディングに現れる感性オンラインイベントの流れ ・各登壇者の方が、自己紹介・実例を発表 ・他の登壇者からのコメント  ・随時質問 ①「感想」ではなく「ハーベストバック」グラフィックレコーディングに携わる方の「

グラフィックレコーディングイベントに参加して考えたこと!

グラフィックレコーディングとは 現在、進めているアートスクールの話内の場面や、地域活動でのいろんな人との関りをなどの中でどんな場を作っていければよいのかを考えています。その中で、ビジュアルで記憶するタイプの僕が注目した一つがにわかに注目が高まっている「グラフィックレコーディング」です。 グラフィックレコーディングとは、 『絵や文字を用いて、会議やワークショップなどの話し合いを可視化し、記録する手法。』です。 話し合いの「可視化」!! 上の画像は、グラレコ活動をされてい

サーキュラーエコノミーは日々を捉え直す 「メガネ」である

みなさん、昨年から僕がクリフトの「ザラキ!」ぐらいの頻度で唱えてる「サーキュラーエコノミー」をご存じでしょうか。大体の人が「また新しい横文字が出てきたなぁ」と思っているはずです。安心してください。ぼくも全く同じ気持ちです。 これは完全な主観ですが、世の中のトレンド的な横文字は、代理店やコンサルが新たな価値を見出すために持ち込んで普及させるイメージがあります。あってないような中間層の言葉の定義が、マジックワードとして機能を果たし、新たな市場価値を生んでお金を生む。 では、サ

読書メモ『神山進化論 人口減少を可能性に変えるまちづくり』

『神山進化論 人口減少を可能性に変えるまちづくり』(神田誠司著、学芸出版社、2018)は、朝日新聞の記者である著者が2016年から2年間かけて徳島県の神山町を取材し、その町おこしの取り組みをまとめたものだ。 徳島県の山間にある神山町は、人口5300人(2015)で高齢化率も48%に達するという、消滅可能性の高い自治体のひとつだ。 その一方で、2008年からの8年間にかけて、91世帯、161人もの人が移住した町でもある。 また、特にIT企業のサテライトオフィスが多くあるこ