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自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書(2016/11/18)/篠原信【読書ノート】

農林水産省10 大トピックス受賞の著者による科学的マネジメントの集大成
「ほっといても成果を上げる部下」を育てる
「教えない」育成塾!
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「指示待ち人間ばかり、自分の頭で考えて動かない」という嘆きの声をよく聞く。不思議なことに私の研究室には指示待ち人間は一人もいない。
パートの女性たちも他の研究室がうらやむほど優秀。9年連続で私のところに来た学生もことごとく自分の頭で考えて行動する。指示待ち、なんのこと?という感じ。たぶん私がテキパキ指示を出せない人間なので、そのうち周囲があきれて、自分の頭で考え出すからだろう。

私は自分のことさえ心もとなく、パートの方に「今日、お客さんじゃなかったですか?」と念を押されて思い出すこともしばしば。スケジュール管理まで進んでやってもらっている。実に助かる。周囲が指示待ち人間ばかりだ、とお嘆きの方は、おしなべて優秀な方ばかり。自分のことはもちろんきちんとできるし、スタッフや学生への指示も的確。文句なしに優秀。私なんて足元にも及ばない。なのに私の周りには自分の頭で考えるスタッフや学生ばかり。よくうらやましがられる。
なぜ優秀な人のところには指示待ち人間が多く、私のようなズボラで穴だらけの人間の周りに優秀なスタッフや学生ばかりが集まるのだろう?
これは非常に不思議なことだ。そのことをずっと考えてみた。

実は私のところに来たばかりの頃だと「指示待ち人間」候補と思われる人もいた。初めから指示を待つ姿勢なのだ。もし私がテキパキ指示を出していたら立派な指示待ち人間に育っていただろう。しかしどうしたわけか、自分の頭で考えて動く人間に必ず変わった。なんでだろう?
本書でその謎とノウハウを明らかにする。

【9分で解説】部下の育成方法:新任上司のための手引き(篠原信 / 著)
今回の解説は、自分の頭で考えて動く部下を育てる方法についてです。著者の篠原さんは京都大学卒業後、10年間学習塾を経営し、約100人の部下を指導してきた経験を持つ方です。部下育成は新任上司にとって重要なスキルです。

部下のタイプ
部下は大きく2つに分けられます。自発的に行動する部下と、指示通りにしか動かない保守的な部下です。この違いを理解することが大切です。

部下育成のポイント
本動画では、以下の4つのポイントを説明します。
Q&Aを通じて仕事を教える方法は誤り。
部下が成長したら、自分の仕事を振るのは適切でない。
教え方の基本ルールについて。
努力家に対しても無理な要求はしない。

Q&Aでの仕事指導は効果的でない
仕事を教える際、ただ答えを与えるのではなく、部下に考えさせることが重要です。部下に「なぜこの仕事が必要なのか」「どうやって達成するか」などを問いかけ、部下の考えを引き出しましょう。

部下ができたら自分の仕事を振るのは誤り
上司の役割は、部下に働いてもらうことではなく、戦略立案や組織運営などの全体的な仕事です。部下には局面的な仕事を任せ、役割を明確に分けましょう。

教え方の基本ルール

  • 教え方の基本は6つのステップにまとめることができます。

    1. Q&Aを通じて考えさせる。

    2. 自分が手本を示す。

    3. 本人に実際に行わせる。

    4. 注意を促す。

    5. 完了を確認する。

    6. ミスがあれば修正させる。

育成の過程
部下の育成は段階的です。初めは仕事を覚える時期から始め、その後はマスターを目指す段階に進みます。
この要点を押さえることで、新任上司でも部下の育成がスムーズに行えます。篠原さんのアドバイスを活用し、自分の頭で考えて行動する部下を育てましょう。


序章 三国志に学ぶ理想のリーダー像

  • 優秀な人が指示待ち人間をつくる

  • 一番の功績者は「食糧を送った者」

  • 兵士の膿(うみ)を吸い出した将軍

  • 山本五十六(いそろく)の名言には続きがある

第1章 いかにして「自発的部下醸成(じょうせい)方式」が生まれたか?

  • 「指示待ち人間」はなぜ生まれるのか?

  • 一度憶えたら二度と忘れない勉強法

  • 「教えない教え方」をやってみた

  • 「教えない」どころか意地悪してみた

  • 大学生やスタッフにも試してみた

第2章 上司の非常識な六訓

  • 一、部下ができたら楽になると思うなかれ

  • 二、上司は部下より無能で構わない

  • 三、威厳はなくて構わない

  • 四、部下に答えを教えるなかれ

  • 続・部下に答えを教えるなかれ

  • 五、部下のモチベーションを上げようとするなかれ

  • 六、部下を指示なしで動かす

第3章 上司の「戦術」とは何か?

  • 仕事の習得期間はどのくらい?

  • 教え方の基本「蔵・修・息・游(ぞうしゅうそくゆう)」とは?

  • 単純作業が確実に身に付く教え方

  • やっぱり・部下に答えを教えるなかれ

  • 「仕事の分解」は上司の仕事

  • メールの書き方は「往復運動」で身に付ける

  • 商談は客前ではなく裏でロープレ

  • 仕事のコツを部下に教えるなかれ

  • 数か月、数年をまたぐような長期の仕事の教え方

  • ソクラテスの産婆術(さんばじゅつ)で部下に仮説的思考が身に付く

  • 「自分がやったほうが早い病」を治す

  • 「わが子を千尋の谷に突き落とす」獅子は無用

第4章 配属1日目~3年目までの育て方

  • 最初の1か月は「憶える」ではなく「慣れ」

  • 上司は話ベタで構わない

  • 部下にやりたいことがあると思うなかれ

  • 朝のミーティングでは何をすると効果的か?

  • 新人の頃から身に付けたいある習慣

  • 休憩時間に、部下と何を話すべきか?

  • 上司がサボるために部下がいるのではない

  • 忙しすぎて教えられない時は、どうする?

  • 「職場にいた時間」ではなく「職場で何をしたか」

  • 残業してもらわざるを得ない時はどうしたらいいか?

  • 業務時間・残業に関するそもそもの考え方

  • 業務日誌の書き方

  • 退社前に確認すべきこと

  • もし上司との対話を嫌がる部下だったら

  • 部下から意見・質問が次々に飛び出す3つのアプローチ

  • 何を考えているか分からない部下は怖いですか?

  • 部下の機嫌を取る必要はない

  • 部下が報・連・相をしてこないなら

  • 3か月から1年後まで

  • 部下はなぜふてくされるのか?

  • ノルマを課さずに部下を動かす?

  • 部下をほめずに育てる

  • 「ほめる」と部下がつぶれる?

  • 1年後から3年後くらいまで

  • 西郷隆盛は部下に自分の運命すら委ねた

  • 部下を評価する4つの方法

    1. 給料を上げれば部下はやる気を出す?

    2. 新人をどう評価したらいい?

    3. 経験者、ベテランとの接し方

    4. 給与の額をどう設定するか問題

  • 部下を競争させずに動かす

  • 複数の部下とどう付き合えばいいか?

第5章 困った時の9の対応法

  • 「頑張るな」といたわられるから頑張れる

  • 〆切の考え方・伝え方

  • やる気のある部下でも常時フルパワーを期待するな

  • 部下を注意する時の基本的な考え方

  • 落ち込んだ部下を励ましたい時

  • 部下をじっくり育てている余裕がない場合

  • どうしても関係がうまくいかない場合

  • 部下に適性がない、と感じた時はどうするか?

  • 常に成長し続けることのできるコツ






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