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夜の帳に銀の星 ―🎬時空を超える活動寫眞🎦―

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2019年10月の記事一覧

なぜアニメ・漫画原作付き実写映画は、こうも嫌われるのか(後編)

なぜアニメ・漫画原作付き実写映画は、こうも嫌われるのか(後編)

前回は歴史的名作の闇(言い過ぎ)を見ていただきました。光あるところに影がある。まこと…いや、そんなわざわざ闇に忍ばなくてもいいから、好きな作品のメディアミックス作品くらい、笑顔になれるものが見たいんだぁ!と思うのがファンの心理です。なのに、悲劇はなぜ生まれるのでしょうか。今は大昔ほどの世間的な場の悪さもないというのに…。

この章を書き出した時に「ルパン三世・念力珍作戦 (1974年作品)」という

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人類の永久課題Joker

人類の永久課題Joker

溜まれば淀む。淀めば弾ける。

ジョーカーを見た。美しい絵作りと誰にでも理解できる解り易い構成、上質の演技と演出。お手頃R15指定で(中学生は見るべきでないとかいうイチャモンはありつつも)安心の良作。そしてこれをトランプ時代に合わせてくる確信犯。あるある的リアリティと、誰もが「あれは自分だ」と乗っかれる味付けも絶妙。これは売れそう。

とはいえだ。新しさはない。というか自分にはシェイクスピア的古典

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映画『ジョーカー』このジョークは誰にも理解出来ない。

映画『ジョーカー』このジョークは誰にも理解出来ない。

 『ジョーカー』の舞台である1981年のゴッサム・シティは、貧富の差の拡大により、貧困と暴力が溢れている設定の“架空都市”だ。しかし「主人公アーサーの生活拠点をサウス・ブロンクスで撮影することに決めた」という監督の発言からもわかる通り、そこには70年代後期~80年代前半のニューヨークの風景が重ねられている。その当時のサウス・ブロンクスは貧困の象徴であり、行政に見捨てられた地域だった。市民の怒りは1

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世紀の問題作『ジョーカー』を観た

世紀の問題作『ジョーカー』を観た

この122分間が、ただの「映画」であるとは、僕にはとても信じられなかった。

そして、同じだけ強く、これが「映画」であって欲しいと心から望んだ。

これこそが、「映画」であると確信した。

きっと、様々な論争が巻き起こるだろう。

もしかしたら、この映画の公開をきっかけに"悲劇"は加速してしまうかもしれない。

それでも、今作の製作陣は「映画」の可能性に懸けた。

次に問われるのは、僕たち観客であ

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「ホテル・ムンバイ」を観て2020年以降の東京を思う

「ホテル・ムンバイ」を観て2020年以降の東京を思う

映画館でアスやワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドを見ようかと思ったけどこの予告編に惹かれて鑑賞。

2008年に起きたインド ムンバイでの同時多発テロを、ムンバイの5つ星ホテル「タージマハル・ホテル」に務めるホテルマンを主人公に描写した実話を基にした映画。

戦争映画?と思うほど人がパキスタンのイスラム教過激派テロリストによって殺されていく。その様子は一昨年観たハクソー・リッジの戦闘シー

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