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心の雨に、空いっぱいの傘を差して

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その日、僕の心に鈍色の空が落ちてきた。 転んで膝小僧を擦りむいた時よりも痛く、 道端に財布を落とした時よりもつらく、 お気に入りの皿を割ってしまった時よりも悲しい、 胸にぽっかり…
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記事一覧

青春と続いていたあなたを、ずっと見つめ続けていた、谷村新司さん。

青春と続いていたあなたを、ずっと見つめ続けていた、谷村新司さん。

私には青春の思い出と結び付いた
「推し」という存在がない、
唯一、古今亭志ん朝さんを除いて
(下記投稿の最後に思い出を記しています)、

の、はずだった。

■真夜中の天才・秀才・バカそんな私が、
谷村新司さんの訃報に胸揺さぶられた。
       *
70年代に、この谷村新司さんと
バンバン(ばんばひろふみさん)がパーソナリティを
務めた「セイ!ヤング」という文化放送の
深夜放送があって、
「天

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『歩く花』

1985年 冬 21歳

1985年はディスコブームの最盛期だったが苦学生の私には別世界で

カローラを乗り回す同級生を横目に新聞配達のアルバイト

ただ、夕暮れを噛むような鬱屈とした暮らしではあったが

貧乏ながら平凡ながら丁寧な暮らしを心掛ける

生きる喜びのコツを掴み始めていた

12月22日、THE BIKEが渋谷屋根裏で解散した

THE BIKEは大学の友達のバイト先の先輩がやってるバ

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株式会社ビズリーチ 代表取締役社長 多田洋祐の訃報について

株式会社ビズリーチ 代表取締役社長 多田洋祐の訃報について

ビジョナル株式会社 代表取締役社長の南です。

去る7月2日、当社取締役であり、グループ会社の株式会社ビズリーチ 代表取締役社長を務める多田洋祐が、急性心不全により逝去いたしました。突然の訃報であり、従業員一同、今もまだ現実のこととして受け止めきれずにおります。ご不安や混乱を感じられている方々も多いと思います。この場をお借りして、私からご報告させていただきます。

併せて、日頃の多田さんの人柄や、

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その猫はまっ白で。

その猫はまっ白で。

どうにもかなしいお知らせになってしまいますが、猫くんが旅立ちました。

「亡くなった」というより「生き抜いた」という言葉がしっくりくる、それはそれは立派なさいごの日々でありました。

お医者さんの見立てでは数日と言われたところを一か月。

飲まず食わずでもしっかりと前を見すえ、ツンデレを貫き。

終わりの時は眠るように私の腕の中で
…と言いたいところですが
股の間で命を終えました。すまない、変なポ

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「死」について書く、ということ。

「死」について書く、ということ。

■人の死って、そんなに縁起の悪いものだろうか。
ユーモアやペーソスを拒絶する深刻なもので
なくてはならないのだろうか。

山田詠美さんは、正月七日の
「日本経済新聞」で、
「死」について書いたら
「コロナによる死者が出ている時に、
そんなもの読みたくない」とか、
「人の死を茶化すとは何事か」
などの少なくないクレームが付いた、
と語ったうえで、
このように疑問を投げかけている。

■文学畑の媒体で

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水木一郎さん死去

水木一郎さん死去

◉癌による闘病を公表されていらしたのですが、きっとアニキなら克服すると思っていたので、残念です。しょりゃあ自分らの世代は、物心ついたときにはもう水木一郎さんの歌を口付さんでいましたから、それはショックです。名前は知らなくても、歌は何十曲も知っていましたもん。74歳は、平均寿命が伸びた現代では、早いですよね。しかし、最後まで生涯現役にこだわり、亡くなる9日前にステージを務められたとは。まさに、最後ま

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仲本工事さん死去

仲本工事さん死去

◉報道が、当初は重傷だったのに、いつのまにか重体になり、しまいには意識不明の重体になったので、嫌な予感はしていたのですが。残念です。正直、志村けんさんが亡くなったことさえ、未だに実感がないのに。交通事故での、突然の死。急性硬膜下血腫、脳内で出血して脳を圧迫する感じで、格闘技や交通事故などでよく聞く症状ではありますが。村上もとか先生の『JIN』でも読んだ記憶が。

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高橋和希先生、人命救助中の事故だった

高橋和希先生、人命救助中の事故だった

◉最初、訃報を伝える情報がえらく細切れというか断片的だったので、なにか妙な感じはしていたのですが……。どうやら沖縄の海で、沖に流された少女を助けようとして、亡くなられたようです。少女はその後、無事に救助されたようですが、記事によれば「少女の心のケアを優先し、これまで発表を控えていた」とのこと。これは当然の配慮ですね。彼女の重荷にならないことを願います。そして、高橋先生の気高い行為に、本当に頭が下が

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アントニオ猪木さん死去

アントニオ猪木さん死去

◉昭和最後のカリスマが、ついに……。近年は、心臓の難病を抱えて、すっかり痩せてしまった姿を拝見して、いちファンとしては、辛かったのですが。ご本人はそれでも前向きに闘病されており、やはりその姿に猪木さんはすごいな、と。永遠のライバルであったジャイアント馬場さんは亡くなったのが1999年。力道山の直弟子ももう、片手の数ぐらいしか残っていませんね。

◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉

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六代目三遊亭円楽師匠死去

六代目三遊亭円楽師匠死去

◉ああ、ついに三遊亭円楽師匠が……。8月には復帰の講座を果たし、安心していたのですが。報道では、肺炎でという表記と肺癌でという表記が入り乱れているようですが、たぶん肺炎が悪化されたのでしょう。肺癌を患われていたので、軽い肺炎でも致命傷になってしまったのでしょうか。「歳を取るのも芸能の内」と言われる落語界にあって、72歳はまだまだ若いですね。近年は、肺癌や大腸癌に加えて脳梗塞と、闘病が続きましたが。

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喪失感ということばの意味。

喪失感ということばの意味。

悲しいというわけじゃ、ないんだろうな。

訃報に接して、涙が出るわけではなかった。悲しいとか悔しいとかの感情は不思議と湧き上がらない。むしろYouTubeでこの数年の闘病生活を見守ってきただけに「やっと解放されたんだな」と安堵する気持ちさえあった。さみしいけれど、おつかれさまでした。ありがとうございました。それが率直な気持ちだった。こんなにも悲しくない自分に、ちょっと驚いたくらいだ。

それでも、

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[訃報]宮沢章夫さん

 宮沢さんが亡くなった。直接の面識はないが、何度か接近した。彼はロッキングオンの読者で、岩谷さんの影響が強かったのだろう。僕が、ロッキングオンの時代を書いた時にこんな書評を書いてくれた。

岩谷宏プロジェクトを彼に伝えたかった。まだ65歳。若すぎる。

彼の最後のツィート。

ご冥福をお祈り致します。合掌。

サヨナライツカ/優しい人

サヨナライツカ/優しい人

私たちの結婚式は
『サヨナライツカ』に登場する詩を2人で読み上げるところから始まりました。もう10年以上も昔の事なので、なぜ選んだか思い出せなくなっていますが…
歳が離れているので
これから一緒に過ごす時間に限りがあることをどこか気にしていたのかもしれません。

2022年7月11日
夫は自分の命を生ききり
新たな旅に出かけました。

noteから生まれたご縁には
夫自身も夫が紡いだ言葉たちも

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虎斑の後悔と信州の夏空

虎斑の後悔と信州の夏空

信州の夏は清々しい。

私が生まれ育った場所は平地で海が近くて山が遠くて湿度がベタベタと高くて、夏がとにかく苦痛だった。清涼感を求めて信州に来たといっても過言ではない。
かつてエアコンなしでも快適だった風は、ここ数年で一気に猛暑と熱帯夜に替わって襲ってくるようになり、今ではエアコンに頼る夏の日々。
それでも、信州の空気と水はやっぱり爽やかで、山の緑と空の青と白い雲を眺めながら、季節の中で一番苦手な

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