とりあえず大企業に入ったけど、やりたいことがわからなすぎて病んだサラリーマン女子が、天職に出会い、世界中を旅しながら好きな事で生きられるようになるまで
やりたいことが、ほんっとにわからない
希望に満ち溢れていた。
入社してすぐに、ホットペッパーの企画営業に配属された。お店の“ウリ”をみつけて、お客様に届けるための記事やクーポンを練って書く、そんなマーケティングの仕事だった。面白くてのめり込むと、しっかり結果もついてきた。閑散とする小さな街の”おやじ系居酒屋”では、女性のお客様がクーポンを握りしめて数百人単位で訪れる事態になった。全国的にも表彰され、飲食店経営誌にも紹介された。
でもそんな幸せな時間は続かず、入社2年目マーケティング部署への異動を機に徐々に満たされなくなっていた。(このあと、13年続く会社員人生の中で、この仕事が一番幸せだった。)
新しい部署の先輩からは、こんな手紙をもらったりもした。
「自分は“コレ”と言えるものがあるからこそ、相手に意識を集中できる」
(by 元Gucciのクリエイティブディレクター トム・フォード)
ぞのちゃんも、今の私は“コレ”と言える生き方をしてね 。
しかし、その後も、結局仕事における「私はコレ!」がわからないまま、時間だけが過ぎた。
一方で、企画したサービスがどんどん世の中にリリースされていき、雑誌の取材を受けたり、全社で共有されるくらいの結果がでたりして、たびたび表彰を受けたりもした。
なのに、なぜかいつも虚しい。なんとなく、本当はもっとエネルギーがあるのに、出しどころがない感じ。自分の30%くらいしか使えていない不完全燃焼感があった。
本当の自分はこんなもんじゃない。とにかく普通のことがやりたくない。オフィスなのに短パンと厚底サンダルで働いていたり、全員初心者で“フルストレス”という名のバンドを組み、300人の前でライブをしたりもした。持て余したエネルギーは、仕事以外の場所で、全力でぶつけていた。
そんな晴れない気持ちを抱えたまま、人事異動の時期がきて、私の業務は一変した。個人作業の多い仕事で、細かい数字を積み上げたり、調整するような仕事だった。「この仕事、もっと得意な人がいるはず…」と思いながら、仕方なしにこなす仕事で、成果なんて出るはずもなく。見かねた上司が、飲み会の席で、何気なく投げかけた言葉が、私の胸に突き刺さる
「お前は、本当に、何の取り柄もないな」
「ここで花を咲かせられないなら、他のどこへ行っても同じだから」
今思えば、私に喝を入れたかったのかもしれない。期待の現れだったのかもしれない。だけど、その言葉そのままを受け取ってしまった。落ち込むところまで落ち込んだ。
休日は2日とも家でぼーっとして過ごし、気づくと日曜の夜になっているような月日を繰り返した。
私は一体、何のために生きて、何のために働くんだろう。
しんどいよ。
転職しても「やりたいことがわからない」
リクルートの仕事の中でも、ブランディングやプロモーションにまつわる仕事は、特に面白く感じていた。この分野を極めていけば、何かが変わるかもしれないと思い、トヨタ自動車の宣伝部に転職を決めた。
そこでは、会社の看板なくしては出会えなかった、一流クリエイターや選りすぐりの代理店営業マンに囲まれる、華やかな世界が広がっていた。高級車種のブランドプロデュースやプロモーションが私の仕事だった。CMやモーターショーなどのイベント企画、新しいサービスの検討は、本当に面白かった。
国内のトップから大きな会議の場で「こういう仕事ができる人材は、宣伝部に何人いるんだ!?」と言ってもらえるくらい、賞賛された。
でもやっぱり、私の心は満たされなかった。
もっと使える筋肉があるのに…なぜだか生きがいが感じられない。歯がゆさは募るばかりだった。
もっと、自分の持ってるエネルギーをフルに使いきって、表現するように生きていたい。こんな不完全燃焼の気持ちを抱えまま働くなんて、自分の命を無下に扱っているようなものだ。
そんな中で決定打となったのが、定年退職される方のご挨拶だった。
「これでやっと、自分の好きなように生きられる」
この言葉は、心のど真ん中に響きわたった。
「私は、私の好きなように生きているのだろうか?」
転職をしたのにもかかわらず、その答えはまたしてもNOだった。
滝のような涙で本音が溢れる
私の人生、こんなはずじゃない。そんなことを思い続けていたある日、急に別人のように輝き出した旦那を見ながら、“コーチング”というものに興味を持ち始めた。どうやら、人の可能性が開花していく自己対話のスキルらしい。どうせ受けるならプロのレベルまで学ぼうと思った。
ある日、プロコーチ養成講座の中で、10分くらいのデモコーチングを受ける機会があった。
「なんか、すっごく言いたいことを押さえてるように見えるけど(コーチ)」
「…はい。(わたし)」
「本当はさ、どんな風に生きたいの?(コーチ)」
「どんな風にって…そりゃもっと自由に生きたい、けど、それじゃ食べていけないし、会社にいるメリットもあって…つらつらつら。(わたし)」
「史奈ちゃん、あなたがもってるエネルギーはとーーっても大きいの!!!そのエネルギーをこんなにも押し殺して生きてるなんて、おかしいと思わない?その命の使い方は、宇宙の損失だよ!!!」
コーチのあまりの迫力に、これまで溜め込んでいた本音が溢れ出し、滝のように泣いた。
「ううう。。。。(嗚咽)」
「エネルギーの出しどころがない。どこで生きていけばいいのかわからない、誰にもわかってもらえない。。。」
「物分かりがいいフリをするのはもう嫌だ」
「言いたいことを、自由に言いたい」
「もっと自由に生きたい…(号泣)」
そうか、、私はこんなに自分の声を聴いてあげられてなかったんだなと思った。私が渇望していたのは「自分のままを、自由に表現して生きる」であることがわかった。 ならば、それを叶えてあげようと思った。
存在意義に気づき、天職に出会う
はじめての一人旅をすることにした。浄化の旅と名付けて、まず疲れた心を癒す旅をするためハワイの離島に飛んだ。ちょうどコーチングの資格がとれたところだったので、旅をしながらコーチングをすることにした。
すると、深い悩みや葛藤で足踏みしていたクライアントが続々と変容していった。先が見えないなか、足元もおぼつかないのに、望んでいる世界に向けて、勇気を振り絞りながら、進もうとしている姿に触れると、私はものすごいエネルギーを発することに気がついた。
「大丈夫、できる!!!やろう!!!」
と高鳴る気持ちを伝えたり、くじけそうになっているクライアントがいると
「あきらめるな!やると決めた時の気持ちはその程度だったのか!」
と、修造ばりに熱い自分を発見した。 意図してこうなっているわけでなく、心の奥に何か強烈な響きが起きて、自然と熱血モードに切り替わるのだ。
クライアントからは、「史奈さんに関わってもらったおかげで、人生がぐっと前に進んだ。」「みえる景色がガラリと変わった。」「あのとき、諦めるな!と喝を入れてくれたから乗り越えられた。」というメッセージが次々に届く。
このとき、私は天職に出会ったんだと思った。
人が何かにチャレンジしようとしたとき、くじけそうになった時に、心の底から応援したいと思った人に、「できる!」と伴走する時こそ、私が私らしくいられる瞬間なんだと知った。
好きなことで生計が立つ、初体験
旅のテーマは、「自分のままを、自由に表現して生きる」。世界最高峰の路上パフォーマーの街、オーストラリアのメルボルンに向かった。ヒーリングヨガ用に買ったばかりのインドの楽器を担いで、とりあえず路上に出た。
全くの素人である私は、何が何だかわからないまま、とりあえず有名そうな洋楽を5時間ほど歌うも、1日で数百円程度の小銭しか投げられなかった。ある日、重要なことに気が付いた。せっかく、自分のままを自由に表現しにきたのに、またマーケティングの仕事みたいになっていたこと。目の前を通る人が好きそうな曲を選んで歌い、自分自身が楽しむことをすっかり置き去りにしていたのだ。
そこで思い立った。これまで満たされなかった鬱々とした気持ちを、大好きな中森明菜を通じて表現してみよう!!インドの楽器を駆使して(笑)。色々つっこみどころ満載だけど、とりあえずやってみた。 外国人からすると、日本語はわからないだろうし、曲自体も知らないだろう。 にも関わらず、「いい加減にして〜!」や「イライラするわ〜!!」の決めゼリフでは、子供たちが大はしゃぎだった。
喜ぶ子供たちをみた親が「アメージング!!ビューティフル!!!」といって投げ銭箱に「チャリンチャリン」チップを入れる。子供って、好きなものはエンドレス。これがずーーーっと続いてものすごい稼いだw。
まさか、海外の子供に、”明菜シャウト”がウケて、親が投げ銭を入れるなんて。そんなこと、誰が想像しただろう。
中にはお手紙やお守り、差し入れまで入れてくれる人が出てきて、気づいたら常に10人以上が立ち止まって聴いてくれるようになった。気づけば時給7000円の人気路上パフォーマーになっていた。「好きなことって、世界を舞台にすれば、いくらでも仕事になるんだ」と思った。
「助けて」が言えれば、誰も私をひとりにしない
メルボルンで自信をつけた私は、引き続き、遠隔でコーチングをしながら、他の国でも旅を続けた。 一人海外は、初チャレンジだったこともあり、たくさんのトラブルに遭遇した。旅に出て早々に財布をなくしたり、山道で捻挫して宿に戻れなくなったり、転んで歯が折れてしまい頰がちぎれそうな痛みを患った時もあった。
いつもの私なら、なるべく人に頼らず、なんとか1人で解決しようとするタイプ。でも、ここは海外で、言葉も通じないし、土地勘もない。何より外国の医療を受けるなんて怖すぎて、どうにもこうにもならない不安がこみ上げた。
どうしようもなかったから、勇気を出して、近くにいた外国人に助けてほしいと訴えかけたり、日本にいる仲間にもSNSで「助けて。」と投稿した。すると、みんな、驚くほど優しかった。外国人は、私の発するおぼろげな英語を汲み取りながら一生懸命に助けてくれたし、SNSの向こうからは、日本の仲間たちが、知識や経験をありったけシェアしてくれた。仲間の存在や、助けてくれた人たちがなければ、この旅は続けられなかったと思う。
これらの旅中のエピソードは、毎日SNSに投稿していた。心の内側を赤裸々に語る中で、苦戦しながらも「自分を生きる」というテーマに向かって果敢に挑む姿、人生観などに共感した人たちから応援メッセージが入るようになった。そしてコーチング依頼や人生相談もグッと増えた。旅から戻ると、その勢いは加速。気付くと、朝から晩までコーチング漬けになるくらい人気のコーチになっていた。
コーチの限界にぶち当たる
コーチングのクライアントがのべ100名を超えた頃、私は新たな壁にぶつかった。
それは
「やりたいことが見つかった。でもそれで食べていけないじゃん…」
というクライアントからの絶望の声だった。
コーチは、コンサルじゃない。本音を引き出すことはできても、教えることはできなかった。そうこうしているうちに、クライアントが次々と諦めようとする。今できる小さい範囲で、まとまろうとする。この光景が、本当に見ていられなかった。せっかく、何ヶ月もかけて、心癖の課題に向き合って、やっとこさ見えた小さな希望の光だったのに…その光に触れた時には、涙を流して「やりたい…」と言っていたのに。
その後、完了セッションを迎えたクライアントのある言葉が、胸に鋭く突き刺さった。
「自分の本音なんて知らなければよかった。
知らなかった方が楽だった」
私は、唇を噛み締めて泣いた。
コーチの限界を突きつけられた。 悔しくて悔しくてたまらなかった私は、クライアントがやりたいと言っていたことを仕事にして、生計をたてていそうな人を徹底的に調べた。
すると、個人でもマーケティングとブランディングを上手に活用していた。マーケティングやブランディングの仕事は、会社員時代で幕を閉じたと思っていたのに、まさかここにきて、必要な要素として出てくるなんて驚きだった。
調べていくうちに、願いを見つけるコーチングのスキルと、ブランディングやマーケティングのスキルを掛け合わせたら、好きを仕事に変えることができることを確信した。 その後、すぐに講座内容つくり募集すると1日で20人の申し込みが入る。
講座前に一人一人対話をすると、一連のストーリーに共感してくれた人ばかりだった。私からスキルや知恵を”もらおう”とするのではなく、”共に創ろう”、”与え合おう”の精神をもつ人たちに恵まれた。そんな、お客様なのに仲間みたいな人達と講座を進める中で、とても面白いことが起きた。
それは、当初、仕事にしようと思っていたことと、全然ちがう仕事が次々に生まれるということだ。おそらく自分の願いを深く探求したからこそ見えた「本質的で世界に1つしかない特別な仕事」なのだと思う。 このように、コーチングとブランディングを通じて、本当にやりたいことを仕事に育てることをサポートしている。
これから創りたい世界
私が創りたい世界は、「自己表現のパリコレ」です。
見たことのない圧巻のメイクに、一体どうなってるの!?と目を疑うような面白い形をしたカラフルなお洋服。颯爽と歩くモデルさんから伝わってくるのは、制限のない自由、圧倒的な個性、唯一無二の存在感なんです。
私は、このパリコレのエネルギーを、日常に置き換えたいのです。 野外フェスや旅行の特別なシーンだから、私を表現できる私になるのではなくて 日常から、自分という存在を全身で表現して生きる生き方を増やしていきたい。 すると、この世界は、もっとカラフルで、面白くて、ワクワクに満ちた人で溢れかえると思うんです。
少し前に世界を旅して回った時、「コレが自分!」を全身で表現して生きている人に、たくさん出会いました。どの人も、一見、近寄って大丈夫かな?と思ってしまう“変な人”でした。彼らは、人から「え!? これは仕事なの!?」と言われるようなことを、心を込めてやっていて、熱狂的なファンを抱えていたりします。そして何より、ものすごく幸せそうに生きていました。
働いてる時に、こんなに幸せそうな顔してる人を、私は見たことがありませんでした。 そんな生き方を、私は心からカッコいいと思っています。 かっこいい人って、唯一無二なんです。誰がなんと言おうと”自分”を貫いて生きてる人。それがたとえ、世の中の常識や多数派の意見と違ったとしても、そんなの関係ないとキッパリ言える生き方をしています。中には、表現が突出していたり、華やかに見える人もいれば、静かに淡々と表現して生きている人だっている。見え方こそ、人それぞれ違うけれど、根っこに共通してるのは「願いを持って生きてる」ということだと思います。
だから私は、「願いから仕事をつくって輝いて生きる人」を1人でも多く、この世の中に増やしていきたいです。
さいごに
モヤモヤを抱えながら頑張るあなたへ、メッセージを贈ります。
私たちは一人一人に ちがう色・ちがう形をした
素晴らしい価値がある
会社の看板があろうがなかろうが
誰に何と言われても その価値は変わらない
あなたは、物わかりのいい“大勢の1人”じゃない
本当は好きじゃないって気づいてるなら
これ以上自分をごまかさないで
あなたの心がよろこぶ仕事は
あなたの手でつくれる。
一緒につくろう。つくれるから。
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最後までお読みいただきありがとうございました!
命がきらめく、唯一無二の仕事を。
ライフコーチ/ブランドプロデューサー
大薗史奈
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