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アジア訪問記

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アジア訪問記まとめ。中央~南アジア中心です。
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カリマンタン島散策記

カリマンタン島散策記

 令和の夏はお盆と同タイミングで台風が日本列島を直撃するという進路予想を聞いてうんざりした僕は、慌てて海外逃避行を計画するも、お盆と重なりどこも海外へのフライトチケットが高い中で、友人がフィリピンの格安航空券を見つけ、フィリピンへと向かったことを知り、僕と別の友人は後を追う。マニラでは友人と合流しカジノへ行き、一文無しになる友人を横目に大勝ちをし、勝ったお金を握りしめ、ひとりカリマンタン島へ向かっ

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ガルニで見た究極の柱状節理

ガルニで見た究極の柱状節理

 柱状節理という言葉をご存じだろうか。知っている方は高校時代に地理あるいは地学を学んでいた方だろう。もしそうでなければ、かなりの物知りだ。

 柱状節理とは、岩体に発達した規則性のある柱状の節理のことを言う。六角柱状のものが多いが、五角柱状や四角柱状のものもある。

 日本でも関東では日光や東尋坊でもその姿を見られる。僕がみた過去一番素晴らしいと思った柱状節理は佐賀・唐津の七ツ釜だった。どでかい柱

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旧ソ遺構・マンガン鉱山の街

旧ソ遺構・マンガン鉱山の街

 ジョージアを友人と一緒に回っていた時の話。我々の目的地は、ジョージアにおいてはツカルトゥボとチアトゥラ。どちらも旧ソ連の遺構物のある街だ。そんな辺境とも偏狂ともいえるような場所を目的地としていたのだが、どちらも大変満足であった。一つ目のツカルトゥボは先日noteにまとめたため、忘れないうちにもう一つのチアトゥラについてもnoteにまとめる。

チアトゥラ入口。「Mn」はマンガンの元素記号

 旅

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美しき廃墟の温泉リゾート

美しき廃墟の温泉リゾート

 ジョージアの廃墟の温泉リゾートの街・ツカルトゥボに着いて、僕と友人が頻発していたキーワードは「犬とおじさん」だった。

 「犬」について。ツカルトゥボの街には犬が非常に多いのだが、彼らはすべからく大型犬である。そんな犬の話のうち、まずは野良犬の話。痩せて毛並みもあまりよろしくない彼らは極度の人間慣れをしている。街を歩いていると、一匹の野良犬が駆け寄り、歩く先々をぴったり真横に着いてきたことがあっ

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カスピ海のごちそう

カスピ海のごちそう

 イラン北部、カスピ海にほど近い都会の街ラシュトを旅していた時の話。

 この地へ来た目的は三つだ。一つ目、アシュバルという魚卵の珍味を見つけ、食べること。二つ目、チョウザメの身を見つけること。そして三つ目、酒を見つけること。

 ノンフィクション作家で翻訳家の高野秀行氏の本「イスラム飲酒紀行」によると、イラン北部の街ラシュトでは、マーヒーセフィード(白魚)という魚の卵を塩漬けにして発酵させたアシ

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パミール高原・ワハーン回廊

パミール高原・ワハーン回廊

 一週間の滞在で、一生分の絶景を見たと言っても誇張表現にならないくらい、タジキスタンの辺境には美しい景色が広がっていた。

 中央アジアの中でも、日本から物理的に行きにくい辺境がタジキスタンのパミール高原とワハーン回廊である。特に、ワハーン回廊はそこへ向かう公共交通手段がないこと、ならびに日数上の制約から訪問を敬遠する旅人もいるくらいの辺境の地である(旅程は最後に記載)。

パミール高原 パミール

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風吹く丘、千年動く伝統の風車

風吹く丘、千年動く伝統の風車

 イラン北東部の村、ナシュティファ―ン。

 イラン第二の都市にしてシーア派の一大聖地・マシュハドから直線距離にして南に約250km。さらに東に約30km進めばアフガニスタン国境にぶつかる、イランの最果ての地にある人口7,000人程度の村である。

テヘランからナシュティファーンへ さて、僕はしばらくイランを旅している。北に接するトルクメニスタンから陸路で入国し、前述のマシュハドから主要都市及び辺

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ザグロス山脈でピクニック

ザグロス山脈でピクニック

 イランのザグロス山脈にはサルアガセイエッド(Sar Agah Sayed)という辺境の村があるらしい。そこは「世界の半分」エスファハーンから西に約300km、ザグロス山脈の谷にあり、山に沿って家が何層にも折り重なり連なっている集落に、春~秋の間だけ麓町から人が移り住んで放牧生活を営んでいるらしい。そんな情報を知り、景色見たさに訪れることとした。

 僕がその地に向かおうとしたのは金曜日。エスファ

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トルクメニスタンを通過して

トルクメニスタンを通過して

中央アジアの北朝鮮 世界に「〇〇(大陸・地域)の北朝鮮」と呼ばれる国がいくつかある。いわゆる圧政の君主独裁国家だ。
 中央アジアの北朝鮮は、タイトルにあるトルクメニスタンである。では南米の北朝鮮はどこだろうか?ヨーロッパは?アフリカは?この記事の一番最後に具体的国名を列挙していくので、頭の体操ということで想像しながら読んで頂きたい。あえて書いたが、一党独裁国家ではなく、君主(大統領・国王など)独裁

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ラダック地方の青空を求めて

ラダック地方の青空を求めて

令和元年の9月初旬にインドのジャンムー・カシミール州ラダック地方を訪問。チベット仏教が生きる場所、空がずば抜けて青い地。

ラダックとチベット仏教ラダック地方は、インドのカシミール地方の東部に位置し、チベット文化がいまだに生きている地域である。チベットといえば中国のチベット自治区、ネパール、ブータン等のイメージがあると思うが、特に中国と比べると、1958年~61年までに起きた大躍進政策や、文化大革

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カシミール紛争地・スリナガル

カシミール紛争地・スリナガル

インド北部のジャンムー・カシミール州は、名前の通りカシミール問題で現在も国境のパキスタンと領有問題で揉めている地域である。州都が2つあり、夏はスリナガル、冬はジャンムーである。その中でもスリナガルは現地人をして「いくな」と言われている街であり、僕が9月13日に訪れた場所である。

2019年8月15日以降、外国人がスリナガルへ陸路で行く方法が絶たれた。したがって、空路でトランジットで向かう事となっ

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カラコルムハイウェイ

カラコルムハイウェイ

平穏な旅をしているのですが、中国では各種SNSが使えないため、既に一部の友人から安否確認が入ってました(なぜかFBメッセンジャーは届き、一方的に閲覧可能)。取り急ぎnoteにて無事である事をお知らせします。

カシミール地方のスリナガルを発ち、シク教の聖地アムリトサル 、印パ国境ワガボーダーを経てパキスタン入国、ラホール 、イスラマバード、フンザ、カラコルムハイウェイを経て新疆ウイグル自治区のタシ

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中国辺境の公安(出国手続き)

中国辺境の公安(出国手続き)

パキスタン→中国国境の世界一の標高を誇るカラコルムハイウェイ(最高地4,700m)の中国国境での入国手続きのうち、個人的な持ち物検査はサクッと越えたはずが、新疆ウイグル自治区のカシュガルからキルギスへ抜ける国境で、持ち物検査にだいぶ手間をかけてしまったので、やり取り含めて残すことにした。

この日の行程は、朝4時半(北京時間)中国のカシュガル出発、夜20時半キルギスはサリタシュ着。直線距離約200

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未来都市・ヌルスルタン

未来都市・ヌルスルタン

 日本の建築家、故・黒川紀章氏が都市デザインに携わったカザフスタンの首都ヌルスルタン(旧アスタナ。2019年3月に突然、前大統領の名前が都市につけられた)。1997年にカザフスタン南東部のアルマトイから遷都されてからこの地の都市が作られることとなる(黒川紀章建築都市設計事務所HP)。

 改めて都市中心部の約5kmのエリアにおける目立つ建物を写真に収めてみた。とてもユニークな形の建物ばかりであるの

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