最果ての地のガールズバーに待ち受けているものとは!?
最果ての地のガールズバーに待ち受けているものとは!?
「米原のヤンキーたちに、資金力と教養の違いを見せつけてやろうぜ」
そう語る高端の顔は、とても頼もしく見えた。
正午に米原駅に降り立った我々編集部は、琵琶湖クルーズを楽しんだあと、日本酒を舐めながら名産の鱒料理に舌鼓を打った。
名所、郷土料理、地酒に満足した我々が次に求めるべくは、地元の人々との交流である。
しかし、飲み屋で見ず知らずの人間に話しかけるような陽気さは、誰一人として持ち合わせていない。金の力で解決する他ないだろう。
こうして我々は、長浜のガールズバーへの潜入を試みるのであった。
となると真っ先に気にするべきは、店の質だ。
東京に比べ格段に競争の少ない地方であることは間違いない。
それゆえ、とんでもなくレベルの低い店がまかり通っている恐れがある。
もっと極端に言えば、地元のヤンキーが経営し、地元のヤンキーが嬢として働き、地元のヤンキーが客となる、いわばローカル完結型の閉鎖空間、隔絶された村(ヤンキー)社会を形成しているのではないか。
いわば、この世の地獄である。
なによりヤンキーを恐れる我々は、まずは情報収集に勤しむことにした。
「TikTokインストールしたよ」
出勤予定の女の子の情報を得るために、己のプライドを捨てて貪欲になる四ツ谷。遡ること数時間前「TikTokはお猿さんのおもちゃ」と言ってのけていた彼だが……。
いやはや、すばらしいルポ精神だ(それともガールズバー欲か)。
だが、悲しきアラサーはSNSに対応しきれない。結局TikTokを使いこなせなかった四ツ谷は、ぶつくさと呪詛の言葉を吐きながら、ものの2分でアプリをアンインストールしてしまった。
おかげで、一抹の不安を解消しきれないまま、目星をつけた店にむかうはめになったのである。
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