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緑の風に吹かれて【日常エッセイ】

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自由気ままに書いたココロのエッセイです。
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2018年12月の記事一覧

幸せなハウルの朝食。

幸せなハウルの朝食。

今朝のこと、台所から「ジュージュー」と何かを焼く音がしていた。

少し遅く起きた私は部屋のカーテンを開けた。外は青空がとても気持ちいい。何かがはじまりそうな朝だ。

まだ少しぼんやりとした頭で「おはよう・・」とドアを開けると「おはよう!」と息子と奥さんが元気よく答えた。

台所で朝食を作っていた彼女がこう言った。

「さぁ、みんな、今日はハウルの朝食だよ!カルシファー、皿を用意するんだ!」

「は

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人の両想いの確率。

「人の両想いの確率は、100人いても1000人いても1組になる」

そう言ったのはうちの息子だ。大学生の彼は数学科の勉強をしている。しかも確率を中心に勉学に励んでるらしい。年末で帰省している彼は、うちの奥さんと何かの拍子にそんな話をしていた。

それを隣の部屋でぼんやりと聞いてた私はすぐに疑問に思った。

「いや、それっておかしいよ。人数が増えれば確率も増えるんじゃないか?」と息子に聞いた。

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ゆーくんが帰ってきた。

ゆーくんが帰ってきた。

ゆーくんが帰ってきた。彼は今、大学生だ。私のエッセイの中で登場する彼は、ほとんどが小学生の頃だ。なぜなら彼が中学になってからは、私はずっと単身赴任をしていたからだ。

私は転勤が多いので、あっちにふらふら、こっちにふらふらしていた。家族に会いに帰るのも仕事の都合と金の都合で、たまにだった。帰っても翌日かそこらで戻ってしまうという感じだった。

今、気づいたのだが、まさしくフーテンの寅さんじゃないか

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仕事だけどハッピークリスマス!

仕事だけどハッピークリスマス!

メリークリスマス!ってはしゃぎたいけど
サービス業の私は今が一番忙しい!なんてことだっ!

だから今までクリスマスをちゃんと楽しんだことがなくて。このnoteに出会ってはじめてのクリスマス。noteのおかけでたくさんの友達に(私の一方的な想いですが。)ココで会えた!

せめてnoteでクリスマスを楽しみたい!

みんなー!ハッピークリスマス!!ありがとう!感謝です!私は仕事に行かなきゃだけど、それ

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ワインと彼女の休日と。

ワインと彼女の休日と。

奥さんと私は同じサービス業でも職場が違うので、休みも合わないことが多い。彼女はペーパードライバーなので、私と休みを合わせたほうが、本当は車で買い物が出来たりと便利なのだけど。

彼女のパート先に休み希望を出せば、私の休みと合わせることが出来るはずなのに、彼女は決してそんなことはしない。

仕事先に迷惑をかけたくないからと言う。そんなまじめなところが、私は気に入っているわけだけど。いや、そんなことは

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ブラックサンタがいた!

昔、わが家では「ブラックサンタ」がいることになっていた。

ブラックサンタとは、悪い子の家に忍び込み財布の中からお金を抜き取り、空になったその財布(または貯金箱)を枕元において逃げてゆくというもの。

これはあまりにも子供たち(当時、中学生の息子と高校生の娘)が高額なプレゼントを要求するので、私が勝手に作ったもの。(よく考えたら、単なる泥棒ですね。ブラックサンタは。)

もちろん、家族で笑うような

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月の女性とその魔法と。

月の女性とその魔法と。

闇しかないような夜空に、美しい月が浮かんでいた。そのあまりの美しさに、白くため息が小さく漏れた。

ふと、ケイタイのカメラであの月を撮りたいと思った。

けれども画面越しに月を探してもなかなか見つからない。やっと見つけたと思ったら、小さな点にしか見えない。まるで月は少女のように、イタズラでもしているみたいだ。クスクスと笑いながら隠れては、また、こっちを見ているような。

あきらめて、ケイタイをポケ

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ふたご座流星群と彼女。

昨夜、部屋でnoteを書いていたら、トントンとドアを叩く音が。ドアを開けると奥さんが一言。「星が見えるかもしれない」と言った。

何のことだろう?と思ったら、どうやら「ふたご座流星群」が見えるらしいとのことだった。窓を開けてベランダに出る。気づかなかったけど、夜空はとても晴れていて、星がよく見える。ここは明かりの多い街から離れているので星空がきれいだ。

二人でぼんやりと夜空を眺める。外は思いのほ

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ひとり遊びと音のない記憶。

仕事が終わって、トボトボと歩く。駅のホームでぼんやりとする。結構待ち時間があることに気づく。昔はちょっとした時間つぶしには、薄い文庫本を1冊用意して、何気なく立ち読みしていたけれど、この頃は、それさえも疲れるような感じがして、ただ、ぼんやりと、駅の雑踏を眺めていることが多くなった。

頭が何かを考えたくない。仕事でずうっと考えていたものだから、せめてこんな時くらいひと休みしたいのだと思う。でも、頭

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何か口ずさむ歌。

何か口ずさむ歌。

さっき、ふと、思い出したこと。

まだ、父が元気だった頃、定年退職をして、家でのんびりしていた頃。
それまでわりと頑固だった父が、いきなり私にこんなことを聞いた。

「何か口ずさむいい歌はないかなぁ?」

・・・なんなんだそれは?

私が不思議に思っていると
父は勝手に自分で話を進める。

「とても気分のいいときに、気軽に口ずさむ歌はないかな~。あぁ、そうだ。サザエさんの歌がいい。♪お魚くわえてど

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