らんま

ふつふつと思うことをしょぼしょぼと言葉にしてみる。

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    僕に見えているものなんて、君にとってはほんの一部にすぎない。

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フクロウとカラス

それは、ある風が強い日のこと。 「寒さと暖かさが仕事を交代するとき、いつも嵐が仲裁しにくる。二人は仲が悪いのだな。」 「今年は一段と派手にやってやがるな。」 私が…

らんま
4年前
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たった1つの判断基準の話

舞台に立つ人間の使命が 観客を夢の世界へ誘うこと だとしたら それを支える舞台を作る人間の使命は 舞台に立つ人間を夢の世界へ誘うこと 思うに世の中には 絶対服従しな…

らんま
3年前
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1ヶ月って思ってたより長い

カタカタカタカタカタ… 20××年2月14日_ 今日もいつもと何ら変化のない平日だ。 …俺にとっては。 そう、ただの平日! 客観的に見てモテなさそうで、実際モテないた…

らんま
3年前
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風呂掃除の話?

ちょうど一年くらい前に、家族で北海道へ行った。 母と私と弟の小さな家族(身長の話?)の 2泊3日の小さな旅行だった。 生活はしたことないが、ゆかりのある土地。 高校…

らんま
3年前
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Repainted.

少し前に書いたブログより。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 最近出会った美大出身の友人が言ってたけど、 絵は手を加えるほど、深みや魅力が増すんだ…

らんま
3年前
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住めば都 1

どうやら、“うち”は管理の行き届いていないボロアパートか何かだと思われているらしい。 それも、管理人が、横暴で常に何かに怒っている人、のような。 でも、“うち”…

らんま
3年前

フクロウとサル

昼間がだいぶ暖かくなってきた。 太陽さんも、そろそろ仕事に力を入れてきたらしい。 でも太陽さんが顔を隠すと、まだ冷える。 私がいつもお月さんと話をしている場所に、…

らんま
4年前
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フクロウとネコは出会う

今日はくっきり三日月だ。お月さんはいつもおしゃれだな。 と思っていたら、急に雲が増えてきた。 そこに、黒猫の少年が木を登ってきた。 ひどく息を切らしている。 「…

らんま
4年前
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フクロウとオオルリ

雨雲さん、張り切ってるなあ。 なんて思っているうちに、雷さまも仕事を始めたらしい。 今日はおとなしく、基地にこもっておこう。 まもなくして、雷さまが大きな稲妻をひ…

らんま
4年前
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フクロウとミツバチ

「今日は元気そうだな、お月さんや。」 春の嵐は仕事を終えたらしい。久しぶりに静かな夜だ。 「あなたは毎日ここでお月さまとお話しされてるの?」 私の隣に、小さなミツ…

らんま
4年前
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フクロウとイヌ

すっかり桜の木が衣替えをしたらしい。 こういう清々しい日は、木漏れ日にあたり、公園でいろんな声や音を聞きながら寝るのが心地いい。 なんとなくだが、お天道さんに寝顔…

らんま
4年前
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フクロウとカラス

フクロウとカラス

それは、ある風が強い日のこと。
「寒さと暖かさが仕事を交代するとき、いつも嵐が仲裁しにくる。二人は仲が悪いのだな。」

「今年は一段と派手にやってやがるな。」
私が留まっている枝より一つ上に、カラスがやってきた。

「人間が静かだから、そう感じるのかもなあ。どうした、カラスがこんな田舎に、珍しいじゃないか。」
「やあ、フクロウのじいさん。あんまり街が静かだからな。いったい、なんだってんだ?太陽が沈

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たった1つの判断基準の話

舞台に立つ人間の使命が
観客を夢の世界へ誘うこと
だとしたら

それを支える舞台を作る人間の使命は
舞台に立つ人間を夢の世界へ誘うこと

思うに世の中には
絶対服従しなきゃいけないものがある

例えば
かわいい(某ドラマでガッキーが言ってた)とか
愛(某バンドが歌の中で言ってた)とか
生きること(医療従事者の皆様ありがとうございます)とか

あと
いい舞台 とか

その定義が難しいものを前にして

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1ヶ月って思ってたより長い

1ヶ月って思ってたより長い

カタカタカタカタカタ…

20××年2月14日_

今日もいつもと何ら変化のない平日だ。

…俺にとっては。

そう、ただの平日!

客観的に見てモテなさそうで、実際モテないただのサラリーマンにとって、

お菓子会社がチョコレート市場を盛り上げるために作った乙女向けイベント
※諸説あります(?)

に過ぎない。

クリスマスもおひとり様として有意義に過ごした俺には全く縁遠いイベントだ。

つまり、

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風呂掃除の話?

風呂掃除の話?

ちょうど一年くらい前に、家族で北海道へ行った。
母と私と弟の小さな家族(身長の話?)の
2泊3日の小さな旅行だった。

生活はしたことないが、ゆかりのある土地。
高校の修学旅行以来に上陸した。
めちゃくちゃ幼い頃に行ったことがあるらしいけど、
全くと言っていいほど記憶はない。

11月。
当たり前に地元より寒かったが、
天気が良く、十分過ごしやすかった。
見ての通り、写真を加工する必要がないくらい

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Repainted.

Repainted.

少し前に書いたブログより。

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最近出会った美大出身の友人が言ってたけど、

絵は手を加えるほど、深みや魅力が増すんだとか。

私が最近向き合ってるクラシックバレエやなんかも、そうで。
今でこそ映像で記録できてしまうけど、
その振り付けは、歴代のバレリーナがそれぞれに色を足しながら
身をもって語り継いできたことで、
現代のクラシックバレエは、古典の魅

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住めば都 1

どうやら、“うち”は管理の行き届いていないボロアパートか何かだと思われているらしい。

それも、管理人が、横暴で常に何かに怒っている人、のような。

でも、“うち”は別にボロアパートではない。少し汚れは目立つかもしれないが、それは管理人が“世の中”のルールに少し疎いだけだ。

疎いというより、さほど重要視していないと表現する方が正しいかもしれない。管理人は“世の中”のルールに対して、他人より多く疑

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フクロウとサル

フクロウとサル

昼間がだいぶ暖かくなってきた。
太陽さんも、そろそろ仕事に力を入れてきたらしい。
でも太陽さんが顔を隠すと、まだ冷える。

私がいつもお月さんと話をしている場所に、サルの背中が見える。
「ここは、空がよく見えるだろう。」
「あ、ここ、あなたの席ですか、すみません。」
「いや、いいんだよ。たまには目線を変えてみるのも、一興だろう?」
「ええ、素敵な生き方ですね。」

サルはどこか疲れているように見え

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フクロウとネコは出会う

フクロウとネコは出会う

今日はくっきり三日月だ。お月さんはいつもおしゃれだな。

と思っていたら、急に雲が増えてきた。

そこに、黒猫の少年が木を登ってきた。

ひどく息を切らしている。

「まあ、慌てず、ここで少し休みなよ。」

「おじさんは、ここら辺に住んでるの?」

「ああ、この近くさ。君は、野良かい?」

「そうだよ。」

「なんだってそんなに忙しそうなんだ?」

「逃げてきたんだよ、魔王から。」

「魔王?」

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フクロウとオオルリ

フクロウとオオルリ

雨雲さん、張り切ってるなあ。
なんて思っているうちに、雷さまも仕事を始めたらしい。
今日はおとなしく、基地にこもっておこう。

まもなくして、雷さまが大きな稲妻をひとつ落とした。
と、同時に何かが私の基地へ飛び込んできて、腹に当たったかと思うと、足元に落ちた。
私の基地は、私が入るだけの大きさしかない。
だから、足元は見えない。
が、何かがもそもそと動いている。

どうしたもんかと考えていたら、声

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フクロウとミツバチ

フクロウとミツバチ

「今日は元気そうだな、お月さんや。」
春の嵐は仕事を終えたらしい。久しぶりに静かな夜だ。

「あなたは毎日ここでお月さまとお話しされてるの?」
私の隣に、小さなミツバチが腰かけた。

「お月さんは毎日顔出してくれるわけじゃないんだよ。雲たちがいなくて、二人きりになるのは久々ってもんさ。」
「あら、お邪魔して、ごめんなさいね。」
「いいのさ、夏の楽団が仕事を始めるまで、まだ時間がある。」
「じゃあ少

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フクロウとイヌ

フクロウとイヌ

すっかり桜の木が衣替えをしたらしい。
こういう清々しい日は、木漏れ日にあたり、公園でいろんな声や音を聞きながら寝るのが心地いい。
なんとなくだが、お天道さんに寝顔は見られたくない。

ふと目が覚めたとき、木陰に少し窶れたイヌが入ってきた。

「起こしたかい、邪魔して悪いね。」
「いいんだよ、こうして珍しい方と話ができる。」
そう言って、2つほど低い枝に移動した。

「じいさん、こんなところで休んで

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