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日本のサポーター論の入口

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サポーターとは誰で何をしている人たちなのか。日本固有の文化とサッカーが融合して生まれたサポーターカルチャーを文章化した。日本のサポーター論の入口を紹介する。
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2018年12月の記事一覧

Jクラブのマスコットはサポーターに何を語りたかったのか?テキストマイニングから判明したマスコットの気持ちと役割。

Jクラブのマスコットはサポーターに何を語りたかったのか?テキストマイニングから判明したマスコットの気持ちと役割。

「選手と監督は来ては去る。だけど、マスコットは移籍しない!」マスコットを愛するサポーターはマスコットと永遠の愛、そして信頼感で永遠に結ばれている。とはいえ、マスコットは言葉を発しない。果たして、マスコットはサポーターに何を語りたいのか?それを知りたい・・・。唯一の手がかりはツイッターアカウントにあった。マスコットが唯一、サポーターに具体的な発信をする手段だ。そこで、神奈川県内のJ1の3クラブのマス

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なぜ上川徹さんにアディショナルタイム15分を要求したのか?湘南50周年マッチに見る日本サッカーとサポーターの成熟。

なぜ上川徹さんにアディショナルタイム15分を要求したのか?湘南50周年マッチに見る日本サッカーとサポーターの成熟。

湘南ベルマーレが藤和不動産サッカー部時代から50年の歴史を歩んだ。それを記念して2018年12月22日にレジェンドマッチを開催。雨天にも関わらず5,000人近くのファン・サポーターが集まり、試合は大いに盛り上がった。

通常、この手の試合は、主催者に花を持たせる展開となる。ところが、ゲストの日産自動車・横浜F・マリノスOBが終盤に容赦ない攻撃を展開しリード。2-3のまま90分を迎えようとしていた。

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「FC東京はクールなのか」という疑問から始まる推察・・・奈良クラブの「都市型クール」戦略。これはブランディングのねじれ現象だ。

「FC東京はクールなのか」という疑問から始まる推察・・・奈良クラブの「都市型クール」戦略。これはブランディングのねじれ現象だ。

あなたの好きなクラブは客観的にみてクールだと思えるだろうか?そんな疑問が気になる人・・・作家・中村慎太郎さん。サッカー(フットボールクラブ)のクールとは?芸術としてのサッカーとは?「宇都宮徹壱WMプレゼンツ 河内一馬と考える『芸術としてのサッカー論』アルゼンチンから発信することで得られたもの」の中で河内一馬さんに「FC東京はクールなのか?」を聞いてみたかったと言っていた中村慎太郎さん。しかし残念な

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Jリーグの誤審が発生する試合の出現率は約6%と判明。主審の全判断の約0.03%で誤審が発生している。

Jリーグの誤審が発生する試合の出現率は約6%と判明。主審の全判断の約0.03%で誤審が発生している。

日本サッカー協会審判委員会の「第6回JFAレフェリーブリーフィング」が2018年12月17日に行われた。Jリーグでは試合終了後に判定に対して意見交換が可能だが、意見交換の行われた試合は昨年の236試合から219試合に減少したことが発表された。

意見交換の対象となった判定の中で誤審と判断された判定の割合は39%から32.6%に減少している。では、Jリーグの誤審発生率はどれくらいなのだろう。上記の発

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2018年サポーター10大ニュース。国内外で話題になった出来事がたくさん。

2018年サポーター10大ニュース。国内外で話題になった出来事がたくさん。

Jリーグ開幕から25年。今シーズンもサポーターを巡るニュースが多数あった。良かったこと、良くなかったこと、未来につながること、忘れたいこと・・・。様々な出来事の中から10点をセレクトした。

1.ロアッソ熊本東京応援団が、サポーターという枠にとどまらずロアッソ熊本のサポートカンパニーに。ロアッソ熊本東京応援団は、2014年2月にクラブ公認の応援団として設立。関東に在住している熊本県出身者、熊本県に

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「ロストフの14秒とアジアカップ」森保日本代表監督が記者会見で「マリーシアを学ぶ」と発言したのはなぜか?サポーター視点で考える。

「マリーシア」という単語を聞いて、どのようなプレーを思い出すだろう。どのような選手を思い出すだろう。大久保嘉人?小笠原満男?ある意味、そのイメージは正しいかもしれないが、多くの人は本当の意味を取り違えている。

ジーコは「マリーシアが最も身についている日本人選手はカズだ。」と発言している。森保日本代表監督が記者会見で「マリーシアを学ぶ」という趣旨の発言をした。日本人には、いまだに、マリーシアが足り

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スタジアムは「内と外が逆転した新たなユートピア」。「サッカーを見る場所」であり「応援する場所」であるのは当然だが、サポーターにとっては、それらにとどまらない。

スタジアムは「内と外が逆転した新たなユートピア」。「サッカーを見る場所」であり「応援する場所」であるのは当然だが、サポーターにとっては、それらにとどまらない。

サポーターにとってスタジアムは、どのような場所なのだろう。私が行ったアンケート調査によれば、ホームスタジアムで観戦をするときにスタジアム内で会話をする相手が2名から10名いると回答しているサポーターは47︎%。スタジアムを「仲間や友達と過ごす場所」と回答しているサポーターは45%。スタジアムは「サッカーを見る場所」であり「応援する場所」であるのは当然だが、サポーターにとっては、それらにとどまらない

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映画「ボヘミアン・ラプソディ」をサポーター視点で鑑賞する。見えてきたウェンブリーの思い出と差別の構造。

映画「ボヘミアン・ラプソディ」をサポーター視点で鑑賞する。見えてきたウェンブリーの思い出と差別の構造。

話題の映画「ボヘミアン・ラプソディ」にはサポーター視点で見逃せないポイントが2つある。1つはCGとセットによる旧ウェンブリースタジアムの見事な再現性。もう一つは南アジア系住民に対する差別の問題だ。

2つの塔が特徴だった、あの旧ウェンブリースタジアムだ。日本のサッカーファンには、井原正巳がゴールを奪った1995年アンブロカップでのイングランド代表戦が有名。この動画に登場する、あの「ライヴエイド(L

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