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作詞集・太陽と龍の追憶

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昔、バンドを組んでいた時に作詞したものや、新しく書いたものも含め こちらにて公開しております。 歌ってくれる人、使ってくれる人募集中です 詳しくはメッセージか、ツイッターのDMで… もっと読む
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2020年9月の記事一覧

アマッタレ

人を恨んで 自分を憎んで
傷つくのは勝手だと
人から逃げて 自分を隠して
傷跡を見せびらかして

毎日を灰色に 人生を灰色に
アマッタレたこと言うな

争いを避けて 戦いを拒んで
傷ついた人々の
傷を舐めあって 胸で慰めあう
生き様を否定できるか

毎日が憂鬱で 人生が憂鬱で
アマッタレたヤツほど
毎日をのうのうと 人生をうだうだと
ひねり出した言い訳で飾り立て
アマッ

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そして僕は怪獣になった

海の向こうを夢見て
夢の終わりを抱えて

時折、目を覚ます
無意識の感傷
手探りで拾い集めた
バラバラの記憶組み合わせて
いびつに出来上がった
自意識の怪獣

海の向こうに夢があって
夢の終わりが傷になって

時々、思い出す
無意識の回想
手探りで作り上げた
粉々の記憶紡ぎ合わせて
手がかりを見失った
自意識の怪獣

いびつな瞳、ゆがんだ体
それが今の僕
まるで許されざる命
そして僕は怪獣になった

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秘密の約束

青い月を見て どれだけ離れても
同じ月を見て 今日また声が聞けるなら
他に何もいらない そっと交わした
秘密の約束

きっとまた会えるね
3000粒も重ねた恋が
空の上の 海の向こうの
輝く虹になったら きっと会えるね

遠い日々の果て どれだけ過ごしても
霞む日々の果て 明日も君が笑うなら
あたし何もいらない ただひとつだけ
秘密の約束

ずっと待っているから
4000回も沈む太陽が
昇る三日

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ささやかな限界

言葉にするのは
まだ少し早いようだ
投げ出すことはしたくない
だけどこれ以上 見届ける勇気もない

騒がしい毎日を
まだ少しつづけるけど
投げ出すことに変わりはない
だけどこれ以上 見守るつもりもない

愛おしくてたまらなかった
だけどもう昔の話
どこまでの祝福を
どれだけの幸福を
彼らの為に願っただろう
これが私の ささやかな限界

口に出したら
すぐにでも終わるだろう
投げ出したって構わない

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躁鬱トマトの信号機

天気予報じゃ明日から雨
憂鬱を運ぶ低気圧
浮腫んだ指先で握るハンドル
渋滞の交差点

赤青黄緑躁鬱トマトの信号機

天気予報より早い今日の雨
憂鬱爆発台風20号
夢見る旅に飛び出すハンドル
醜態の芸術点

意味深なエコーで笑う躁鬱トマトの信号機

虹の眼鏡が張り付いて
何を見てもいびつなColorful
夢の色、街の色、それが今の色
虹の眼鏡を叩き割れ
何を見てもゆがんだColorful
肌の色、

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深夜営業

白い光が漏れてる
大きな窓の向こう
案山子のような女
もやしのような男

それでもありがとう
余計な物が買えました
怠惰で優雅な暮らしを
明日も迎えるつもりです

白すぎる光の中
大きな音を流し
化粧もしない女
甲斐性のない男

そいつらにありがとう
余計な物を食べました
高価と割高の違いを
今日また知ったつもりです

欲しいものが見当たらない
お前の会社の炭酸水は
要らない いつものやつはどうし

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愛の落日

今更 何を話せというの
あたしの 喉の奥は
腐り果てているのに
あなたへの 愛の歌も
枯れ果てているのに

沈め 真っ赤に燃えた
愛の落日 ここから どこか遠くの
知らない誰かの 胸の中へ
沈め 沈め 沈め 沈んでゆけ

このまま 何処へ行こうというの
あなたは 忘れた過去に
振り回されているのに
あたしとの 過ぎた時間も
消え失せやしないのに

燃えろ 真っ赤な嘘よ
愛の残骸 結局 証が欲しくて

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煮沸

すっかり焦げ付いた片手鍋で
綺麗なままの思い出を
いつまでも
ぐつぐつ煮詰めているような

手に馴染んだ毎日を
このまま続けるのか

すっかり染みついた片手鍋の
綺麗に見える思い出を
いつの日か
じわじわ焦がしていく時を

手に入れた幸せの形を
抱えて生きてゆけるのか

家に帰りたくない
台所に立ちたくない
もう何も作れない
もう何も食べれない
煮込んで煮込んで
ぐずぐずになる

手放した生活の感

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心に名前を付けてくれ

さよなら不器用な友達
短い間だったけれど
君に会えてよかったよ
何も答えて欲しくなかった
何かを聞いて欲しかった
君の事を忘れないよ

心に名前を付けてくれ
コレでよかったと言ってくれ
出会わなければ良かったなんて
お願いだから言わないで
遠くの空で生きていて

病気の事も知らなくて
不意の便りを喜んだ
俺の事を許してくれ
誰も側に居なかった
誰か其処に居て欲しかった
俺も君が好きだったよ

心に

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片手鍋

昨日までをなぞって
今日一日の出来事を
明日また繰り返して
一人の台所はきっと
しばらく変わらない

畳と板張りの 境目の
曇りガラスの引き戸のように
僕の記憶には 涙目の
にじんだ風景が残ってるだけ

しっかり握りしめて
手のひらが覚えるまで
一緒に歳を取って
少しだけ笑ったような

辛い事だけ忘れても
黄昏時の西陽の窓の
橙色に目を細めても
揺らめく影はきっと
よみがえる夢になる

鏡と洗面台

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バラバラバラバ

稲穂の香りの染み込んだ
田圃を渡る風を浴びて
懐かしい景色の背景に
晴れた空を見上げて

雪の降る日を思い出した
田圃も川も白くて
懐かしい景色の背景を
白い空がうずめて

鏡の中で笑う
もう一人の自分

緑の匂いが濃くなった
曲がりくねった道で一人
全身で吸い込んだ薫風に
欠けた心が痛んで

雪の降る日に離れ離れになった
自分と自分ひとりとひとり
懐かしい景色の背景に
ハッキリとヒビが入って

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Near me.Here me.

どうかあたしの傍に居て
いつもあたしは此処に居る
銀色のスプーンと小さな太陽
それと天国にいちばん近い場所
どうかあたしの傍に居て
いつもあたしは此処にいるから

銀の焔がじりじりと焦がした
季節外れの雪
あの日、心に無理やり刻まれた
愛おしくも醜い傷跡

Near me.Here me.
時折、目を覚ます
悪夢のような形のアイツ
Near me.Here me.
慟哭、目を閉じて
叫んでも叫んで

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農協へ行こうよ

晴れた空と風の強い日は
農協へ行こうよ
白い軽自動車は
片側一車線の
県道をゆく

海辺の町の風の強い日に
農協へ行こうよ
白い軽自動車が
片側一車線の
県道を走る

走る走る
時代遅れの
建物を目指して
走る走る
垢抜けない
事務員を見つけて

晴れた空の風が強いけど
農協へ行くんだ
白い軽自動車で
片側一車線の
県道28号線

走れ走れ
時代遅れの
建物の垂れ幕には
年金貯金定期預金
走る走る

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汚れた焔

疲れ切っているんだよ
誰にも言えやしないけど
不安に潰されて
不幸に酔いしれて
板挟みの日々を
噛み締めているんだよ

ぼんやりと見上げた夜明け前の空に
あんな丸くて白いお月様が
浮かんでいるんだなあ

草臥れ切っていたんだよ
誰にも言えやしなかった
不満に頷いて
不信に怯えてる
つまらない日々を
やり過ごしているのにも

ぼんやりと閉じた目玉の奥に
こんな広くて暗い世界が
広がっていたんだなあ

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