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蛙がテーマの、詩のような、3行・100文字エッセイ6作。

今年も蛙が来たよ


2024年5月7日の朝、窓の向こうで蛙の鳴き声。今年も蛙が来たよ、春の終わりから夏にかけて、こまめに見かける、小さな緑色の来訪者。田んぼでは、そろそろ大好きな「蛙の大合唱」、良い季節がやってきました。


蛙の幻想世界


2024年6月28日、久し振りに3時に起きたら、窓の外はまだ暗く、私の部屋は、美しい蛙の大合唱に包まれました。そのまま部屋の灯りを点けずに、暫し瞑想。時間の経過と共に豪雨となり、蛙は静まり返りました。


眠れぬ夜の蛙の歌声


2024年6月30日、2時に目が覚め、2度3度、寝返りを打つ。夢の中に落ちて行くには程遠く、暫し思案の末、起き上がり、音を立てないよう窓を開け、蛙たちの美声のシャワーを浴びる。こんな日があっても良い。


蛙の合唱コンサート1. 会場の田んぼ


2024年7月13日、まだ明るい夜の早い時間帯に、田んぼの畦道を歩く。草の匂い、真っ直ぐに伸びて頭を垂れた鮮やかな緑色の稲。響き渡るヒグラシや鴨の鳴き声、鷺、赤トンボの群れ、水辺の生物…蛙はいるかな?


蛙の合唱コンサート2. 蛙の合唱団


2024年7月13日の日暮れ時。四方八方から現れた、小さな土色の蛙たち。畦道の端の土から田んぼに次々に飛び込む様は、まるで、合唱団員の蛙たちが、これから始まる蛙の大合唱のために、集まってきたかのよう。


蛙の合唱コンサート3. 開演前


2024年7月13日、日の落ちかけた頃、田んぼのあちこちで、ひとつ、ふたつと順次、ゲッ、ゲッ、ケロロと蛙の声があがり、オーケストラ演奏前の音合わせのような趣き。まもなく開演。今夜も楽しみにしているよ。


天野マユミ


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