永濱利廣(第一生命経済研究所首席エコノミスト)
記事一覧
インフレで深刻化する生活格差
電気料金やガス料金の補助、内閣支持率上昇につながらず 「有効でない」7割 日経世論調査 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
ロシアのウクライナ侵攻以降の日本経済は、中産階級の貧困化とインフレが重なった「スクリューフレーション」が深刻化しています。背景には、食料やエネルギーといった生活必需品の価格が急上昇していることがあります。
生活必需品は低所得であるほど消費支出に占める比重が高く、高
インフレで大幅改善する日本の財政
渋沢栄一になるためには 岸田文雄首相の忘れもの 風見鶏 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
急激な人口減などで必要な予算はこれからどんどん増えるため、財政に余裕はないとする向きがあります。
しかし、2023年10-12月期時点の政府債務残高/GDPを見ると、コロナショック前の水準まで低下していることがわかります。そして低下した要因を分解すると、「経済成長率」と「インフレ率」要因の押し下
円安で貿易赤字拡大の誤解
円安生む経済構造、反転に時間 企業にドル買いの実需 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
貿易収支の赤字が続いている。財務省の貿易統計によれば、23年度の貿易収支は3年連続の赤字となった。そして、円安で輸入金額が膨張することを理由に、貿易赤字の主因を円安に求める向きも少なくない。
ただ、輸入金額の増加が輸入品そのものの値上がりや輸入量の増加に基づくものであれば、為替に関係なく貿易収支は赤
日本のGDPがドイツに抜かれる理由
2023年のGDP、ドイツ3位・日本4位へ 1ドル132円なら並ぶ - 日本経済新聞 (nikkei.com)
23年に日本のGDPがドイツに抜かれる主因の中でも、特筆すべきは日本の国内自給率が低下してしまったことでしょう。ドイツは2000年代以降、企業が国内で活動しやすい環境を作るために、政府当局が積極的な政策を講じてきました。これに対し、日本では円高デフレを長期間放置してしまったがゆえに、逆