永濱利廣(第一生命経済研究所首席エコノミスト)

第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。あしぎん総合研究所客員研究員、跡見学園女子大学マネジメント学部非常勤講師を兼務。総務省消費統計研究会委員、景気循環学会常務理事。専門は経済統計、マクロ経済分析。

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第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。あしぎん総合研究所客員研究員、跡見学園女子大学マネジメント学部非常勤講師を兼務。総務省消費統計研究会委員、景気循環学会常務理事。専門は経済統計、マクロ経済分析。

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    中間層復活のカギは高圧経済+労働市場改革

    中間層復活、グローバル化のカギ 小林慶一郎・慶大教授: 日本経済新聞 (nikkei.com) わが国の中間層没落の背景にはデフレマインドの定着に伴う需要不足の長期化があります。そして、その原因は国際標準から逸脱した緊縮的な財政運営にあります。これにより、成長に必要な財政支出がなされず、マクロ経済が支出と所得の両面で下押しされ続けてきました。 このため、中間層を復活させるためには、経済が過熱するまで積極的な金融・財政政策を継続しなければならないでしょう。政府支出の制約とな

      • どうなる?2023年の物価と家計負担!

        最大リスク要因「物価上昇」最多 九州・沖縄100社調査: 日本経済新聞 (nikkei.com)  2023年の物価を展望すれば、総合経済対策による電気・ガス代の価格抑制策の影響が反映されるため、特に2月分以降の消費者物価の伸び率大幅に鈍化する可能性が高いでしょう。ただ、4月分からは多くの地域で電気料金の大幅値上げが実施される可能性が高いことには注意が必要です。また、政府による電気・ガス・ガソリンや灯油の価格抑制策も今年9月までとされているため、国際商品市況が下がっている割

        • 総合経済対策に対する評価

          2次補正28.9兆円、見えぬ効果・使途 予備費・基金が半分: 日本経済新聞 (nikkei.com)  政府は物価高対策や新しい資本主義の加速などを掲げた経済対策は事業規模71.6兆円のうち財政支出は39兆円、第2次補正予算案の一般会計は28.9兆円となりました。しかし、政策効果が未知数の事業も混じったものになっています。 直近の2022年4-6月期のGDPギャップ率は、内閣府の推計によれば▲2.7%、年換算で▲15兆円程度の需要不足が存在していることになります。ただ、過

          • 英国と大きく異なる日本の財政状況

            なぜ「安定財源」? 巨額国債で破綻した歴史の教訓: 日本経済新聞 (nikkei.com) 9月に英国ではトラス新政権誕生に伴い、大規模な財政出動方針が打ち出されたことをきっかけに、金利上昇(国債価格下落)、通貨安、株安のトリプル安が同時に進行するいわゆる英国売りにより金融市場が混乱しました。これによって、日本も大規模な財政出動を打ち出せば、トリプル安を招く懸念があると一部の識者の間で指摘されていましたが、そうはなりませんでした。 そもそも、欧米ではインフレ率が既に+8~

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            リスキリングで労働市場は流動化するか

            リスキリングでAI人材育成、140社が実施 日経スマートワーク調査: 日本経済新聞 (nikkei.com) 今回打ち出された総合経済対策では、これまでの賃上げ促進税制の活用促進や、中小企業の事業再構築や生産性向上支援などが打ち出されています。これは、家計の収入を増やすことで、実質的な負担軽減を狙ったものと推察されますが、この効果が出るかどうかは来年の春闘の結果次第でしょう。 一方、民間エコノミストの予測を集計した物価見通しによれば、来年も家計1人当たりの負担増加額が、プ

            エネルギー負担軽減策に過度の期待は禁物

            政府予算の2割過大 対コロナで急増、規模ありきに疑問: 日本経済新聞 (nikkei.com) 物価高や円安に対応するため、政府は先月28日、財政支出の総額が39兆円程度となる新たな総合経済対策を決定しました。 物価高対策のほか、「新しい資本主義」への加速として「人への投資の強化」、「成長分野への労働移動」などが盛り込まれたことで、その規模が大きく膨らむことになっています。 岸田総理は「財政支出が39兆円。これによりGDPを4.6%押し上げる」や、「電気代の引き下げやガ

            実質賃金に対する誤解

            最低賃金、なぜ最大の上げ? 物価高配慮と政府の意向も: 日本経済新聞 (nikkei.com) 日本経済はアベノミクス始動以降、景気が好転したといわれています。しかし、その間の実質賃金は大きく低下しています。背景には、アベノミクス時の回復局面では、過去2回と比べて常用雇用者数と名目賃金の増加が著しい一方で、消費者物価の上昇により実質賃金の改善が弱いことがあります。 しかし、働き方の多様化が進み、副業も浸透する中では、単位当たり賃金は従来の一人当たり賃金よりも、米国のように

            エンゲル係数低下でも広がる生活格差

            10月からこう変わる 値上げの波、重荷一段と: 日本経済新聞 (nikkei.com) 経済的なゆとりを示す「エンゲル係数」が足元で低下傾向にあります。エンゲル係数は家計の消費支出に占める食料費の割合であり、食料費は生活する上で最も必需な品目のため、一般に数値が下がると生活水準が上がり、逆に数値が上がると生活水準が下がる目安とされています。 最近の我が国のエンゲル係数低下は、支出全体の回復と食糧・エネルギー価格の上昇が要因となっています、その背景には、明らかにコロナショッ

            円の実力に対する誤解

            円140円台、24年ぶり安値 衰える景気浮揚力: 日本経済新聞 (nikkei.com) ドル円レートが24年ぶりの低水準と騒がれています。実際、プラザ合意のあった1985年9月と比較すると、円の実質実効レートは3割以上減価しています。そこで、プラザ合意のあった1985年9月から足元までにどれだけ円の実質実効レートに変化があったかを名目実効レートとインフレ率格差に分けて計算すると、名目レートは+77%以上増価しているのに対し、インフレ率格差は▲6割程度減価していることになり

            政府債務に対する誤解

            23年度予算の概算要求、上限ない項目3倍に かすむ成長投資: 日本経済新聞 (nikkei.com) 政府の債務残高の対GDP比はコロナ禍で250%を超えたことで政府債務に対する危機感が高まっています。しかし、政府債務残高だけを捉えて議論することは、本質的にあまり意味がないでしょう。というのも、債務残高が政府のバランスシートでは負債であっても、その裏側には民間の資産があるからです。実際、日銀の資金循環統計を用いて一般政府の純債務と民間の純金融資産を比較すると、一般政府の純債

            今年度の設備投資計画が旺盛な訳

            機械受注8.1%増 4~6月期、2期ぶりプラス: 日本経済新聞 (nikkei.com) 新型コロナウィルス感染症に伴う影響やロシアのウクライナ侵攻等により日本経済を取り巻く環境は厳しさを増す中、今年度の設備投資計画は旺盛となっています。 実際、先月公表された6月短観の設備投資計画(日銀)を見ると、GDP設備投資の概念に最も近い「ソフトウェアを含む設備投資額(除く土地投資額)」が全規模合計で前年度比+15.5%となっており、本基準で集計された2004年度以降で最大の伸びを

            今こそ、人、モノへの投資が必要な理由

            人への投資、企業価値を左右 スコア上位の株価7割高: 日本経済新聞 (nikkei.com) バブル崩壊以降の日本経済は、マクロ安定化政策を誤ったことでデフレが長期間放置されてしまいました。そして、設備や人への成長投資が十分になされなかったこともあり、経済成長が長期停滞を続ける「失われた30年」という状況が続いています。 実際、主要国の実質総固定資本形成の推移を見ても、1991年比で米国が2.7倍、英国が1.7倍、ドイツが1.4倍に伸ばしているのに対し、日本は逆に0.9倍

            外国人材受け入れの課題

            高度人材、地方に招きやすく 外国人在留資格で優遇へ: 日本経済新聞 (nikkei.com) 外国人労働者の受け入れによる効果はGDPギャップの状況により大きく左右されることになり、日本が抱える人口減少や経済成長率の停滞、財政健全化といった問題のマクロ的な解決策としては諸刃の剣にもなりうるといえるでしょう。 ただし、構造的に人手不足が生じている地域や産業にとっては、外国人労働者の受け入れが死活問題となる側面もあります。このため、外国人労働者を地方や産業の人手不足を補うため

            「アベノミクス」の振り返り

            安倍政治とは何だったのか 日銀不信が生んだ異次元緩和: 日本経済新聞 (nikkei.com) 銃撃を受けて死去した安倍元首相は7年8カ月に及ぶ第2次政権下で、金融緩和と財政出動、成長戦略の「3本の矢」による経済政策「アベノミクス」を展開しました。 「アベノミクス」のうち最も効果を発揮したのは第一の矢でしょう。大胆な金融緩和の効果としては、それまでの極端な円高・株安の是正が進んだことで株価は3倍になり、円安・株高に連動する形で輸出や設備投資も増えました。特に、設備投資は将

            エネルギーの国内自給率をいかに高めるかが最優先の課題

            電気不足、冬に110万世帯分 原発動かず節電頼み限界: 日本経済新聞 (nikkei.com) 政府が今後予定している大型経済対策では、今回のような補助金や給付金ではなく、より省エネ耐久財の更なる普及や省エネ向けの設備投資等を更に促す攻めの政策をとるべきでしょう。 そこで参考になるのが、リーマンショック後に世界で実施されたグリーン・ニューディール政策です。具体的には、給付金で負担を軽減するというより、家計や企業に省エネ関連の支出を促す減税や補助等により、需要喚起とエネルギ

            原油高が世界経済に及ぼす影響

            OPECプラス追加増産 サウジ、米大統領歴訪にらみ譲歩: 日本経済新聞 (nikkei.com) ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により世界経済の先行きが不透明となり、資源高や円安、米金利高など様々な面で悪影響が出始めています。 特に、ロシアに対する全面的な経済制裁が短期間で解除される可能性は低いことからすれば、ロシアのウクライナ侵攻に伴う直接的な影響は化石燃料の高騰です。 すでに原油価格は、米国のロシア産原油輸入停止の報道を受けて130ドル/バレルまで上昇した後、各