2022年バリスタ活動実績
こんにちは。
今日は、2022年のバリスタとしての活動を振り返る記事です。
興味をもってくださった方にご案内できる資料として、そして自身の考えや行動を辿る際の記録として、毎年12月に調理師活動実績とともにまとめています。
1年の振り返りができる嬉しさとともに、今年も自分なりに課題を見つけて取り組み、あたらしいことにトライする機会もいただいたことに感謝の念が湧いています。
こちらも毎年恒例ですが、イベントごとに記録動画を、動画がないものはSNSの投稿を添えているので、興味があるところだけでもご覧になっていただけると嬉しいです☺︎
コーヒーを始めた経緯はこちらを参照ください。
2022年 調理師の活動実績
COVID-19との付き合いも3年目に入った2022年。
流行が始まり先が見えなかった2020年、長引く自粛生活のストレスと、一方でそれに伴う変化にも可能性を感じていた2021年を経験し、今年は周囲の動きも見ながら、よりマイペースに動くことができたかなと感じています。
今回も時系列に見ていきます。
1-2月
ゲリラコーヒー開催 4回
ゲリラコーヒーは、既存の店舗に間借りをする形で営業させてもらうスタイルのお店で、2021年の2月に始めています。
始めた理由は、
すでにそれを知っているお客さんというよりは「スペシャルティコーヒーって何?」という方、これから自分のコーヒーのスタイルを作っていこうとするみなさんが、「自ら」興味を深めていけるにはどうしたらいいのか?と考えていくと、今のような「教えすぎないスタイル」に落ち着きました。
一方的にお渡しする情報や与える学びというよりは、お客さん本人が何にピンときて、何なら楽しんで深めていけそうか、という点を重視するのは、私がコーチとしても活動しているからだと思うし、そういった自分の関わり方の基本姿勢を完全に切り替えて世にたくさんある、むしろ主流ともいえる教える側が主体のスタイルに沿うのはどこか違う気がしていたからでしょう。
基本的に自分にしかできないことなどないと考えていますが「自分だからできる・こうなる」という点は踏まえて判断をするようにしています。
ゲリラコーヒーについて、より詳しい記事はこちらを。
https://note.com/doubleespresso/n/n72af90352ff0
「コーヒーショップ 分解」ツアー開催
1月、寒い時期でしたが、ゲストとともに街を歩き、質問に答えたり解説をしたりするバリスタ とめぐる「コーヒーショップ 分解」ツアーを開催。
ワークショップの参加者さんがこちらも参加したいとのことでリクエストをいただき開催。
以前から動画は撮っていましたが、参加動機なども入れて流れごと撮るというのはおそらくこの回が初めてでしたね。
3-4月
ゲリラコーヒー開催 4回
抽出体験 @ 小川珈琲ラボラトリー下北沢
4月前半、バリスタの友人と、下北沢のOGAWA COFFEE LABORATORYへ。
2021年7月にオープンした、“体験型ビーンズサロン”
使用する器具を選びバリスタのレクチャーを受けて、購入した豆をその場で自分で抽出してみることができます。
(豆代にプラスして「器具使用料」300円かかります)
清澄白河の KOFFEE MAMEYA KAKERUをはじめ、ありそうでなかった試みや、従来のお店とは異なるアプローチを展開するお店が増えました。
ネットの記事やホームページを見ればなんとなく想像はできるのですが、気になるものがあれば足を運び体験してみることにしています。
想像とはどのように違うか知るには現場を見ないといけないと思っていて、それがたとえ「やっぱりね」という結果、目新しさや驚きがなかったとしてもそれは無駄足ではない、自分の認識する事実が更新されることに意味があるという考えでいます。
ラボ下北沢の魅力はなんといっても「使ってみたい器具を触って、使って、楽しめる」に尽きると思います☺︎
私が使ってみた手挽きミルなど高価なものも多く、自分では買わないけど使用感を知りたいという欲求を満たしつつ、しっかりレクチャーもしてもらえる。正直「豆を買うだけで」この経験価値の高さなら、めっちゃ買いに来ます!という感じ。笑
小川珈琲は京都の老舗。
2022年にオープンした堺町錦店など、貫禄もありながら古くならないお店づくりは本当に素晴らしいなと思います。今年は京都に行けなかったので、来年は京都のコーヒーショップめぐりをしつつ、ゆっくりコーヒーを飲んできたいと思います♩
5-6月
ゲリラコーヒー開催 4回
note : カフェとロースター2022考察記事を公開
5月に、雑誌 Casa BRUTUSの特集「カフェとロースター」を読んで考察をまとめました。
毎年購入している人気雑誌 Casa BRUTUSの「カフェとロースター特集」
取り上げられているものを、おもしろさ、あたらしさといった点から考え、意見を書きました。
自分自身もお店で働くという時期を経て、今はお客さんとお店を訪れたり、本人のニーズを起点としたワークショップを展開するなかで、改めてコーヒーの楽しさ、とっつきやすさとともに、伝える難しさなども書くことで整理され、また、自分の意見をまとめることで立ち位置や関わり方がクリアになります。
おすすめのお店ってありますか?という質問も普段から多いので、直接的に答える形ではないですが、この記事を参照してもらうことも多いですね。
7-8月
ゲリラコーヒー開催 1回
この時期はコーチングセッションや、YeLLでのサポーター活動、ゆる対話イベントなどコーチとしての活動が少しだけ立て込んだこともあり、7月後半から9月後半にかけて思い切ってゲリラコーヒーの開催をお休みしました。
コーヒー × コーチング 交流型ワークショップ開催
フリーのバリスタとして活動を始めた頃は、ワークショップは行っていませんでした。理由はいろいろありますが、そんな自分がワークショップの開催に至った経緯はこちらの記事に詳しく書いています。
他のイベントもそうですが、自分だからできる関わりはどんなものかを念頭におき、数を追うよりも、来てくれた人に実際に楽しんでもらったり、自分側にも学びがあるかどうかも大事にします。
与えられる学びではなかなか興味が育たないことも普段主催するイベントから実感していて、考えてきたひとつの結論としてですが、
誤解を恐れずにいえば、私は、今の学びのブームの背景にあるのは「教えてもらいたい」というより「自分でやってみたい」だと思っているんですね。
記事から引用します。
手取り足取り導いてもらってスムースに得る何かでは満たされない自分をみんなちゃんと知っていて、だからこそ難しさやうまくいかない時間ごとの「実感」を得たいのではないか。結果ではなく、そこまでの試行錯誤がほしい。
日々いろいろな人と接したり話を聞くなかで、これは理屈でなく根源的な欲求としてそうだと感じていたので、わかりやすくなくても、主体を自分として学んでもらうスタイルを選びたいと思いました。
9-10月
ゲリラコーヒー開催 2回
「コーヒーショップ 分解」ツアー開催 4回
10月1日は、国際コーヒーの日。
ツアーを始めて2年を迎えられた感謝と、年に一度のコーヒーの日にちなんで、通常より参加しやすい価格でのご案内としました。
記録動画はこちら。
ダイジェスト版はこちら↓
これまでツアーは、エスプレッソ、ドリップ、ペアリングやグッズ販売、スタッフコミュニケーションなど「コーヒーショップという文化」のどこを掘るにも作業を実際に見ることができ、多方面の興味に対応できるという理由で、ブルーボトルコーヒーからスタートしていましたが、今回は iki espressoの新店「Rostery-Eatery」をスタートとするコースも試しました。
清澄白河は魅力的なお店が多いのですが、ゲストを連れて行くには席数が確保しにくく(4名程度での着席ができるキャパのあるお店は多くないため)結果的に限定されてしまっていたんです。
しかし今回、清澄白河エリアでも南を起点とするコース(ブルーボトルスタート)と北を起点とするコース(iki スタート) ができたことで、2軒目の選択肢も増えました。(下図参照)
動画をみていただくとわかるのですが、iki スタートのコースでは隅田川を渡り、浜町の Single Oまで足を伸ばしています。これは隅田川沿のikiがスタートだからできたことで、2時間というツアー規模を考えるとブルーボトルからは少々ハードな距離感です。
あたらしい楽しみ方を提案できるのは自分にとってもおおきな意味のあることで、嬉しかったですね。
SCAJ 2022 バリスタチャンピオンシップ観戦
10月半ばには、毎年恒例の《ワールドスペシャルティコーヒー・カンファレンス(SCAJ)》が、国際展示場で開かれました。
東京に来てコーヒーを始めた2015年以来、毎年訪れていて、私にとってはまたとない勉強の場です。
どんな場所に暮らすどんな人が、どのようにコーヒーと関わっているのか。
会ったことも話したこともないけれど、この日はそれぞれの立場の人が一堂に介するので、その人たちがどんな部分に光を当て、価値とし、日々どのような取り組みをしているのか垣間見ることができます。
ひとりで活動する自分がどこか共同体の一員であるかのような心持ちで、業界全体の発展やコーヒー自体の魅力を伝えることに寄与したいと考えられるのは、こういった「みんなも頑張ってるんだな」と感じられる機会があるからだと思います。
深煎りも浅煎りも、セカンドウェーブもサードウェーブも、比較があるから各々の魅力が引きたつし、既存のカルチャーに対するカウンターとして新しい流れができるという事実はありつつも、だからといって対立するポジションに立つのではなく、
「コーヒーはいろいろあるからおもしろいし、関わるみんながおおむね良くなる方向で。」
という合意のもと舵を切っていけたらいいのかなと思う。自分ができることをしようという気持ちになって帰る。私にとってはそんな日なんです。
記録動画はこちらからご覧ください☺︎選手の人たち本当にすごくないですか。笑
11-12月
ゲリラコーヒー開催 4回(予定含む)
11月にはゲリラコーヒーも通算35回を超えました。
「コーヒーショップ 分解」ツアー開催 1回
動画は作れませんでしたが、10月半ばと11月にも、一度ずつコーヒーショップツアーを開催しました。
高尾山コーヒーツアー(コーヒーショップツアー番外編)
また、この秋はいくつかあたらしい経験もすることができました。
そのひとつがこちら。
街のコーヒーショップ分解ツアーに何度か来ていただいている山好きの参加者さんに「山でのコーヒーも楽しそうじゃないですか?」とお声がけいただき、初めて野外でのコーヒーツアー(下見)を。私は元来海好きで、これまであまり山に馴染みがなかったのですが、自分の興味範囲ではないことも、機会があれば積極的に試すことにしています。
今回は提案くださった方の全面的な協力もあり、まずは下見にいこう!ということで、instagramで同行者も募集。笑
ほぼ紅葉ピークの高尾山、ケーブルカーを使わず6号路を歩き、行きと帰りに一度ずつコーヒータイムをとりました。
持っていった手挽きミル・タイムモアのC2 MAXは重量が505gと軽量ではないものの、ステンレスの臼刃がしっかり粒度を揃えてくれます。
挽いた豆を持参してもよかったけれど、豆を挽く動作や挽いたばかりの香りといったワクワク感が、遠足の雰囲気と絶妙にマッチして想像以上に楽しかったです☺︎
コーヒーって誰が見ても「コーヒー淹れてるな」ってわかるのがすごくよくて、通りすがりの方が声をかけてくれたり、コミュニケーションも生まれますしね。(動画参照)
自分の視野を狭めないよう、今回のように信頼できる方のお誘いだったり、自分がピンとくるものがあればいろんなことにトライしていこうと思いました。
同行くださったお二方、ありがとうございました☺︎
勉強会で出張コーヒー
もうひとつは、11月は知人主催の勉強会にてコーヒーを担当させてもらったこと。こちらも初めての試みです。
杯数が多くないので装備もコンパクトです。
豆は2種類、会の冒頭と休憩で計2回の提供をさせていただきました。
普段あまり馴染みのない分野やテーマに関われるのはコーヒーのもつおおきな魅力のひとつ。
抽出したコーヒーを保温ポットに入れ、紙カップを添えて会議場へ、というオフィス向けのポットサービスは店舗時代に経験がありましたが、それとは少し違って、コーヒーが供されるということ以上に、その場でバリスタが淹れるということが喜ばれているのかなと感じられる経験でした。
コーヒーをおいしく淹れるだけであれば、できる人はたくさんいますが、豆の選定意図や、その場で出た質問にどう返すかなどは、自分が考えてきたこと、コーヒーという広い海のなかでどこを掘り下げてきたのか問われる部分です。
培った専門性を活かしたいからこそ伝え方に特化してきたこと、具体的には情報を吟味し、自分の経験の幅を広げ、自分の言葉で話すことを心がけてきてよかったなとおもえる機会になりました。
また、コーヒーや料理は作業自体がたのしいと感じるので、ひとりでいっぱい淹れられるって単純にたのしいんですよね。
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これから。
今日は、12月17日現在までの2022年バリスタ活動実績をまとめました。
読んでいただきありがとうございます。
このような活動のしかたを選んでいる理由については、昨年書いたnoteに詳しく書いていて、いまの考えとしてもおおきな変化はありません。
上の記事のなかでは、私がいくつかのお仕事を並行していることとそうなった経緯について書いていますが、私が感じる飲食の仕事のたのしさは、何といってもそのライブ感と質感です。
モノを扱い、そのモノ自体を極めていく方向もあれば、モノの介在によって可能になることをみんなで考えたり広げたりできるたのしさもあります。
「生産」という場がスタートとなる食物を扱えば、自ずとそこに関わる人を知ることになり、想像することになります。結果として、
その数の多さ、範囲の広さに驚きながら、振り返って「自分はその中のどこにいて、何をするのか」を問うことになる。
自分に問いつづけてできることを見つけ、楽しみながら取り組むこと。
そのどこかに価値を感じてくれる人と出会い、関係性のなかで自分の特性や才能を発見していくたのしさは、どんな仕事でも共通かと思います。
それでも、現物としての食品を扱い、生身の人間にそれを提供する質感とライブ感は掴みどころがないようでいて、これほど確かなものがあるだろうかと思わされる力があるなと。
先述したように「自分にしかできないこと」などない、というのが私個人の考えです。調理師としても、バリスタとしても、コーチングも、自分にしかできない「仕事」はない。
ただ、「なかなか人が同じようにはできないだろう組み合わせ」というものはあり得るのかなと、今は思っています。
そのために柔軟であることは必須で、続けること、続けないこと、はじめること、のっかることを見極めながら、今は動きのない「保留」の引き出しにも大小さまざまなアイディアがある。
そんな状態の今が、とても満足度が高いなと感じています。
いま関わってくださるみなさん、いつもありがとうございます。
来年もトライはつづきます☺︎
お問い合わせは各SNSでも受け付けています。
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よろしくお願いいたします☺︎
いただいたサポートは、新しい体験をしたり、応援したい方のサポートに使いたいと考えています☺︎普段の活動はこちらです💁 https://www.instagram.com/changeisgoodccc/