2022年調理師活動実績
こんにちは。
今日は2022年の調理師としての活動を振り返ります。
興味をもってくださった方にご案内できる資料として、そして自身の考えや行動を辿る際の記録として、毎年12月にバリスタ活動実績とともにまとめています。
COVID-19との付き合いも3年目に入った2022年。
流行が始まり先が見えなかった2020年、長引く自粛生活のストレスと、一方でそれに伴う変化にも可能性を感じていた2021年を経験し、今年は周囲の動きも見ながら、よりマイペースに動くことができたかなと感じています。
料理教室などあたらしい試みを通して学んだことも多くありました。
料理代行で独立をしたり、主催・共催のイベント数も多かった2021年と比べると、今年はより淡々と日々のお仕事に邁進できたように思います。
記録動画やSNSのポストなど、様子がわかりやすいものがあれば添えているので、興味があるところだけでもご覧いただけると嬉しいです。
それでは参りましょう♩
1-3月
《日曜の朝食会》TOFUハーブマリネとイチゴ、ミントとホワイトバルサミコのトースト
「日曜の朝食会」は、2019年から細々と続けている活動。
自身がもともと朝食とコーヒーのお店をやろうと考えていたのもあり、朝食会でずっと提案してきているのは、
素材に調味料の味をつけていく調理のしかたではなく、素材どうしの組み合わせの化学反応で全体の味を担うという考え方、そこから好みの味にアレンジしていく自由度の高さごと味わってもらうオープントーストのスタイルです。
これは私がオーストラリアで働いた際に出会ったフュージョン料理からヒントを得ています。
これまで開催してきた朝食会
★ぶどうとトマトマリネ、モッツァレラのストラクチャートースト
★生の春菊とグラナパダーノ、柑橘、くるみのストラクチャートースト
など。 (2021年調理師活動実績に詳しく書いています)
素材の味や特徴を知って、組み合わせでバリエーションやあたらしさを出せれば、むやみに調味料に頼らなくなるというか、別の選択肢が生まれると考えています。
というのも、私自身がこれまで400件以上の一般家庭での料理代行を経験して感じる共通のニーズは、健康に関するもの。
個人差はあれど、多くの人が健康とおいしさ、あるいは健康と手軽さの駆け引きにアテンションを払っていると感じます。
対策としてよく言われるのが、ハーブやスパイスで風味や味に緩急をつけることで調味料から過剰に摂取しがちな塩分や脂質を減らすこと。
シンプルで控えめな味付けは物足りなさを感じやすいですが、上手にメリハリをつける選択肢として食感などの「組み合わせ」があるといいかなと考えて提案をしています。
3/6のこの回は水切りした豆腐が主役で、半分はパンに塗るスプレッド仕様、半分は角切りにしてハーブオイルに漬けて使い(イメージはフェタチーズ)生の苺とミント、クラッシュアーモンドと合わせるトースト。
素材の味を重ねてわかる、苺の酸味とバルサミコの酸味、苺の甘さと、ナッツの甘さの違い。水切りした豆腐の食感。
ショートケーキのような見た目とのギャップ。
素材のどの面をどう切り取って、なにと組み合わせたら、あたらしい選択肢や考え方を提案できるかという視点は今後も大事にしていきたいところです☺︎
《日曜の朝食会》 チキンとアボカドのブレッキーブリトー
3月後半に開催したのは、以前の朝食会でお伝えした「ブライニング」を施した蒸し鶏の活用を意識した会がこちら。
おいしくする要素を知っている以上に「まずくする」要素を回避できることも大事だと考えています。少しの手間やちょっとした知識が、思いのほか簡単に仕上がりを変えてくれることがあるので、そういう意味で、たとえばブライニングという手法は知っていると便利かなと思います。
4-5月
《作りおき×朝食会》 75分で学ぶ主菜とソースと前菜
4月には、これまでとは少し趣向を変えて、料理教室を開催。
こちらもきっかけは、普段の料理代行のお仕事から。
3時間程度で何品もつくる代行では、稀にお客様から「見ててもいいですか?」と訊かれることがあります。同時進行の行程やコツが知りたいのだそうです。
確かにこちらは慣れてしまって盲点なのですが、作業の進行はもしかしたらかなり複雑なのかもしれないなと感じました。
それ以外にも、普段から作りおきの需要を感じることは多かったので、いくつかの品を同時に作る行程を見てもらい、作業や動作の意図を説明することは意味があると思い、開催に至りました。
営業時間外の朝の時間をお借りしていることもあり、使える時間は全体で2時間程度、先に調理を見ていただき、召し上がる間にコーヒーを淹れて、甘いものとコーヒーを楽しんでいただきながら、スライドを使って説明。
特定のものの作り方を伝えるというよりは、普段やっている進め方とその意図を伝えやすいメニュー構成にしたという順番です。
シンプルなメインと副菜を野菜のソースで食べる、さらにそこからメイン、副菜、ソースそれぞれを作りおきした場合の展開例を伝え、応用範囲が広いシンプルな理論をお伝えしました。
参加者さんのレビューはこちら。
《作りおき×朝食会》 75分で学ぶワンパン主菜2品と優秀食材
引き続き5月には「作らない料理教室」の第2弾を開催しました。
この回では「モウカサメ」という鮫のソテーと、工程をごくシンプルにしたハンバーグを提案。ハンバーグは玉ねぎを刻まずに擦りおろす方法をお伝えしました。素材の活かしたい要素を活かせる最低限の工数でやってみると、なにが変わるのか体験してもらいたくて考えました。
作りおきのお仕事をしている中で、共通のニーズはたくさんありますが、「魚を食べたい、子どもにも食べさせたいけど、骨をとる手間が…」
という声はとても多く、お肉のみの献立でお願いします。というパターンも少なくありません。
その点、モウカサメは骨も皮もない状態の切り身で売られているため、非常に使い勝手がよい。かつ栄養価も高く安価という優秀食材なのに、
ただ「鮫」という分類なだけで知られていない、使われていない。
これまで働いたお店や関わった会社で聞いてきたように、「未利用魚」「低利用魚」なるものがあることを知っていたので、その問題と紐づけて知ってもらえたらという気持ちもありました。
料理に限らずですが、選択肢を広げたいというとき、物理的にリソースを投入する以外にもできることがある。
それが、見方を変えるということなのだと思っています。
記録動画はこちら。
6月-8月
お料理代行 DAYS
6月から8月はコーチングセッションや、YeLLでのサポーター活動、ゆる対話イベントなどコーチとしての活動が少しだけ立て込んだこともあり、あまりイベントの企画できませんでしたが、普段の料理代行のお仕事に淡々と取り組んでいました。
始めた頃に比べると同じ時間でも作れる品数も増え、対応できる幅も広がっているように自分でも感じます。日々のお客様の声からヒントをいただきながら柔軟にいろいろ試せる機会があるありがたさ。
お客様にいただくフィードバックから自分のサービスを発展させていくのが私もたのしいです。
私が伺うのは、ほとんどがちいさいお子さんがいらっしゃる子育て世帯のお宅で「とにかく子どもが食べるものを作ってほしい」「子どもに野菜を食べさせたい」というご要望が特に多いです。しかしながら野菜が嫌いなお子さんも多い。。
こういうときは普段食べていない組み合わせは何かとか、野菜のどの要素が嫌いなのかなど考える必要があります。とはいえ関与できるのはあくまでもお作りするメニューや、その構成まで。
最終的にはご両親がお子さんに合ったアプローチをしやすくなるように、火を通しただけとか切っただけといったパーツを作っておくことも多いです。自由度を残した素材を展開して活かしていただけるのがありがたいですよね。
9-10月
《作りおき×朝食会》 75分で学ぶ副菜3種とオージーブレッキー
9月後半、ようやく作らない料理教室の第3弾を開催することができました。
この回はワンプレートの朝食を仕上げるなかで、副菜3種を同時進行でつくり解説するというもの。前回、前々回は主菜を扱ったので、この回では副菜にスポットを当て、主菜はサッと仕上げられるエッグスオントーストに。
外での朝食というと日本の喫茶店などで提供される厚切りトーストにジャムやバターを添える「モーニング」のお話をなさる方がとても多いのですが、オーストラリアのカフェでは複数の素材を組み合わせて提供するものが主流でパンはあくまで添えもの、素材が主役と感じることが多いです。
皿の上のものをどう組み合わせて食べても調和する構成が驚きもありつつ的を得ていて完全にツボで、私が提案したいのはこのスタイルなんですね。
好きなものを好きなように食べたい、という根源的な欲求を満たしながらお店側の提案が包含されるスタイルが何より魅力的。
オーストラリアの家庭ではおそらく食されているであろうトーストにスクランブルエッグをのせただけの「エッグスオントースト」は日本人で言うと卵かけごはん的な立ち位置でしょうか。
これに副菜を組み合わせてワンプレートの朝ごはんのできあがり。
以下、instagramの投稿より引用します。
記録動画はこちら。
朝カフェ会にて出張朝食会を担当
10月には知人のミーティング兼朝カフェ会にて、ごはんとコーヒーを担当させていただきました☺︎
調理とコーヒーの役割を分けて担当することは友人と共催のイベントなどでもありましたが、今回のようにひとりで両方を、誰かのイベントに出張する形で担当するのは初めての試みでした。
上の投稿では1枚目で料理を仕上げる様子、2枚目でコーヒーの選定意図などを伝える様子が動画で見られます。
料理とコーヒーの両方を自分で担当してみると「作業も説明もぜんぶ一人でやる」という状況が発生しますが、もとはと言えばこれが私のやりたかったことでもあります。
「コーヒーと朝食の店をやろうとおもっていた」
という話は何度もしてきていますが、特に個人店は大喜利というか、その中でも「頓知」に近い要素があると考えていて、
自分の店という場があったとき、意図が伝わることで成立する一種の表現であるとおもうんです。 そういう意味で
「今日はこういう場だから、こんなふうにしてみました。」
というコミュニケーションは、出張の形でも成立することを改めて学ぶ機会となりました。
関係性があることは前提ですが、誰かの提案を受けたり誘いにのることの意義はこういうところにあるとおもいます。
先日のバリスタ活動実績のなかで書いたような高尾山でのコーヒーツアーなどもそうですが、自分だけでは挑戦できないことや放っておいたら自ら選ばないことを「どう?」と投げかけてもらえるのは自分の実力を試す機会であると同時に、現時点での自分の好みや向き不向きを確かめる好機でもある。
もしも、やってみたけどあまりうまくいかなかったという結果だとしても、収穫がないのではなく、あたらしく自分に関する情報を手に入れたという意味で成果です。
来年も経験のあるなしに関わらず、ピンとくるものは前向きにチャレンジして視野を広げつつ、より自分に合う形を見極めていけたらいいなと思うし、興味をもって取り組めることの優先順位も下げずに日々を楽しんでいたいとおもいます。
------------------------------------------------------
これから。
今日は12月26日現在までの2022年調理師活動実績をまとめました。
読んでいただきありがとうございます。
日々の料理代行のお仕事を基盤にはしているものの、今年は朝食会や料理教室といったイベントが数としてあまりできなかったのが心残りではありますが、このような働きかたを実践していると、日々それぞれのお仕事・活動ボリュームに差があるのは自然なことかなとも感じています。
先日投稿したバリスタ活動実績でも書きましたが、私個人は「自分にしかできないこと」はない、という考えです。
調理師としても、バリスタとしても、コーチングも、自分にしかできない「仕事」はない。
ただ、自分が柔軟でいることができれば「なかなか人が同じようにはできないだろう組み合わせ」で喜んでもらったり、選択肢を提示することはできるのかな、と今は思っています。
今している仕事はあくまで、今の自分が選んでいることで自分の能力や好みと周囲との関係性や世の中の流れの影響を受けて決まっていると思いますが、その要素を見極めながら、今は動きのない「保留」の引き出しにも大小さまざまなアイディアがある。
そんな状態の今が、とても満足度が高いなと感じています。
いま関わってくださるみなさん、いつもありがとうございます。
お問い合わせは各SNSでも受け付けています。
instagram
YouTube
よろしくお願いいたします☺︎
いただいたサポートは、新しい体験をしたり、応援したい方のサポートに使いたいと考えています☺︎普段の活動はこちらです💁 https://www.instagram.com/changeisgoodccc/