2021年バリスタ活動実績
こんにちは。
今日は、2021年のバリスタとしての活動を振り返ります。
何を考えて何をしていたか?の記録として、今後の活動の糧になりますし、興味をもってくださった方に、案内できる資料にもなるので、今年も書きました。
現在、調理師、コーチとしてもお仕事をしています。
バリスタの活動比重がおおきかった昨年に比べると、今年はもう少し淡々と活動を重ねた印象。
素人ながら積極的に撮りためた記録動画を添えているので、興味があるところだけでもご覧になっていただけると嬉しいです☺︎
2014年をオーストラリアで過ごしたことから、現地で働いていたようなお店をやろうかなと考えて、2015年の春に東京ではじめたコーヒーの仕事。
3年半くらいはしっかり店舗に入って働いて、2019年からはヘルプ的な立ち位置で勤務していましたが、2020年5月にフリーランスとなりました。
きっかけはCOVID-19による店舗勤務の自粛でしたが、先が見えない状況で考えていたのは、
自分のもっているもののどこをどう出したら、この状況を「切り抜ける」のでなく「活かすことができるか」ということでした。
「できることをする」と決めて、それまで考えてきたことを(ダメもとで)試すような日々、そのあたりは昨年の活動実績に書いています。
手探りの2020年を終え、2021年のプランがあったか?というと、なかったのですが、試したことで得た結果をもとに、自分だから提供できる価値は何か?という焦点に絞り活動した1年だったなとおもいます。
時系列に見ていきます。
2-3月
「ゲリラコーヒー」 をスタート
2月末に、《ゲリラコーヒー》と称した間借りコーヒー店を初めてオープンしました。
おおきな目的としては2つ。
ひとつは、自分自身の勉強の機会をつくるということ。
もうひとつは、来てくれた方に興味を深めてもらうきっかけを増やすこと。
コーヒーラバーのお客さんには、ある程度コーヒーの知識があって、街場のバリスタと専門的な話ができる方も多いですが、
(特にスペシャルティコーヒーに関して)一般の方にまだまだ知られていない、というのが私個人の認識で、
2020年から主催している《バリスタ とめぐる「コーヒーショップ 分解」ツアー》や、コーヒー付きの朝ごはん会《日曜の朝食会》に来てくださる参加者さんの感想から「その人それぞれに合った学びかた」が求められている、と感じていました。
というのは、
個人でコーヒーについて学ぶとき、いろんな方法がある中で私は、気に入ったお店に通うことをお勧めしているんですね。
「はりきってセミナーに参加したけど結局続かない」という構図には、個人の興味という視点が欠けていると考えていて(基礎的なことをまとめて学ぶ際には良くても、継続的な学びにつながりにくい)
主体的に学ぶことを前提としたとき、双方向のやりとりは大きな助けになるからです。
ただ、これは通えるお店がある人は良いのですが、
自分もわかっていないことを誰かと話すことはとても難易度が高いので、
「自分の好みが定まるほど(まだ)いろいろなコーヒーを飲んでいないお客さん」の場合、お店でバリスタに疑問をぶつけてみよう、とは容易になれないのだ、とわかってきました。
そこで、まずは飲んで興味をもってもらうため、ゲリラコーヒーではメニューをおもいきりシンプルにし、とにかくトライのハードルを下げることを意識しました。
初めてのゲリラコーヒー開催を告知したSNSの投稿から。
場を開くことで、いろんな人に、そしていろんなニーズに出会えます。
コーヒーを提供するという行為以上に、
興味を持ってくれる人に出会い、相手が必要なアプローチをできる場に、というのが自分なりのチャレンジポイントでした。
コーヒーショップツアーや朝食会などの活動を通して、
「コーヒー興味あるけどよくわからないんです」
という声を聞くことが何度となくある一方で、「なにもかもわからないわけじゃなくて、そこにはグラデーションがあるはずだ」という確信もあったので、わからない、の中身を考えました。
それで、そのなかには「何が知りたいのかすらわからない」という複雑な感情も混じっていることが肌感としてわかってきたんですね。
これから自分のコーヒーのスタイルを作っていこうとしているみなさんが、「自ら」興味を深めていけるにはどうしたらいいのか?
コーチングの考えかたがベースにあることも作用していまのような「教えすぎない」スタイルに落ち着きました。
「絶対に失敗したくない」
「1から10までしっかり教えてほしい」
という人にはマッチしないものの、せっかく興味を持ってくれた人に、できれば長くコーヒーを楽しんでほしい。
生活の場所やステージが変化しても、自分の楽しみかたを創ることができれば、そのときどき、先々でずっとおいしいコーヒーを発見したり、お店でコミュニケーションを楽しんだりできるからです。
とはいえ、はじめの時点ではあまり深く考えていませんでした。
あたらしいことを試すときはいつもそうですが、
予測と実際に起きることの差、その詳細を知るためには自分で試してみるしかないし、良し悪しに関わらず、その結果は必ず次につなげることができると信じています。
これは昔からそういう考えだったわけではなくて、大人になってから、さまざまなトライを繰り返して変化していった部分で、これはこれで「自分の学びかた」と言えるとおもっています。
ゲリラコーヒーを試して考えたことをまとめた記事はこちら。
2021年12月半ばの現在まで、月に1-2回のペースで合計18回の開催をすることができました。(年内にあと1回開催予定)
ゲリラコーヒー開催 3回
スペシャルティコーヒーのフルコース @ KOFFEE MAMEYA KAKERU
3月前半に、バリスタの友人と清澄白河のKOFFEE MAMEYA KAKERUへ。
2021年1月末にオープンしたばかり、完全予約制の、これまでにないコーヒー体験ができるお店です。
表参道にある KOFFEE MAMEYAでの体験も素晴らしいですが、KAKERUでの時間はまったく別物。他にはない、きわめて贅沢な時間です。
あたらしい取り組みで、ピンときたものは、聞いたり読んだりするだけでなく、できるだけ自分自身で体験しに行くことを大事にしています。
30秒の記録動画はこちら☺︎
4-5月
ゲリラコーヒー開催 3回
コーヒーショップ分解ツアー開催
5月半ば、普段は土曜開催にしている「コーヒーショップ 分解」ツアーの平日開催を。
2020年の夏にはじめたコーヒーショップ分解ツアー。
開催はそこまで頻繁ではなく、参加人数も一度に3名までなので、数字的には細々とした活動なんですが、
枠の決まったツアーでないぶん、多様な興味をもった方があつまるなぁと感じています。みなさんの参加の動機自体がそのまま自分の学びになっていて、(こちらの)幸福度がすごく高い時間になっています☺︎
6-7月
ゲリラコーヒー開催 4回
コーヒーショップ分解ツアー開催 2回
夏、冬のコーヒーショップ分解ツアーは、リクエストに応える形での開催としていて、こちらからは日程を指定しないのですが、7月はありがたいことに2週続けて開催をさせていただきました。
日曜の朝食会に来てくださった方が、ショップツアーに参加してくれたり、その逆もあったりと、切り口が複数あることで参加がしやすい設計になっているのかもしれません。
7月3日 開催分 記録動画。
7月11日 開催分 記録動画。
ゲリラコーヒー用ドリンク開発
2月から続けているゲリラコーヒーでは、コーヒーを2種、創作ドリンクを1種というメニューにしています。
そのため、自家製シロップをつくる機会が格段に増えました。
毎回違うものと決めているわけではなく、季節のものを使っているだけ。
ですが、これは料理の仕事をしている影響もあるとおもいますが、
果物と野菜の境界を意識的に曖昧にし、素材の自由度を取り戻す発想になったことで、レシピの幅がだいぶ広がったとおもいます。
特にキュウリシロップは意外性を感じてもらえる提案でした。
きゅうりの瓜感がジントニックのような爽やかさで、おいしさと面白さを兼ね備えた一品に。
ほかにも、レモンと山椒 ↓
ビーツとビネガー ↓
かぼちゃとコーヒー ↓ など
おいしいとおもしろいを軸にたのしく取り組むことができました☺︎
8月-9月
ゲリラコーヒー開催 3回
【番外編】 KYOTO GRAPHIEと私的コーヒーツアー
9月は国際写真祭のボランティアをするため、京都へ。
普段、旅先でどのように街を歩き、お店を見ているか?など、写真とともにまとめました。
10月-11月-12月
ゲリラコーヒー開催 7回
巣鴨 RYOZAN PARKマルシェに出店
10/23 にはお誘いをいただき、巣鴨のRYOZAN PARKさんのマルシェに出店。
街に開かれたスペースで、無店舗で活動されている様々な業種の方が出店されており、個人としても得るものが多い1日となりました☺︎
バリスタ とめぐる「コーヒーショップ 分解」ツアー下北沢編を初開催
10月末には「コーヒーショップ 分解」ツアーを下北沢で初開催。
清澄白河のツアー参加者さんから「他のエリアでも開催してほしい」という要望が複数あり、いい意味で雑多な下北沢での開催を決めました。
清澄白河は、ブルーボトルコーヒー旗艦店というエスプレッソ、ドリップ、ペアリングやグッズ販売など「コーヒーショップ文化」のあらゆる側面を実際に見ることができる店舗で、多方面の興味に対応できるという意味で、
どちらかというとアカデミックな視点から選んだ土地でした。
対して下北沢編ではコーヒーを扱う業態の多様さを生かし「コーヒーそのもの」にフォーカス。
喫茶店、カフェ、コーヒーショップと時代の変遷を垣間見るような体験が可能です。
BEAR POND ESPRESSOの田中さんの言葉を借りれば
「イーストビレッジにそっくりな」下北沢の自由な雰囲気も手伝って、シンプルに「コーヒーを楽しむ」ツアーになったとおもいます。
記録動画はこちら。
交流型ワークショップ OPEN PLACE for Coffee をリリース
10月1日は国際コーヒーの日です。
季節的にも夏が終わり、ホットコーヒーがおいしくなる季節で、バリスタの活動もアクティブにしたくなる時期。
昨年はひとりで《勝手にコーヒーフェア》を開催していましたが、
今年はあたらしい試みである交流型のワークショップ《OPEN PLACE for Coffee》をリリース。
着想の経緯はこちらに。
冒頭で触れたように、他のバリスタとの違いをいかに感じてもらうかを常に意識しています。
大手チェーンによるものを含め、既に世にたくさんある「教える場」を自分がつくる意味を見出せず、これまで遠ざけてきたワークショップでしたが、
「やってほしい」
と直接リクエストをいただき、やってみることにしました。
ワークショップ説明文より。
「自分」が教えたいことが先にあって、それになぞって進行し、こうですよね、という流れには抵抗がありました。
自分の場合、コーチングの考えかたがベースにあることで、教える内容そのものでなく、相手の意志や感情に向いているのだから、
「相手」がコーヒーのどんなポイントに困っていて、興味を持っていて、どのように生活に取り入れたいのか?
そこを深く掘るべきだとおもいました。
知識や技術も伝える、ただし相手が知りたいと感じたことや、ピンときているところを起点とし、
《いっしょに考える、それを促進するようなサポート》であれば、自分がやる意味があるとおもえたんですね。
そのため、ここはシンプルに、
そんな形でのスタートになりました。
記録動画はこちら。
2年ぶりのおおきな展示会 SCAJへ
今年11月は、2年ぶりに《ワールドスペシャルティコーヒー・カンファレンス(SCAJ)》が開かれました。
2015年にコーヒーをはじめてから、毎年訪れていたSCAJ。
コーヒーに関連のあらゆるものが揃い、各部門(抽出、カッピング、焙煎)での大会も開かれ、バリスタにとっては非常に価値の高い学びの場です。
instagramの投稿より。
記録動画はこちら。
交流型ワークショップ2度目の開催
11月後半には、再びワークショップを開催。
複雑なことをよりシンプルに伝えるために、すこし前から学びはじめた図解を駆使するようになりました。
コーヒーに限らず、自分のことを振り返って感じるのは、
やっぱり《いま興味があること》《いま必要になっていること》からしか、積極的に学ぶことができなかったな、ということ。
だからこそ、自分のなかから湧き出る興味を大事にして、他者と比べてほしくないとおもっています。
どこからはじめてもいい、進んだり戻ったりして、最短ではないかもしれないけど、その過程にいつもたのしさを感じられるような学びの場を提供していきたい、と素直におもえる大事なコンテンツになりました。
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これから。
今日は12月16日現在までの2021年バリスタ活動実績をまとめました。
読んでいただきありがとうございます。
最後に、今のような活動のしかたを選んだことについてすこしだけ。
今年の夏に、自分のはたらき方についての noteを書きました。
店舗で働く、店舗を構えるという既存の在りかたに加え、もっとそれぞれに合った形でコーヒーの仕事を続けることができないか?
フリーになって2年近くが経つ現在も基礎にはその問いがあり、模索中です。
それでも数年前に比べれば「ひとつに絞って極める」以外の選択肢が多様になり、どんどん動きやすくなっている実感があります。
今年は「コーヒーの活動をすでにしている」あるいは「これからしていきたい」という方がちらほらと活動の場に来てくれるようになりました。
コーヒーをはじめたい、仕事にしたいと考えているけど「見あたる選択肢にしっくりこない」という方が、自分の活動や発信を見てくださり、
何かしらのヒントを感じてもらえるとしたらこんなに嬉しいことはありません。
間借り出店も、ツアーも、ワークショップも。
お客さんが自分のおいしいをつくるために、必要なサポートをすること。
バリスタの選択肢を増やすこと。
そんな自分の答えに則した活動を続けたいです。
そして、続けるためには、やっぱり自分のたのしさを手放さないこと。
来年もトライはつづきます。
いま関わってくださるみなさん、ありがとうございます。
そしてこれからあたらしく出逢う方々、たのしみにしています☺︎
お問い合わせは各SNSでも受け付けています。
HELP MEALS(料理代行)
よろしくお願いいたします☺︎
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