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長編純愛小説【東京days】

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#長編小説

長編恋愛小説【東京days】11(第一章 九月)

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

第一章 九月

僕の働く職場から奈美の暮らすマンションまでは徒歩五分ほどの距離だ。
奈美の優しさにも便乗して甘えている僕。

『私の部屋から通っていいよ。来たいとき、泊まりたいとき、いつでもいいから』

その言葉を聞いて以来、一週間のうちの半分は奈美の部屋で暮らしている。
俗にいう半同棲というものだ。

奈美は僕のどこが気に入ったのか・・・。
こんな

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長編恋愛小説【東京days】10(プロローグ完結)

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

シンナーの匂いが消えるまで近所を散策することにした。

奈美がバスガイドのように、丁寧に住まい周辺を案内してくれる。

思えば仕事以外で、新宿御苑に訪れたことなど一度もなかった。

目に飛び込む景色一つ一つが新鮮だ。
奈美が得意気にマシンガンのように早口で説明を続けている。

『ねぇ、聞いているの?』
『あぁ、ごめん。この街に魅了されたようだ』

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長編恋愛小説【東京days】9

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

『はい』
『奈美』
『だから何』
『う~ん、最高の気分だよ』
『訳が分からない』

僕たちは顔を見合わせて無邪気に笑った。

奈美の住まいに立ち寄る際に買っておいたドリンクを二人で飲む。

『ここって本当にいいでしょ』
そう言葉を口にする奈美は本当に、この場所が気に入っているのだろう。

『御苑の気を感じることが出来るからだろう』
『うん。今も強く感

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長編恋愛小説【東京days】8

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

そして板をはめ込んでいく。
奈美はドリルで釘を刺して、ベニヤ板を床面に固定させている。

暑がりの僕は大量に身体中から放出される汗をぬぐう。

奈美が気を遣って扇風機のスイッチを押してくれた。

奈美は本当に優しいんだなとそう思った瞬間、奈美は突然、扇風機のスイッチを切った。

僕には奈美の行動の意味が理解出来ずにそれとなく聞いてみた。

『富川さん

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長編恋愛小説【東京days】7

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

えっ』
『だっていい話だし、掘りさげないと勿体ないよ』

呆気に取られながら言葉を返す。
出会った頃とは逆の立場になっているではないか!

少し僕は恥ずかしくなった。

『何、赤面してるのよ』
『いや、何でもないから』
深く息を吐き出す。

『今は別の作品を書いてるんだ。完成したらその作品を書き直すつもりなんだ』
『私も一緒に書きたい』
『いいよ』

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長編恋愛小説【東京days】6

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

耳に力を込める。
奈美が歌い出す。激しい曲だ。

ロックでもかなりコアだ。マニアックすぎる。
奈美の違う一面を垣間見た気分だ。
でも、可愛くてたまらない。

楽しい気分に心は躍動する。
歌っているときの奈美は一点集中だ。

おそらく僕の姿も、部屋に飾られた風景画も、テーブルの上の焼きそばとドリンクも存在していないのだろう。

最初から最後まで同じ状態

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長編恋愛小説【東京days】5

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

『拓也さんってどんな歌を歌うの?』
『バラードがメインだよ』
『バラードっていいよね』
『でもさぁ、カラオケに行くと必ず盛り上がりを鎮めるのは僕なんだよね』
『どうして?』
『激しいリズムやアップテンポな曲ってまず選曲しないから』

薄ら笑いを漏らす奈美。
思わず両手で口元を隠す。

笑った奈美は輝いている。出会った頃の奈美は本当に寂しい顔をしていた

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長編恋愛小説【東京days】4

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

数日後、奈美がやって来た。
はい、と言って僕にレポート用紙を数枚差し出した。

『書いてきたから読み終えたら感想を聞かせてほしいの』
『時間を少しくれないか?』
『うん』

僕たちの関係がジェットコースター並みの速さで、この先をどんどん加速していく。

僕は奈美のことを何一つ知らない。
それともう一つ後々に判明するのだが、僕を新進気鋭の作家だと思い込

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長編恋愛小説【東京days】3

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

奈美は平然としている。
黙って次の言葉を待っているのが本当に伝わってくる。

僕のほうが緊張している。ずっと見つめられて恥ずかしさで顔が赤くなっていく。

どうやら奈美のあどけない表情や自然と発する言葉に魅了されて恋心を抱きつつあるようだ。

僕が奈美に一目惚れされたのに。

苛立ちを隠せず、待ちくたびれたお客様に気づく。

『お客様、大変申し訳あり

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長編恋愛小説【東京days】2

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

ある日、疲労で倒れた女性を店舗内で介抱していたスタッフに変わって、心配になり話し掛けたのが奈美との初対面だった。

僕はまだ奈美が大学生くらいに見えた。
本当に随分と若く見えたものだ。

奈美もまた僕に対して同様の思いを持っていたようで、実年齢より若く見えたそうだ。

この初対面が僕たちを思ってもいなかった方向へと運命が導いていくのだった。

それは

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