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好きな詩 とか(2022年)

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#写真

人間であることを 問い続ける

人間であることを 問い続ける

☆photopos-3025  2022.12.20

人間であるとは
人間であることを
問い続けることである

けれど天使は
天使であることを問わない
自動的な存在だ

みずからを問うとき
天使は堕天使となり
人間にむかい
堕ちたじぶんのように
みずからを問うようにと誘惑する

そして人間は
堕天使の誘惑のままに
人間であることを問い続け
その矛盾のなかで
矛盾ゆえにこそ

そこから自由の翼を

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こんなにしあわせでいいのかな

こんなにしあわせでいいのかな

あなたの

しあわせを願う時

世界はまぁるくなって

やさしくなるね

こんなに

しあわせでいいのかなって

思うほどに
 

どんなに小さなコミュニケーションも、その目的は、目の前の人をしあわせにすることなんだな。

そう感じた時。

またひとつ、わたしの中で張り詰めついた力が、ふぅと息を吐き、消えていきました。

こうして、「わたしが、わたしが。」という苦しみが少しずつ癒えていくのですね。

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ことばは どこから 生まれたか

ことばは どこから 生まれたか

☆photopos-2958  2022.10.14

ことばは
どこから
生まれたか

ことばは
世界を映すのか
世界に映されるのか

語れないことばは
世界のどこかに潜んでいるのか
それともどこかへ帰ってゆくのか

永遠のことばはあるのだろうか
こんな刹那のことばのなかで

数は
どこから
生まれたか

数は
世界を数えるのか
世界に数えられるのか

数えられない数は
世界のどこかに潜んでい

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うたかたの心を超えて

うたかたの心を超えて

☆photopos-2896  2022.8.13

その先は
見えない

うたかたの心を超えて

思いは
かなたへ

光は
届かない

ぬばたまの夜を超えて

夢は
かなたへ

言葉に
できない

うつせみの命を超えて

祈りは
かなたへ

※愛媛県内子町・小田深山渓谷にて

なぜわたしのなかに光があるのか

なぜわたしのなかに光があるのか

☆photopos-2870  2022.7.18

なぜ
見えるのだろう

わたしのなかに
光があるからだ
と答えるとしようか

ではなぜ
わたしのなかに
光があるのだろう

わたしにはすでに
光が与えられているからだろうが
それがいったい何なのか
わからないままだ

なぜ
好きなのだろう

わたしのなかに
愛があるからだ
と答えるとしようか

ではなぜ
わたしのなかに
愛があるのだろう

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わたしというポリフォニーを生きる

わたしというポリフォニーを生きる

☆photopos-2866  2022.7.14

わたしは
わたしという
ポリフォニーを
生きている

わたしが
いるということ

それは
わたしたちが
そして
せかいが
響きあっているということ

わたしが
わたしたちが
語るとき
せかいもまた
語っている

わたしが
わたしたちが
歩くとき
せかいもまた
歩いている

わたしは
わたしたちは
せかいは
そうして
いままさに生まれている

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優しくなる

優しくなる

それでいいんだ

きみがどんどん大人になって

打算を覚えて ずる賢くなり

夢さえ忘れて 諦念を選び

無意味なことが

本当に無意味に思えても

それでいいんだ

もう素敵な詩が書けなくなっても

もう世界が青く見えなくても

あのころのきみの面影が

消えてなくなるわけじゃない

きみは優しくなるだけだ

なにもなかった孤独な世界を

はじめて照らした光のように

きみは優しくなるだけだ

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黄菖蒲

黄菖蒲

雨音を

讃えるように

黄菖蒲の

耳をそばだて

光りおり
 

どのくらいぶりだろうか。

見事な梅の樹をみつけてからというものずっとその傍で体を動かしていたから、こうしてこの場所をゆったりと歩くことが随分と減ってしまった。



雨の湿地帯に足を踏み入れると、杜若の静かなる黄色の輝きが雨に打たれていた。

雨に濡れた木道が空の光をやわらかに跳ね返す、その明るさがこの黄色を何ともやさしくす

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いのちとは ひたくれなゐに

いのちとは ひたくれなゐに

☆photopos-2726  2022.2.23

いのちとは
ひたくれなゐに
染まる血汐なり

生のみならず
死を巡りてもなを
流れつづける
魂の河なり

光と闇の
彩に織り成され
不思議の模様を
描き止まぬ時なり

ときに荒野に
ときに花の野にありて
切なる言霊で染められる
祈りの歌なり

※愛媛県内子町・小田深山渓谷にて

世界中のわたしへ

世界中のわたしへ

わたしだけは

わたしだけは

わたしをあきらめてはいけない

だれが何と言おうと

わたしはわたしを生かす

世界中のわたしに

生きろと言う

この叫びが届くよう

わたしはわたしを

誠実に生きる
 
 

今年もまた福寿草が咲き始めました。

土の上に顔を出して、ピカリと輝く。小さなパラボナアンテナみたいだなぁ。

静かに、でも確実に巡り行く季節。

あと2週間もすれば、始まりの立春です。

足あと

足あと

大丈夫。

わたしには

わたしの

生きた足あと
 

その人は言った。

「芸術を残したいんだ。」

「その域に達していなければならないんだ。」と。

命を削り魂を生かす創造。そのさまは美しい。

しかし、いったい誰が決める?

生きること全てが芸術だというのに。

人ひとりが、生きて歩いた足あとはみな本物じゃないのかな。

大丈夫。

時代にそぐわなくとも、魂という「永遠」に刻まれる。

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愛と光?

愛と光?

愛と光?

いまだ名も成さぬ
あなたのような人から
そんなこと語られてもね

説得力ないんだよ。

それはそうだ

けど、愛と光に
成功は関係ないんだよ

はじめからそれは
ただ、あるものなんだから

べつに
成功してみせなくても
いいんだよ

強いんだぞ
すごいんだぞ

そんな証明は
いらぬことなんだ

名も成さぬぼくにも分かる

ただ、ここにある。
それが愛なんだ

愛を知れば
それだけで

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