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#死

無数の光

無数の光に包まれて
世界を破壊するヤマザキ
デイドリーマーを
口遊みながら
彼は淡々と全てを
壊し続けるのだろう
死の四騎士を再現しながら

幸せには為れない

咲いたばかりの
花を摘む引き籠り
悪魔と取引する
コールガール
太陽に背を向けて
殺人を犯すヤマザキ
誰も彼も
幸せには為れない
死なない限りは

死の天使

全ての者に
平等な死を与える
死の天使
老人も幼子も
金持ちも貧しき者も
選りすぐらずに
静かな死を齎す
自らに死が
訪れるその刹那まで

雪の降る季節に

酷く凍れる
雪の降る季節に
貴方は死んだ
自分の感情を
他人に見せ付ける為に
怒りはしない
貴方が死んだ
真夜中の月だけが
唯ひたすらに美しい
2月の季節に
貴方は死んだ
私だけを置き去りにして

太陽を隠した白狂

父が死んだ真冬の夜に
太陽を隠す白狂
彼にとって
父の居ない世界は
死と変わらないから
他人にとって掛け替えのない
太陽を隠して
白狂は何処かへ消え
世界は宵闇に包まれた
永遠の永久に

ありふれた死

それはそこらに
散らばっていて
普段は皆が
気付きやしない
何時の間に
触れてしまったら
もうそれで
お別れなのさ
ありふれた死が
巷に溢れてる
この世界は今も
美しく燃えている

禁じられた遊戯

飛ぶ事を禁じられた酉は
躊躇わず空を目指す
死が訪れるまで
吠える事を禁じられた犬は
構わず声を上げる
死に抱かれても
何も禁じられていない私は
暗い街中を彷徨う
死を願いながら

パイソンハンター

鬼火と呼ばれた
殺し屋が腰に差す
パイソンハンター
鬼火に狙われた者は
逃れる事など叶わず
怯えながら命を散らす
ゆらりと揺れる
焔みたいに彼は
何処からか現れ
消えて逝くだろう
誰にも捕らえられずに

クラップ・ハンズ

行き場の無い
感情を胸に
若者は街中で
AR‐15を撃ちまくる
まるで手を叩く様に
叫び声は
銃声に掻き消され
無数の死が積み重なる
闇から現れた特殊部隊が
彼の心臓を撃ち抜いて
手拍子は鳴り止んだ
彼の體から永遠に

ヴァルハラへ落ちる

敬虔なる者は
死してヴァルハラへ
信仰ある者は
死んでヴァルハラへ
信じない者は
死が来てヴァルハラへ
唯、落ちて逝く
生まれ変わる事叶わず
塵となりグラズヘイムを漂う

自殺する蛾

理由も無く彷徨い
自殺する蛾
生に価値は無いと
本能が知っているから
自らその命を絶つ
個の意志を持たない
彼らは等しく
死に意味を求めず
誘蛾灯で骸を燃やす

雨に泣いている

死ぬ事の無い酉が
雨に泣いている
吹き荒れる風に押され
私は哭いている
気に掛ける者など
何処にもいない儘
私達は何時までも
雨に泣いている

テンプテーション

貴方の濡れた唇が
私を惑わせる夜
対価を払わなければ
その體に触れられない
純粋な命を賭けて
抱き合えるならば
死すら厭わないと
口に出来たら良かった
私は何も出来ず
ただ独りの街を歩こう
赤線の明かりが
瞳を灼き焦がすまで

葬送

許せない事から
目を逸らして
育った子供達は
あの日の様に
もう歌えやしない
純粋な瞳で
他人を殺し続ける
己の命が
時を止める日まで