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ヤマダヒフミ
2023年7月24日 19:51
芥川賞の第169回が決まったらしい。市川沙央の「ハンチバック」だそうだ。 市川沙央という人は、症候性側弯症という難病で、人工呼吸器、電動車椅子を使用している。かなり重たい障害を持っている。小説の主人公もまた、重たい障害を持っているそうだ。「ハンチバック」という作品も、作者自身を投影した小説と見て間違いないだろう。 私は件のニュースを最初に見た時、ほとんど何も思わなかった。もう芥川賞に何も
2019年4月17日 15:37
「自分がゆっくりと死んでいくのを私は少しずつ噛み締めたい、と思っている。もちろん生きられれば生きたいが…。 私はもう一年もこの病院のベッドに体を括り付けられている。余命が長くないのも自分でわかっている。自分の中の小さな火が少しずつ消えていくのが自分でもわかる。 私の病気はガンで、悪性のもので、発見した時にはもう助かる見込みがなかった。私はまだ二十歳で、これから人生が始まるのだと思っていた矢
2019年4月21日 23:50
夢の中では様々なものが鮮やかだった。ところが、それらが何なのか、目覚めてみると覚えていない。ただ鮮やかだったという印象しかない。 色々な人が色々な事を言っている。ところが、それは私にはどうでもよかった。どうでもよかったんだ。私は、体を起こして歯を磨きに洗面台に向かった。 歯を磨きながらテレビをつけてみた。テレビでは、さっき戦争が始まったとリポーターが興奮しつつ話していた。でしょうね、と私
2024年6月6日 04:46
福田恆存の思想について知りたくて図書館に行ってきました。三島由紀夫全集の中の対談が載っている巻を取り出し、ぱらぱらと読みました。 福田について知りたくて三島との対談を読んだのは、どうやらその対談で福田の思想が鮮明になりそうだ、と踏んだからでした。 結果から言うと、福田の言わんとする事の理解も深まったとは思いますが、それ以上に、三島由紀夫についても理解が深まった気がします。 福田
2024年6月2日 00:34
福田恆存を読んでいたら、日本近代文学について述べたところで「日本の近代文学は神は不在だったが、原罪はあった」というような文章に出会い、(そうだよなあ)と考え込んでしまった。 私が知っている限りでは太宰治が当にそういう状況を体現していた。太宰がキリストというものへの関心を示し続けたのは、太宰において、そして日本近代文学においては「神はいないが原罪はある」という状況だったからだ。 神はい