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テクノロジー

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いろいろな地域から伝えられた技術がある。また、奈良で生まれ、京都で育ち、大阪や東京を中心として世界に広がったさまざまなテクノロジーもある。日本のコミュニティから世界のコミュニティ… もっと読む
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記事一覧

ニジマスからサケ

ニジマスからサケ

東京海洋大学の吉崎悟朗教授の研究チームは、サケの卵や精子をニジマスにつくらせる技術を開発した。

サケの仲間であるキングサーモンは成魚になると、海から生まれ育った河川などに戻って産卵をする。性成熟には3〜7年ほどかかる。精子や卵は生涯で一度しかつくれず、産卵を終えると雌雄どちらも死ぬ。

対してサケ科のニジマスは毎年産卵できる能力を持つ。研究チームは遺伝子を改変できるゲノム編集技術で自らの生殖細胞

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ペットボトルのキャップに備わる、ある機能

ペットボトルのキャップに備わる、ある機能

ミルク入り飲料や果汁飲料のペットボルトのキャップには、防爆機能が備えられている。どういうことかというと、ペットボトルの内部発酵により高圧の炭酸ガスが発生し、キャップが飛び出す恐れがあります。
そのため、キャップには内圧が上昇すると変形する構造にし、キャップが飛び出さないような構造になっている。


『参考資料』
http://www.csij.jp/product.html

【技術教師旅】金沢蓄音機館

【技術教師旅】金沢蓄音機館

金沢駅から徒歩20分場所にある、『金沢蓄音機館』に行ってきた。


欧米や日本の蓄音機が一堂に会した博物館。スタッフさんの話では、金沢市の蓄音機マニアが処分に困って金沢市に相談し寄付され、ある会社の建物が空いたのを機会に改装して、寄付された蓄音機を展示したとのこと。また、NHKの朝ドラ「エール」のロケが始まる前に、朝ドラの関係者がこちらの博物館に。蓄音機の知識を学んでから撮影が始まったとのこと。

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車の塗装、フィルムを貼るだけで完成

車の塗装、フィルムを貼るだけで完成

自動車の製造工程でCO2排出量の約20%をしめているのが、塗装工程だ。電気を流した塗料プールに部品をつけて、満遍なく塗料が付着するように電着塗装するなど、他にもキレイな仕上がりにするために多くの工程がある。

積水化学工業は、塗料をシート化し、塗装工程を通さず転写により塗装を実現する技術を開発した。塗料層は粘着性があり、粘着テープのように貼り付けることができる。

素人目線で言えば、iPhoneの

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防氷装置

防氷装置

飛行機は他の乗り物にくらべて非常に厳しい環境にさらされます。氷点下の雲の中やマイナス80℃にもなる1万メートル以上の高度になると着氷が起こりやすいため、防氷装置が装備されています。
ウィンドヒートは車の後部窓ガラスにもついていますが、構造と目的が異なります。
【車の窓】
電熱線ヒーターが内蔵されていて内側のくもり止めをします。
【飛行機】
窓の全面をほぼ透明な伝熱ヒーター層でおおい、主に外側のガラ

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梱包材として使われた植物

梱包材として使われた植物

現在では、プラスチックの梱包材が普及しているが、プラスチックが利用される前は、植物を梱包材として使うことがよくあった。
牧草であるクローバーの和名がシロツメクサとなったのは、梱包材となる草、「詰め草」だったからである。

ヨーロッパ貴族を魅了したランの花は、1818年にブラジルで活動していたプラントハンターが熱帯植物をロンドンまで送った際に、あまり大切ではなさそうな植物を詰め草として詰め込んだ。荷

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アロマでトマトの防虫

アロマでトマトの防虫

東京理科大学の研究によると、トマト土壌にローズ精油を施用すると、トマトの葉の防御遺伝子PR1が活性化することが明らかになった。また、圃場での実験から、ローズ精油で土壌を処理すると、害虫による食害が54.5%にまで減少することを実証。

さらに、ローズ精油溶液はチリカブリダニなどの害虫の天敵を誘引する効果も示唆された。

『参考資料』

https://www.tus.ac.jp/today/arc

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トマトは"野菜"か"果物"か

トマトは"野菜"か"果物"か

19世紀のアメリカでは、野菜に関税をかけ、果物は無関税であった。そのため、トマトは果物なのか野菜なのかで裁判沙汰になったことがある。

植物学的には「フルーツ」というのは植物の果実のことである。そのため、トマトは果実である。しかし、フルーツという言葉は、植物学以外でも用いられる。つまり、デザート的に食べるものがフルーツであり、料理の食材として調理して食べるのが野菜である。結局裁判でも、「トマトはデ

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ガード下の機械工具街とパナソニック創業の地

ガード下の機械工具街とパナソニック創業の地

阪神野田駅の近くに「野田阪神機械工具街」と呼ばれる地域があります。阪神電車のガード下に工具の町工場が並ぶ一角です。高架下と言えばすぐに飲み屋(私は大好き!)を思い浮かべる私には新しい発見でした。

野田阪神機械工具街は戦後間もない頃に、ベニヤ板1枚のバラック小屋から 始まったと言われています。国道2号線に直結する場所という特性から同じ業種の店が軒を連ね、徐々 に工具街としての存在を確立してきました

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ムール貝からヒントを得た接着剤

ムール貝からヒントを得た接着剤

物質・材料研究機構(NIMS)の高分子・バイオ材料研究センターの研究チームは、ムラサキイガイ(ムール貝)の接着機能にヒントを得た新しい接着材料を開発した。

ムラサキイガイは海中で岩に固着する際に、カフェ酸という物質を分泌している。カフェ酸は、波長の異なる紫外線を照射することで相互につながったり離れたりする。

家電製品や自動車など、しっかりくっつき、パッと離れる性質は応用範囲が広い

『参考資料

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