しおりん

元公立学校教員。早期退職して大学院に進学したあと海外の教育について研究しています。小学…

しおりん

元公立学校教員。早期退職して大学院に進学したあと海外の教育について研究しています。小学校から大学まで様々な場で教えた経験と各国での調査をもとに雑多な記事を書いています。

マガジン

  • 旅のスケッチ

    旅で出会った小さなエピソードを心象風景とともに紹介します

  • オーストラリアの学校

    私が体験したオーストラリアの学校の様子です

  • 放課後のメモリースケッチ

    教員時代に書いた学級通信をもとに実践を振り返りながら教育について考えています。

  • 日常の小さな物語

    日々の生活の中で心に残った小さなできごとを綴っていきます。

  • 学校の小さなできごと

    学校内外でみつけた小さなエピソード集

最近の記事

一杯で終わらないのが・・・

「ちょいと一杯のつもりで飲んで~🎵」 「スーダラ節」の歌詞を自分と重ねる人は多いようです。 私もその一人です。一杯でやめられないのがお酒です。 オーストラリアのパブにこんなポスターが貼られていました。効果のほどはわかりませんが。

    • テングザルの鼻はなぜ大きい?

      マレーシアに行ったとき、初めてテングザルを見ました。テングザルはボルネオ島のみに生息するオナガザルの仲間です。 海沿いのマングローブの林や川沿いの湿地林で生息しています。名前の通り天狗のような大きな鼻をしていました。 大きな鼻を持つのはオスだそうですが、なぜオスは鼻大きいのか不思議に思っていたところ、数年前にその謎の一部が解明されました。下記のナショナル・ジオグラフィックの記事にそのことが書かれています。 京都大学の記事↓ 大きな鼻は「男らしさ」の象徴であり、雌を魅了す

      • オーストラリアの校長先生を密着取材しました

        私はこれまでオーストラリアの学校をたびたび訪問し、先生たちの日常をつぶさに見てきました。これは学校長に一日密着したときの記録です。(写真は必ずしも記事に直接結びつくものではありません) ケイ校長の一日 ケイ先生は公立ハイスクール(中高一貫校)の校長です。オーストラリアでは女性校長の割合が日本よりずっと多いですが、ケイ先生も長年校長をしてきました。魅力的な女性で、スクールリーダーとしても抜群の能力を持っており、私が出会った学校長の中でもトップクラスではないかと思います。残念

        • 警備ならボクに任せて!

          見かけじゃないよ。

        一杯で終わらないのが・・・

        マガジン

        • 旅のスケッチ
          124本
        • オーストラリアの学校
          35本
        • 放課後のメモリースケッチ
          173本
        • 日常の小さな物語
          185本
        • 学校の小さなできごと
          32本
        • 遠い日の心象風景
          18本

        記事

          加計呂麻島の残像

          奄美大島を旅したとき、加計呂麻(かけろま)島にも足を運びました。加計呂麻島は奄美大島の南端から大島海峡を隔てた向かいの島です。島へはフェリーで渡ります。島の多くは山林で、集落はほとんどが海辺に立地しています。 特攻艇「震洋」 加計呂麻島は青い海と赤いハイビスカスが咲き乱れる静かで美しい島です。でもそんな美しい島にも暗い戦争の記録が残っています。太平洋戦争末期、奄美大島は沖縄への前進基地、そして本土防衛の最前線となり、加計呂麻島には海軍によって「震洋」と呼ばれる特攻艇が配備

          加計呂麻島の残像

          夕陽を共有する人たち

          数年前に奄美大島を訪れました。国直という集落に滞在したのですが、集落全体に漂う温かい雰囲気にすっかり魅了されました。 国直は奄美市の隣の大和村の東端にあります。リュウキュウチクが群生する海に突き出た岬や白い砂浜がある美しい海辺の集落です。民宿や食堂もあり、夏は海水浴客で賑わいます。少し沖合いまで泳ぐとサンゴ礁が広がっており、SUPやシーカヤック、シュノーケリングを楽しむ人も多いです。 高台からの眺め ヨーロッパから来たカップルがビーチで日光浴を楽しんでいました。 宿泊

          夕陽を共有する人たち

          私の感想ですけど、何か?

          人とたわいない話をしていました。あることについて私が思うところを伝えたら突然「それってあなたの感想でしょ」と言われました。よく耳にすることばです。 ??? はい、私は感想を言ったまでです。いけなかったですか?   日常会話の中で私が発しているのはほとんどが自分の考えや感想です。明確な根拠を示せる事実なんて少ないです。気軽な会話がだんだんやりずらくなってきました。

          私の感想ですけど、何か?

          証拠を求める生徒と保護者

          教師の仕事は楽しいです。けれど楽しいことばかりではありません。指導がうまくいかないこともありますし、釈然としない場面に出くわしたり、不合理なことを甘んじて受け入れなければならないこともあります。生徒や保護者の反応に戸惑うことは少なくありませんでした。前回とは対照的なエピソードです。 学校が荒れていたときです。休み時間に校舎を巡回していたら3年生の男子生徒が3階のトイレの窓からバケツの水を外に撒き散らすのを見ました。他に生徒はいませんでした。彼はたびたび問題行動を起こす生徒で

          証拠を求める生徒と保護者

          カズくんとおばあちゃん

          カズくんは中1と中3の時に私が担任した生徒です。温厚で誰に対しても優しく接し、みんなから好かれる少年でした、陸上部に所属していましたが、運動は大好きで何でも得意でした。だから体育系の行事ではいつも大活躍。お勉強はあまり好きではありませんでしたが、それなりに(?)頑張っていました。 カズくんにはお母さんがいませんでした。カズくんを産んだときに亡くなったのです。だからカズくんにはお母さんの記憶がありません。家族はお父さんとお姉さん、おばあちゃんとおじいちゃんですが、カズくんの面

          カズくんとおばあちゃん

          新聞の投書は素敵な発信源:中学生の投書から

          昨日(7月12日)の朝日新聞に「ネットにはない投書の価値は」というタイトルで中学生の投書が載っていました。内容は「新聞の投書は本名や居住地などの個人情報が掲載されるが、自分の身をさらして新聞に投書するのは自分の意見を突き通したいという思いが込められているからだろう、一方、SNSは匿名にできるから誹謗中傷や憶測も多くなる。今の時代、大切な意見を発表する場は(実名での:筆者)投書しかない。投書の価値を見出した」というものでした。 私もときどき新聞に実名で投書しています。先の中学

          新聞の投書は素敵な発信源:中学生の投書から

          藤城清治美術館に行ってきました

          須高原にある藤城清治美術館に行ってきました。藤城さんは影絵作家です。これまで数多くの作品を生み出してきましたが、メルヘンチックな彼の黒い「こびと」たちの絵はどこかで見かけたことのある人は多いのではないでしょうか。私も子どもの頃から雑誌や絵本で親しんできました。「ケロヨン」の原作者としても知られています。 那須にある美術館は劇場型美術館と言われ、藤城さんの制作活動の集大成と言われる空間です。森の中にあってたくさんの猫の人形が入り口まで道案内をしてくれます。 館内には代表作をは

          藤城清治美術館に行ってきました

          父が作ってくれた運動会の日の卵焼き

          小学生の時、祖母の看病のため母が数か月家を空けたことがありました。その間は父と兄と私の3人で生活し、父が勤めをしながらご飯づくりをしてくれました。理系の技術屋だった父は家事は母に任せっぱなしで料理などほとんどしたことがありません。大変だったと思います。 そんな中、私の運動会の日にお弁当を作って見に来てくれました。ゴザを抱えて。お弁当には母が作るのと同じようなおかずが入っていました。父がそんなお弁当を作るなど思いもしなかった私はびっくりしました。私に寂しい思いをさせたくなかっ

          父が作ってくれた運動会の日の卵焼き

          旅先で地方紙を読む

          松本清張の小説に『地方紙を買う女』という短編があります。女性がある事件の経緯を知るために地方紙を買うのですが、そこから事件の真相が明らかになっていきます。 私も旅行した時に地方紙をよく買います。宿泊先に置かれたものを読むことも多いです。もちろん私が事件に関わっているからではありません。楽しいから読むのです。 地方紙には全国紙とは異なる面白さがあります。地方紙でなければ得られない情報もたくさん載っています。その地域ならではのイベント情報や地元で話題の出来事などは全国紙ではあ

          旅先で地方紙を読む

          またまた唖然!

          言葉が出ません!

          またまた唖然!

          富士山と河口湖とラベンダー、そして・・・

          河口湖に行って来ました。北岸にある大石公園にはラベンダーが咲き乱れ、富士山とのコントラストがこの上もなく美しかったです。観光客もたくさん訪れていました。ほとんどが外国人でした。 ラベンダーにはミツバチがたくさん集まっていました。ミツバチには国籍はありません。 湖畔の遊歩道から眺める富士山と湖は絶景でした。 帰りにちょっと寄り道:「嘯(うそぶき)治水トンネル」 河口湖には「映えスポット」として外国人の人気を集めているコンビニエンスストアがあります。でもそこは立ち寄らず、

          富士山と河口湖とラベンダー、そして・・・

          政治家の「会食」

          今朝お父さんが出がけに「今日は○○と会食するから夕飯はいらない」ってお母さんに言ってた。〇〇さんはお父さんの遊び仲間だ。お母さんは「会食だなんて気取って言うけど、どうせいつもの居酒屋で飲むんでしょ」と鼻で笑った。お父さんは苦笑いしながら「会食には違いないだろ」と言い返してた。 「会食」って何人かで集まって食事をすることだよね。ぼくの中には高級レストランや料亭でとびきり美味しいものを食べるっていうイメージがある。だからお父さんが行く居酒屋だと確かに会食って感じがしない。 政

          政治家の「会食」