「うつ抜けノート」をつくってみた/うつ抜けできるかな日記#4
うつ病と診断されて2ヵ月。抗うつ薬を飲み始めて、4週間が過ぎました。効果のほどはというと、いままでが100だとすると、90くらいにつらさは減りました。
薬はうつ病をどこまで治せるか
まず、味覚がずいぶんと戻ってきました。そして、これまで24時間、「死にたい」「消えたい」と頭のなかでわめき続けてきた希死念慮が弱まる時間も少し出てきました。
ただ、相変わらず頭を締め付けるような頭痛(孫悟空の頭の輪が締まるような痛み)は続いていて、吐き気と悪寒がそれを後押ししていました。
その苦しさから逃れるために、私はうつにまつわる本を読んだり、日記にいま考えていることやその苦しみを書いてました。いわば「うつ抜けノート」をやってみたんですね。
ちょっと気が早い話ですが、ある日の日記にこんなことを書いています。
つまり、うつを治すには薬物療法を受けながらも、人生の生き直し、いま風の言葉で言うとアンラーンをしていくことが重要だということです。
認知の偏りを「うつ抜けノートで修正する」
もちろんうつの急性期には、ただひたすら休んで心とからだの疲れを癒やすことが重要です。しかし、ある程度回復状態まできたら、どうやって社会復帰していくかを考えて、少しずつ行動してみることが必要になってきます。
たとえば私の例で言えば、この連載をとにかく毎週一回続けるというのが、そのひとつといえるでしょう。
文章力は筋力と同じで、書き続けていないと衰えていきます。その意味でもこの連載は、私にとってのリハビリであり、再び仕事を続けていくためのリワークでもあります。
そうしてもうひとつ、うつを治すために必要なのは「認知の偏り」をバランスよく修正していくことです。
認知の偏りは、うつ病ではない人にもしばしばみられます。しかし、うつ状態になると特に顕著になることが多いといわれています。
代表的な認知の偏りを挙げておきましょう。
たとえば私が「自分のうつは治らない」という思い込みを持っているとしましょう。
こんなとき私は、ノートに向かって現実に基づいた「なぜ治らないと思うのか」という客観的根拠を書き出していきます。その一方でその根拠に対する反証も書き出します。
そうすると「これは、感情的な決めつけかもしれない」「これは過度の一般化だな」と、自分が陥ってる認知の偏りが見えてきます。頭の中の「ぐるぐる思考」も減るので、おすすめです。
日記帳を「うつ抜けノート」にしてみた
私にって日記とは、自分の病状がどう変化しているかを知る航海図であり、認知の偏りを修正するためのワークシートでもあります。
またメンタルクリニックでの診療のさい「どうですか」と病状を聞かれて、うまく答えられないということが少なくなりました。
うつ抜けノートの作り方ですが、皆さんがお気に入りのノートにうつのことも書くようにするのがいいと思います。実はうつ用のノートをつくったこともあったのですが、わざわざうつのことだけを書くのが大変ですぐに止めてしまいました。
私が書いているのは、コクヨのキャンパスノートの百枚綴りです。近くの文房具店にないので通販で10冊セットを買っています。お手頃な価格にしては書き味も割とよく、無線とじにしては丈夫です。
書く量によっても違いますが、一冊で半年ぶん近く書けます。
今回のまとめ#4
今回のうつ抜けのヒントをまとめてみます。
薬物療法+うつ抜けノートで、うつの苦しさは軽くなる
書くことで、自分の状況を客観的に捉えられる
病状を記録しておけば、診療で病状を聞かれたときにうまく説明できる
ちなみに、うつ病については、いわばエピソード0としてこんな記事も書いています。
前回は、「うつとは甘えではなく、心の骨折であり、脳の病気であること」を書いています。
はじめましての方も、いつも来てくださる方も、
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
(今回は投稿が遅くなって申し訳ありません)
それではまた来週、金曜日にお届けしようと思います。
これからもうつ抜けに役立ちそうな記事を書いていきますので、
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