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2023年12月の記事一覧

詩 / あな

詩 / あな

人の波の中にあって
ふと 心細い自分に気づく

長く住んでも
親近感が湧かない

生まれた家を壊してしまい
心が帰る場所を失う

毛玉だらけのセーターを
いつまでも着ている

記憶の景色を 求めている

優しい人たちとの
優しい関係に 戻れるならばと

願って初めて
それらのすべてが 何だったのか
考えるようになるのかもしれない

素直になった先には
寂しさが待っている

だから素直になれないのか

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私は惑星🪐

私は惑星🪐

失恋の曲を集めたアルバムがある。
母が離婚した時から家にあったもの
この曲達は音の旨みがありすぎるので
聴き続けているが 同じ曲を聴き続けるということは 解釈を変える必要がある。

失恋をして 悲しい気持ちなど微塵もないのに
湿っぽすぎるものもあるのだ。

▶︎i cant living without you
no i can’t forget tomorrow
明日を諦めきれない
when

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ひたむきな、余りにひたむきな ~息子へ~

ひたむきな、余りにひたむきな ~息子へ~

 息子の幼稚園の生活発表会を観に行ってきた。
 今通っている幼稚園は園児がとても少なく、息子の所属する年少クラスは五人しかいない。園児の多様性に富みながらも、先生方の尽力のおかげで個性の発揮できる環境が整っている。以前の園で過剰適応になってしまった息子も、現在は徐々に自分らしさを表現できるようになってきているようだ。

 生活発表会では先生と園児たちで作った歌や踊り、劇などを舞台で披露する。わが子

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#107 自分さがしをやめたとき

#107 自分さがしをやめたとき

大阪は都会だから、あんまり星が見えないよ。

校外学習で行った田舎のどこかみたいな、満天の星はたしかにないけれど、東京の空よりはずっとましだった。

母と兄と三人で、自動販売機まで散歩した。
もう少し歩けばヤマザキがあるのに。

あれは必ずしも、お菓子を買ってもらうことが目的ではなかったのだ。

なんとなく、外の空気を吸いたかったのだろう。
家族の空気が、そこにはあった。

西武池袋線、東長崎駅か

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#101 それでもあなたは恋をする

#101 それでもあなたは恋をする

つがいになりそこねた鳥がいて

鳴くことさえも忘れていた

川の流れる音

風の吹く音

草木が揺れて、雨のにおいがする

あなたはそれを美しいと感じる

終わらない雨やどり

全てをかき消す、強い雨

きっとこのあと雷雨になる

水浸しの地面から、みみずが這い出る

これは台風なのかもしれないな

それでもあなたは恋をする

自然を受け入れ、慈しむこころがあるから

この嵐も、あなた自身とつなが

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