べいしゃん

不注意優勢型ADHDが、日本社会に適応できずに日本を飛び出した結果、アフリカで強盗に遭…

べいしゃん

不注意優勢型ADHDが、日本社会に適応できずに日本を飛び出した結果、アフリカで強盗に遭ったり、台湾で会社を乗っ取られたり、被告になったり原告になったり……。 そんな人生を記した実話『ADHDは荒野を目指す』と、それにまつわる話をつらつらと書いて行きます。

マガジン

  • 第八章 旅の終わり編 【ADHDは荒野を目指す】

    旅の終わり編

  • ADHDは高学歴を目指せ

    仕事が全く出来ないのに、何故高学歴になることが出来たのか。 そしてその高学歴が、どれだけピンチを救ってくれたか。 ADHDとして、愚かな失敗を繰り返しながら、どうにか生き延びて来た灘校・京大卒の筆者が、自己の体験と、長年従事してきた教育者としての観点から、ADHDの教育について書き綴ります。

  • 旅のこぼれ話

    2000年前後、アジアアフリカを旅していた頃にあった、心に残った出来事を、思い出すままに書き連ねます。

  • 第七章 台湾再起編 【ADHDは荒野を目指す】

    ADHDである僕は、台湾人女性と結婚して台湾に移住、台北に日本人向け進学塾を設立、離婚などのトラブルはありながらも、順調に経営をしていたのですが。  突如、台湾人による会社の乗っ取りが発生。  僕は一瞬にして、全てを失い、途方にくれます。  それでも僕はすぐに立ち上がり、動き始めます。  それに応じて、協力してくれる人も現れ、仕事を再開することが出来。  さらに、お金と会社を取り戻すための、告訴にも踏み切ります。  かくして再起に向けて、確かな一歩を踏み出すのですが。  その先には、様々な妨害や、裏切りが待ち受けており。  その上僕も、同じようなミスばかりを繰り返す。  怒りや情けなさの為に、僕は何度も打ちのめされます。  それでも僕は、常に新たな世界を求め続ける、ADHDです。  僕はまた立ち上がり――その荒野の中を、突っ走り続けるのです。  2010年代後半の話です。

  • 第六章 台湾破滅編 【ADHDは荒野を目指す】

    ADHDである僕は、台湾人女性と結婚、台湾に移住。様々な困難を乗り越えて、ついに日本人向け進学塾を設立。  予想以上に生徒も集まり、開業一年半後には、社員やアルバイトを雇用することに。  さらに、時と共に教室の数も増え、社員も増え、ついには新たに日本語教室部門まで設立。どんどん会社は大きくなって行きます。  けれども。  ADHDの僕には、部下をうまく働かせることも、効率よく仕事をこなすことも出来ず、多くの仕事を一人で背負い込むことになります。  毎日毎日、ただひたすら働き続け、気付いた時には、年間休日三日、というありさまに。  そうして僕は、金と名声を手に入れる一方で、色々なものを失って行きます。  健康も、部下も、若さも、そして――妻までも。  それだけの物を犠牲にしながら、僕はただひたすら走り続けるのです。  ――破滅に向かって。  2010年代前半の話です。

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ADHDは荒野を目指す はじめに

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 二十歳の頃、「青年は荒野を目指す」という本を読みました。

 『ジャズ・ミュージシャンを目指す二十歳のジュンは、ナホトカに向かう船に乗った。モスクワ、ヘルシンキ、パリ、マドリッド…。時代の重さに苛立ちながら、音楽とセックスに浸る若者たち。彼らは自由と夢を荒野に求めて走り続ける。60年代の若者の冒険を描き、圧倒的な共感を呼んだ、五木寛之の代表作』

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結婚式で、荒野を思う 【ADHDは荒野を目指す】

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 しばらくnoteを書く気が起きませんでした。

 それは。

 書くネタが浮かばなかったせい。 
 春になり仕事が多少忙しくなったせい。
 飼い犬が認知症になって夜鳴きが激しくなったことで、たびたび眠りを妨げられ、睡眠不足に陥ってしまったせい。
 
 それらの要因は、確かにありますが。

 それ以上に。

 「結婚式」にて、かなりのダメージを受けたのが、かなり大きい要因になります。

 残念なが

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 40.

 ADHDである僕は。

 その自分の特性を、恨み続けて生きてきました。

 世間の感覚と合わず、ずれた言動ばかりになり、周囲から浮いてしまう。
 相手を思いやって発した筈の言葉で、逆に傷つけてしまうことなど数知れず。

 興味が長続きしないため、どんなことも中途半端で投げ出してしまい、高い能力を得られない。

 それでも、それなりに努力をして、ある程度の資格を手に入れたところで、その

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発達障害は、「可愛くないウーパールーパー」だ。 その② 【ADHDは高学歴を目指せ】

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 39.

 ある昼下がりのこと。

 僕は、自宅であるマンションの一室から、扉を開けて外に出ようとしました。

 そこに、一人の作業服を着た男性が立っていました。

 僕を見た彼は、エアコンの室外機を指さしながら、言いました。

 ――あっこから風が吹きつけるせいで、ここだけ汚れがたまるねん。
 ――なかなか汚れ取れへん。
 ――親にそう言うといてな。

 彼が誰であるかは無論、何を言っているの

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発達障害は、「可愛くないウーパールーパー」だ。 その① 【ADHDは高学歴を目指せ】

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 38.

 「竜と流木」という小説を読みました。

 南洋のある島を舞台にした、バイオミステリー小説です。

 非常に可愛らしい外見・おとなしく人懐っこい性格をもった、水棲の両生類・ウアブという生物に魅せられた主人公は。
 ウアブの生息する島で、保護活動に従事するのですが。

 その島に、突如、凶暴な巨大トカゲが発生します。

 非常に醜悪な姿をしたそのトカゲは、隙を見て人に噛みつく。
 噛みつ

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無能なのに勉強だけは出来た発達障害男性が、50歳にしてようやく理解した「自分の能力の正体」 その③ 【ADHDは高学歴を目指せ】

無能なのに勉強だけは出来た発達障害男性が、50歳にしてようやく理解した「自分の能力の正体」 その③ 【ADHDは高学歴を目指せ】

 37.

 「尊敬する人」「憧れの人」「手本になる人」。
 そういう人が、僕の人生においては一人もいませんでした。

 エリートコースにいましたから、「偉い人」「偉くなるだろう人」は、身の回りに大勢いました。
 勿論、「いい人」「優しい人」もいました。

 けれども、どの一人に対しても、僕は、敬意を抱くことがありませんでした。

 理由は簡単です。

 「間違いを見つける」ことに関しては、相当に

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無能なのに勉強だけは出来た発達障害男性が、50歳にしてようやく理解した「自分の能力の正体」 その② 【ADHDは高学歴を目指せ】

無能なのに勉強だけは出来た発達障害男性が、50歳にしてようやく理解した「自分の能力の正体」 その② 【ADHDは高学歴を目指せ】

 36.

 ――勉強は出来るのに、日常生活や仕事は何故か全くダメ。

 灘校・京大は出ているのに、まともな人間関係を築けず、仕事もまるで出来ない僕は。
 自分は、そういう人間だと思い。

 何故日常生活や仕事は全然ダメなのか。
 どうすればよくなるのか。

 そういうことを、ずっと考え続けて、試行錯誤し続けてきた僕ですが。

 四十を過ぎたころ。
 様々な経験を積み。
 さらに、発達障害、ADH

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無能なのに勉強だけは出来た発達障害男性が、50歳にしてようやく理解した「自分の能力の正体」 その① 【ADHDは高学歴を目指せ】

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 35.

 僕は、勉強が出来ました。

 灘中学に入学できたのは、親の力のお陰だったにしても。

 その後六年間、ほとんど勉強せず、文系クラスに属し、塾や予備校に一切通わず、独学しかしていないのにもかかわらず。

 京都大学の理系学部に合格したのです。

 当然のことながら、僕は、「自分は天才だ」と思いました。

 ところが。

 実際の生活では、「天才」どころか、人並み以下の失敗ばかり。

 

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「ADHD男性」にとって、「国際結婚」という選択肢を考える。 【ADHDは高学歴を目指せ】

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 34.

 ADHD男性は、どういう相手と結婚するべきか。

 そのあたりを考えてみることがあるのですが。

 これは非常に難しい。
 僕個人の経験とて、それ程豊富ではない。

 そもそも僕は、「財力」「安定性」「清潔感」「余裕」などの欠けた、典型的なADHDなのです。
 その上、男兄弟の家庭、男子校出身。つまり女性扱いはうまくない。

 「女性にモテる」ような存在ではない。

 それでも。

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入国書類に「似顔絵」を描いて入国を許可された旅行者と、履歴書に「証明写真」を貼れずに日本を追い出されたADHDの話 【ADHDは高学歴を目指せ】

入国書類に「似顔絵」を描いて入国を許可された旅行者と、履歴書に「証明写真」を貼れずに日本を追い出されたADHDの話 【ADHDは高学歴を目指せ】

 33.

 ――日本社会は間違っている。

 僕がそうはっきりと認識したのは、二十代半ばの春、アルバイトの面接におもむいた時のことです。

 僕の差し出した履歴書を見た途端に、そこのオーナーは言いました。

 ――顔写真は?

 すみません、と僕は答えました。

 ――ここに来る途中、どこかではがれて、落としてしまったみたいで。

 実際のところは、そうではありません。

 ――当日早めに行って

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「天然ボケ」でしかない発達障害が、「ツッコミ」で大成功した理由と、それでも結局「ボケ」て失敗した理由。 【ADHDは高学歴を目指せ】

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 32.

 「べいしゃん君はツッコミがうまいねぇ」

 学生時代のある日。
 バイト先の上司から、ひどく感心した口調でそう言われました。

 三十年近くが経った今でもそれをはっきり覚えている程、その言葉は衝撃的でした。

 なにせ。
 それは、明らかな「賞賛の言葉」なのです。

 発達障害である僕は、灘校などというエリートの社会に紛れこんで育ってしまった為に。

 とにかく失敗・逃避ばかりである

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初老の発達障害が、今の「怪談」と「バックパッカー」を嫌う理由。 その② 【ADHDは高学歴を目指せ】

初老の発達障害が、今の「怪談」と「バックパッカー」を嫌う理由。 その② 【ADHDは高学歴を目指せ】

 31.

 十代の頃の僕は、いわゆる「怪談」が大好きで、怪談本を目につく限り片っ端から読み漁っていたものです。

 けれども、大人になって外国に住むようになり、日本の本が入手できなくなり。
 自分の中の「怪談」ブームは終わりを告げたのですが。

 やがて、動画サイトや電子書籍が普及したことで。
 外国に居ながらにして、ホラー動画、映画、ホラー小説などを自在に見られるようになり。

 僕は嬉々とし

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初老の発達障害が、今の「怪談」と「バックパッカー」を嫌う理由。 その① 【ADHDは高学歴を目指せ】

初老の発達障害が、今の「怪談」と「バックパッカー」を嫌う理由。 その① 【ADHDは高学歴を目指せ】

 30.

 能力は低く、性格も悪く。
 周囲の全員から、馬鹿にされ、あざ笑われる。

 そんな少年だった僕は、そういう現実を忘れるために、とにかく「ゲーム」に没頭しました。

 家庭用ゲーム機など買ってもらえるはずもなかったため。

 授業が終わると、ゲームセンターにまっしぐら。
 技術さえあれば、ワンコインで長い時間プレイすることの出来るような、単純なゲームを見つけ出し。
 そうして辛い現実を

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初老の発達障害持ちが、「自己啓発本」を憎む理由。 【ADHDは高学歴を目指せ】

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 29.

 中学三年の頃です。

 当時の僕は、生きることにとにかく苦しんでいました。

 勉強が出来ない、人の話をきけない、すぐに物をなくす、片付けが出来ない――そんな、能力の低いどうしようもない子供で。
 そのうえ、勉強はしないし嘘はつくし親の金は盗む、そのくせ非行に走る勇気すらなく、ただ他人の悪口ばかりを言っている――人間的にもどうしようもない子供でもあり。

 そんな子供が、灘中という超

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コミュニケーション能力が低い発達障害が、それでもうまくコミュニケーションできる場所 【ADHDは高学歴を目指せ】

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 28.

 若い頃の僕は、「コミュニケーション」がとにかく苦手でした。

 何を喋ればいいか。どう喋ればいいか。あれを言ったほうがいいのか、これは言わないほうが良いのか。
 どう話せばよいか分からず、話始める前から、頭は混乱し。

 ちゃんと伝わっているだろうか。この反応はどういう意味だろうか。怒っているのだろうか、笑っているのだろうか。
 相手のことを考えすぎて、話している途中でも、頭が

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年を取った発達障害は、どの世界に逃げ込めば良いのか? 【ADHDは高学歴を目指せ】

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 27.

 「生きるのが辛い」と感じるようになった中学生一年の夏頃から、五十歳になる今に至るまで、僕は常に、「現実逃避」の手段を求めていました。

 さぼっていること、先延ばしにしていること、見ないふりをしていること。
 一旦意識を向けてしまうと、即座に頭の中がそれらに支配される。
 不快な感情が極限まで増幅され、一方で、非常に楽しみにしていたことにも何の魅力も感じなくなる。

 それでいて、そ

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